1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/02(火) 09:29:46.59 ID:wNJPYNNh0
※注意
上条さんTUEEEEE!がしたかっただけのIFストーリーです
要は『上条さん×アイテム』なので、浜面ファンの皆さんごめんなさい
日常:戦闘:ラヴ:コメ=4:2:1:3、ぐらいです

最後までお付き合い頂ければ幸いです

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475: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:47:45.77 ID:SypWvixA0
上条「『×月○□日、誰もやってきませんでした』」

絹旗「お、終わったんですか?この悪夢が超終わるんですね?」

フレンダ「よ、良かった訳よ!」

麦野「あ、上条!次最後よね?ちょっと読むの停止、あと中学生二人は部屋の外行きな」

フレンダ「え、でも――」

絹旗「……超行きましょう、超嫌な予感しかしません」

一方通行「悪ィ、こいつも頼ンだ」

絹旗「分かりました。えっと打ち止め、ですよね?」

打ち止め「お姉ちゃん達のお名前はなんて言うの?って――」

パタン

垣根「……俺、聞きたくないんだけどさぁ?」

麦野「アタシもそれが正解だと思うわ」

一方通行「……つーかァこの状況で淡々と読める三下のメンタル半端ねェなァ」

上条「俺だって読みたくはねぇぞ!つーかオチは知ってるから俺だけで終わらせるかっ!」

麦野「……まぁ聞くけどね」

上条「『×月○□日、誰もやってきませんでした』」

上条「『なので、冷蔵庫に入っています』」

上条「『あなたが、開けるまで、待っています、ずっと」

垣根「ひぃぃぃぃぃぃっ!?」

一方通行「……」

麦野「……」

上条「……あー、うん。手紙返すから」

垣根「……」

上条「あ、ごめん!俺ちょっと用事がっ!」

麦野「あの子達、打ち止めちゃんと仲良くしてるかしらねー。親御さん、ここら辺に遊ぶ所ってないの?」

一方通行「あ、あァ。ガキどもの保育所みてーなのを、ボランティアでやってン女がいてなァ、ソイツが色々世話焼いてきて煩ェんだ」

上条「それ、お前に気があるんじゃないのか?」

麦野「こら!ロリコ×に酷い事言わない!」

一方通行「お前の方が殺されても文句言えねェ事言ってっかンなァ?あァ?」

パタン

垣根「……」

垣根「俺をっ、俺を一人にしないでくれよおおおおおおっ!?」

476: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:49:14.18 ID:SypWvixA0
――エリザリーナ独立国・個別病室

番外個体「……」

番外個体(あー……眠みぃ。麻酔か?麻酔打たれてんのかな?)

番外個体(生きてる、って事は良かった、のか?ってもなぁ生かされてもなぁ?)

番外個体(白モヤシのために急遽造られて、何か機械埋め込まれて、それでロシアまで直輸されたけども)

番外個体(勝っても負けてもってぇのが、何か――何か、だーよなぁ)

番外個体(……あん?)

番外個体(何か冷たい?あー……マブタ、マブタ開かねぇなぁ)

番外個体(電気信号……)

ヂッ

番外個体(病室暗いしハレーション起こして見えねぇなぁ。まぁ白い服じゃなかったし、学園側の暗殺者って所か)

番外個体(やだなぁ、死ぬ前にパーツでも回収されてんのかなぁ。どうせならオリジナルが好きなあの人にちょっかいかけたかったな)

番外個体(あーでも、お姫様抱っこして貰ったんだっけ?)

番外個体(みさかー、なんて呼んで貰ったりもしたか)

番外個体(でもそれ、よくよく考えたらミサカの名前じゃないんだよね)

上条「……ミサカ、だよな?」

番外個体(あーそうそう。こんな声こんな声)

上条「あーごめん。さっき勘違いしてたみたいだ」

番外個体(いや、勘違いはしねぇだろう。明らかに部分的に違うよな?――って!マジかっ!?本物かよっ!?)

上条「……学園なんだな?お前達に酷い事をしたのは、またアイツらか」

番外個体(いやいや、熱くなるなよヒーローさんよおっ。鬱陶しいんだテメー、つーか何様のつもりだボケ、死ね)

上条「……俺が、約束したのにっ。お前達を護るって約束したのに」

番外個体(……約束?誰と?何の話だよ?)

上条「……あぁ、でも俺が、全て終わらせるから」

上条「この下らねえ戦い、全部終わらせるから!」

番外個体(あっついんだよこのクソが!どっか行けよ!お前なんか、お前なんかっ!)

番外個体(……)

ヂッ

上条「……ん?今、火花が――いや、気のせいか?」

477: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:49:52.06 ID:SypWvixA0
番外個体(気付よクソが!だからお前なんて大嫌いなんだよっ!)

上条「……じゃ俺、ちっと行ってくるから――あれ、換えのガーゼに文字が――」

番外個体(……)

上条「焼け焦げて、そうか!火花でかっ!」

上条「……『シネ』?」

上条「あのさぁ、もうちょっと、こう色々あると思うんだけど」

番外個体(ウルセェよ、どっか行け)

上条「まぁ……ちょっくら行ってくるわ」

番外個体(……行っちまえ)

上条「帰ってくるまで体治しとけよ――番外個体」

番外個体(……!)

番外個体(……ウルセェよ。なんかもう、ウルセェ)

番外個体(オリジナルも、あの人も、白モヤシも)

番外個体(ミサカの心臓も――ウルセェつってんだろ!)

478: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:50:54.25 ID:SypWvixA0
――ロシア某所

浜面「洋平さんっ、レジスタンスが何人も『ベツレヘムの光』見たって報告が!」

アックア「無理なのであるな。ランダムに移動しているから、リアルタイムで補足しないと意味がないのである」

浜面「違うんだよっ!スマートフォン――の地図見てくれっ!」

浜面「目撃証言を点で置いていくと、真っ直ぐに移動してんだ!」

アックア「……奇妙であるな。余程急ぐ用事でも――この、先には!」


――エリザリーナ独立国・客間

『我が青竜刀の錆になれいっ!』

『にゃー、愛紗は怒りっぽいのだー』

……

ヴェント「……何か三国志のアニメらしいんだけど、女の子しか出てないってのはどうよ?」

ヴェント「アタシの知ってる三国志、ってぇのはこんな話じゃなかった筈だけど」

アニェーゼ「イノベーション、ってヤツなんじゃないですか。古いババアは若いロリキャラに淘汰されるように」

ヴェント「アンタは確実にケンカ売ってるわよね?あと若くないロリキャラって矛盾してないか?」

アニェーゼ「いえいえそんなとんでもねぇ話ですって」

PiPiPi……

ヴェント「ったく――あぁアックアからか」

アニェーゼ「普通の携帯?あぁ音だけですか」

ヴェント「『どうしたゴロツキ。今更なんの用よ?』」

アニェーゼ「取り敢えず罵倒から入るんですか」

ヴェント「『外?あぁ曇ってはいるけど――雲じゃない?』」

ヴェント「『だったら、アレは――』」

479: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:52:08.27 ID:SypWvixA0
――少し前。エリザリーナ独立国、エリサリーナ私室

エリザリーナ「……どう?」

滝壺「体が軽くなった、ような……?」

エリザリーナ「方針自体はイギリス清教と同じよ。ただし使う薬草の類が違うから」

麦野「つまり?」

エリザリーナ「一年ぐらい摂取していれば、それ以上は必要ないわね」

上条「良かった!」

エリザリーナ「あ、勿論もう『体晶』を使っちゃ駄目よ?それだけは絶対に守って頂戴」

滝壺「……」

絹旗「……滝壺?」

滝壺「……それは、いや」

フレンダ「滝壺っ」

滝壺「わたしは、みんなが大切……!だからきっと、危険になったら――」

エリザリーナ「……気持ちは、分からないでもないけど。例えば、ね?あなたが犠牲になって生き延びたとして、他の子達は喜ぶかしら?」

滝壺「それは……」

エリザリーナ「うん、建前では悲しみながら、実は裏では何とも思わずに仲間を遣い潰しているような人達、私は結構見てきたのよ?」

エリザリーナ「でも、あなた達は違うじゃない?夫婦の絆を比翼の鳥に例えられるけど、あなた達はみんなで一つ、って気がする」

滝壺「だから……」

エリザリーナ「あなたの居ない世界、それがあなたのお仲間に耐えられるかしら?」

滝壺「……」

エリザリーナ「……と言ってもまぁ、余裕はないけど極めて深刻でも無いのよね。後はきちんと話し合いなさい、ね?」

滝壺「……はい」

滝壺「あ、でも依頼が一つ。試してみ――」

麦野「どうしたのよ?」

滝壺「近い……?いやでもっ……!」

絹旗「超落ち着いて下さい滝壺、具体的にどのぐらいなんですか?」

滝壺「北に、一キロ……?」

上条「ちょっと待て!?それじゃまさか――」

ドオオオオオオオオオオォォォォォオオォオウンッ!!!

480: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:53:10.08 ID:SypWvixA0
――エリザリーナ独立国、現在

アニェーゼ「少年っ!」

上条「何が始まったんだ!?」

アニェーゼ「ロシア軍正規兵の機甲部隊が攻めてきやがってます!」

アニェーゼ「そっちはまだエリザリーナ義勇軍で持ち堪えていますが――」

ズゥゥンッ!

アニェーゼ「北方約1キロに『ベツレヘムの星』、しかも天使の護衛付きですっ!」

麦野「天使はどうしているの?」

アニェーゼ「学園の白い人と黒い人が抑えていますが、どうにかってぇ感じです!」

上条「ヴェントは?」

アニェーゼ「義勇兵を援護しています!――私は負傷者へ治癒術式を施さないといけないので、これで失礼っ!」 ポクポクポクポクッ

麦野「参ったわねー、こりゃ」

上条「……」

絹旗「逃げる、ってのも超後味が悪そうですし。何とかしたい所ですが――上条?」

上条「ん?あぁいや、どうしたもんかなって」

フレンダ「んー……戦争かぁ。つーかあたしら別に誰も驚いてないって訳よね」

滝壺「……『体晶使わずに済んだから、らっきー』みたいな?」

フレンダ「良いって訳?向こうから来ちゃったみたいだけど」

麦野「一回は一回、証人はエリザリーナも居るしね。とまぁ火力が必要なのは、ロシアの機甲兵団かぁ?」

麦野「セロリと冷蔵庫いなくなって士気ガッタガタだろうし、ちっとドンパチやってくるわね」

絹旗「わたしは超どうすれば?」

麦野「あんたと上条はミーシャ相手、しかないでしょうね」

絹旗「はい!命に代えても――っていひゃいいひゃいいひゃい!!!」 ムニーッ

麦野「馬鹿言ってんじゃないわよ。一人でも欠けたら、私が地獄まで追い掛けてって殴り倒すからね?」

フレンダ「……結局死んでもそんなカルマを背負い続ける訳……?」

滝壺「なむー……」

麦野「残った二人は打ち止めちゃん――と、あぁそういや、ミサカ新型も居たか。二人の護衛をしなさいな」

絹旗「いたた。エリザリーナはどうするんですか?」

麦野「私達が側につくのは色々問題がありそうなのよ、主にスパイ的な問題で」

フレンダ「この国の事はこの国で、っていうのもシビアかも知れないけど」

滝壺「ぶっちゃけ、薬草のレシピやらなんやらは、イギリス清教へメールで送信済み……」

麦野「とまぁそんな感じで。全員、死ぬんじゃないわよ!」

絹旗「はーい、おかあさーん」 ダッ

フレンダ「おっけいっ!ままっ!」 ダダッ

滝壺「かーちゃん、いってくるぜ……」 ダダダッ

麦野「おいこらメスガキどもがっ!!!……ったく本当に」

麦野「……良い娘ばっかりよね――上条?」

上条「あぁうん!行って、来るよ!」

麦野「えぇ気をつけて……?」

481: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:54:10.12 ID:5Mkwzqkr0
きてたー!!!
岸田メ○押し吹いたwwww どうなっていくやら

482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:54:26.05 ID:SypWvixA0
――義勇兵vsロシア機甲兵団

ヒュンッ、ドオウンッ!

ヴェント(火力が段違いよね。向こうは落ちぶれたとはいえ超大国、こっちは西側の中古兵器のオンパレード)

ヴェント(士気が高いってのはまぁ認めてやらなくはないか)

独立国兵士「下がってください!民間人は早く退避を!」

ヴェント「誰にモノを言っているの?このアタシに命令形は無い!」

独立国兵士「……え?」

ヴェント(水……雪があるから、行けるな!『アドリア海の女王』部分召喚!)

ゴウウン――ドゥンッ、ドゥンッ、ドゥンッ……

ヴェント「ハッハァっ!良い悪意!」


――学園都市序列1位2位vsミーシャ

ミーシャ『laskdfjsa;ofijwooqiwjeqoiwejqopiっ』

垣根「なぁに言ってるのかわっかんねぇしっ!!!」

ズウウンッ!

一方通行「あぁもう面倒臭ェンだよォォっ!」

ゴガッ、ズウウンッ!

垣根「どうにもこうにも膠着状態だねぇ、こりゃ。つーか親御さん、娘さんとこ行かなくていいの?」

一方通行「あのガキ助けてもらった恩も返さねェで逃げるってェのは、俺の性分に合わねェ――つーか今頃、煩ェ奴らが保護してンだろうよ」

垣根「随分信頼してんだコト」

一方通行「口よりも羽根動かしやがれ。来ンぞ!」

ミーシャ『豬憺擇www』

ドウンッ!!!

483: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:55:15.55 ID:SypWvixA0
――医務室

番外個体「あークソ頭痛い頭痛い頭痛いっ!ドッカンドッカンしててうるせーっ!」

フレンダ「居た居た。すっごい訳ね、打ち止め」

打ち止め「えっへん!とミサカはミサカは将来立派になる胸を張ってみたり!」

番外個体(あ、しまった。プロテクト外してた)

滝壺「とにかく、ここは危ないから……」

番外個体「あー……おねーさん達、ミサカにも武器をくれないかな?」

フレンダ「使えんの?」

番外個体「つーか白モヤシを殺すためにチューニングされた個体だし?能力もレベル4相当の電撃系だってさ」

滝壺「それは……すごい」

フレンダ「……守りに来たのに、逆に守られてる感がヒシヒシと」

番外個体「あの人には借りがあるし?今日は出血大サービスで、三人とも守ってやっても良いんだぜ?」

滝壺「おおっと、こんな所に、あなたをお姫様抱っこしている画像が……」

番外個体「ぎにゃーーーーーーっ!違うのっ!それは違うって!」

滝壺「あなたのケータイ出して……?」

番外個体「……ん」

番外個体(拾った奴だけど)

滝壺「そうしん……」 ピッ

番外個体「い、依頼料は確かに貰ったぜ!」

フレンダ「今さらハードボイルドっぽい事されても、ねー?」

打ち止め「ねー?ってミサカはミサカはハイタッチしてみる!」 タッチ

番外個体「あーもう、うっぜぇぇぇっ!ミサカこの組もうイヤっ!組変えを要求するっ!」

484: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:56:11.64 ID:SypWvixA0
――義勇兵vsロシア機甲兵団

ヴェント「どうにも面倒だな――つーかアンタが来る必要も無かったわね?」

麦野「……いや、正直あたしも引いている。なんだそりゃって感じ。アックアといいアンタといい、バケモンしかいねぇのかよ」

ヴェント「あのゴロツキと一緒にされるのは心外だけどね」

麦野「来てんでしょ」

ヴェント「さぁ?さっきは急いで来る、とは言ったけれど――って第二陣が来るわね」

麦野「次はアンタ休んでろよ。んなハイペースで疲れない訳がないわ」

ヴェント「煩いわね。このアタシに――」

麦野「っと失礼、携帯が。あー……取りたくないわぁ……」

ヴェント「何?借金の取り立てかなんか?」

麦野「だったらどんだけ気が楽だったか――『はい……あー、んじゃ、二人を回収しといて?』」

麦野「『うん。つーか行く所は一つしかないし。こっちから行った方が早いから』」

麦野「『打ち止めちゃん達はアニェーゼに――うん、じゃ』」 ピッ

ヴェント「深刻そうね?」

麦野「ウチの馬鹿が一人暴走したのよ」

ヴェント「あー……もしかして、あっちに?」

麦野「うん。戦場突っ切って、あそこに」

485: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:57:18.80 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

フィアンマ「どうした上条?不思議そうな顔を……してないなぁ?」

上条「近くまで行けば、お前が拾ってくれそうな気がした」

フィアンマ「つまらないな。折角幾つか台詞を用意していたというのに」

上条「……やり直そうか、最初っから?」

フィアンマ「いや時間が勿体ないだろう?お互いに」

上条「お前は一体何がしたかったんだ?大勢の人を巻き込んでまで、何を――」

フィアンマ「世界の救済だな。俺様の造り上げた秩序の元に、世界を立て直そうとするだけさ」

上条「意味無いだろう!?この世界はお前に救って貰う程、腐ってなんか無い!」

フィアンマ「お前の住んでいる所は、な?だがそれにした所で、たかが高校生相手にローマ正教20億が目の敵にする世界だろ」

フィアンマ「もっと腐っている所は幾らでもある。それぐらいは理解出来るだろう?俺様はそんな下らない世界をどうにかやり直したいのさ」

上条「腐ってなんか無い!確かに俺は、俺達は変な戦いに巻き込まれただけだ!」

上条「けどな、だからつって助けてくれる人は居た!」

上条「お前と違って俺には仲間が居たんだよ!」

フィアンマ「……ふむ。同じ『右手』を持つもの同士、話が合うかと少し思ったんだがな」

フィアンマ「つまりアレか?俺様は独りでお前は大勢の仲間が居る、だから俺様みたいな人間が世界を救うのは相応しくない、と?」

上条「お前に救われる程、この世界は終わっちゃいない――」

フィアンマ「じゃあ聞くが――どうしてお前は今、『独り』なんだ?」

486: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:58:32.37 ID:SypWvixA0
――同時刻。vs天使

ミーシャ『ioioieoqwieoweioq!!!』

ドゥンッドゥンッドゥンッ!!!

垣根「拙いな、っと!」

ドオオンッ!!!

垣根「――まぁこんで暫く大人しくなんだろ」

一方通行「……弱音吐いてンじゃねェよ。だからお前は使えねェンだ!」

垣根「お前、そろそろバッテリー切れんだろ?」

一方通行「お前にゃ――」

垣根「下がれ。邪魔だ」

一方通行「煩ェよ」

垣根「……分かるだろ?なぁ?」

一方通行「……」

垣根「多分アレは、俺達じゃ無理だ」

垣根「残った時間は打ち止めちゃんと逃げやがれロリコ×野郎」

一方通行「ロリコ×じゃねェし、クソが!死ね!」

垣根「うるせぇよ。時間稼ぎしてやろうってぇ人間に死ねとか言うんじゃねぇよ!そこは『垣根君ありがとう!』じゃねぇのかよっ!」

一方通行「あーもうお前死んで来いよ、なァ?死ねばその馬鹿治っかもしンねェから」

垣根「誰が馬鹿だっ、つーか前から言おうと思ってたんだが、なんで俺馬鹿なの?学園二位じゃん?」

一方通行「……意味も分からねェのに、必要もねェのにロシアまでついてきやがって、帰りたい帰りたい言いながら、ダラダラ居座るし」

一方通行「なにやってンだよ!?バカじゃねェのか!?」

垣根「……あーお前居なかったっけ?あん時トイレでメソメソ泣いてたもんなぁ」

一方通行「捏造すンなバァカ」

垣根「ウルセェセロリ。上条に借りがあんだよ、ウチの組織の連中がケンカ終わった後にまでアイツらに手ェ出したってな」

垣根「だから、ケジメなんだよ。テメェなんかのためじゃねぇ、『悪党』である俺のプライドのためだ!」

一方通行「……ワッケ分かンねェ、お前もう死ねば?」

垣根「ウルセェよ。さっさと失せろ!」

一方通行「――テメェみたいな『悪党』、見た事ァねェよ」

487: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 10:59:28.17 ID:SypWvixA0
垣根「……」

一方通行「……」 ダッ

垣根「……はは」

垣根「マジかよっ!?あの学園大一位サマから『悪党』って!ははっ、あはははっ!!!」

ミーシャ『ioqiwoqwiqowiqowi』

垣根「だよなー?お前も笑っちまうよなぁ?」

垣根「クソの中のクソだっつーあのバカが、俺を『悪党』って!」

垣根「あーやべー、ちっとやる気出て来たかも?」

ミーシャ『al;sa;sla;sla;sla;sl』

垣根「……いやでも天使がコレて。やっぱ出ないわー、うん」

垣根「いやホラ天使ってのはさ、全裸に翼で?しかも綺麗なんだよ、全裸で?」

ズドオオオオウンッ!!!

垣根「さっさとぶっ殺して、ナンパでもすっ――」

ミーシャ『jqhwjqhwjqhwjqhwjq……一掃』

ズッゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォウンっ!!!

488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:00:12.44 ID:SypWvixA0
――ペレホムの星・内部

フィアンマ「俺様の独り善がりである。否定はしないさ」

フィアンマ「だが――だからといってお前はなんだ?俺様との圧倒的武力を知りながら、どうして一人でやってきた?」

フィアンマ「俺様が孤独であるのは認めよう。と言うよりもその通りだ。『右手』に『ベツレヘムの星』、更には部分的ではあるが天使を御したこの武力!一国に凌駕する程にだ!」

フィアンマ「だが、どうして、非力な筈のお前が!精々異能を打ち消すだけの力しか持たないお前が!単身乗り込んでくるのだ?」

フィアンマ「そして――お前の友は!仲間は!同胞達はっ!どうしてお前一人“だけ”を戦場へと送り込むっ!?」

フィアンマ「教えてやろうか、幻想殺し――お前もまた――孤独なんだよ」

上条「違う!俺は今まで多くの仲間を救って――」

フィアンマ「お前が救ってきたのは、本当に『仲間』だったのか?」

フィアンマ「お前の事は恐らくお前よりも知っているぞ。同じ右手を持つものとして、ずうっと見てきたからな?」

フィアンマ「禁書目録――あの小さなシスターに嘘を吐いている事だってなぁ?」

上条 ビクッ

フィアンマ「だが敢えて問おう。お前がアックアに立ち向かった時、ブリテンのじゃじゃ馬へ拳を振り上げた時、お前はどうだった?」

上条「俺はっ仲間と戦った!お前とは――」

フィアンマ「だなぁ?仲間が居なければどの戦いも勝てなかったよなぁ?」

フィアンマ「でもお前は最初、一人で敵と戦おうとしたよなぁ?」

上条「それはっ!」

フィアンマ「あーそうだな。お前にだって色々理屈はあるんだろう。仲間のため、友のため、吐きそうなぐらいご立派な信念だよ」

フィアンマ「なら俺様からの質問だ。お前の言う『仲間』ってのは、ビンテージのワインみたいに仕舞っておくモノなのか?」

フィアンマ「それとも暇な時にちょっとだけ会って遊ぶだけか?どうにも良く分からないなぁ?」

フィアンマ「なぁ教えてくれよ、英雄さんよぉ。俺様とお前は違うんだろ?俺様は力に取り憑かれた狂人なんだろう?」

フィアンマ「俺様は力があるから孤独でも戦える。だがお前は力が無いのに孤独で戦おうとする」

フィアンマ「その大切なお仲間とヤラもお前の周りには見えないなぁ?あぁつまり、アレだ?」

フィアンマ「――お前には仲間なんて、最初っからいなかったのさ」

489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:01:13.66 ID:SypWvixA0
――vs機甲兵団

ヴェント(通常兵器とはいえ数が多すぎるっ!砲撃術式もそろそろ限界か……)

独立国兵士「どうかお下がりください!あなたはもう充分に戦われたのですからっ。あとは我々がっ!」

ヴェント(アンタ達が根性見ている以上、下がる訳にも――)

ヒュウッ!ズゥンッっ!!!

ヴェント「魔術の光、だと……?クソっ!」

ヴェント「ロシア軍を盾にして温存してやがったのか!?ロシアの異端者どもめ!」

独立国兵士「危ないっ!?」

オォンッ

独立軍兵士「……」

ヴェント「……クソッ!クソッ!クソがあああああああああぁっ!」

ヴェント(後の事なんて考えなくて良い)

ヴェント「討ち滅ぼしなっ、『アドリア海の女王』!!!」

ドオオオウンッ!!!

490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:01:56.02 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

フィアンマ「おかしいなぁ?おかしいよなぁ?おかしな話だよなぁ?」

上条「……」

フィアンマ「お前は、ただの、無能力者だ。ほんの少しだけ変わった力を持った、学園都市風に言えばレベル0か」

フィアンマ「だのに、世界に20人しかいないと言う聖人は?ルーンを自ら作った天才魔術師は?天草式十字凄教の連中はどうした?」

フィアンマ「お前が助けたシスターは?騎士団は?友であり仲間であるお前を放って置いて、一体を何しているんだ?」

上条「俺はっ、俺は、見返りが欲しくて戦ってきた訳じゃない!」

フィアンマ「だなぁ。その結果、お前には仲間など誰一人出来なかったんだが」

上条「あ……」

フィアンマ「世界を変えるのに大きすぎる力は要らない、か?お前の言葉程空々しいモノはないよ、ヒーロー」

フィアンマ「お前は言う――『俺を信じろ』、と。何だって、どんな事だって、俺が打ち払ってやるから、踏み込んでこいと」

フィアンマ「だが同時にお前は結局誰一人として、何一つとして、『信じなかった』んだ」

フィアンマ「だから誰の力も頼れず、頼らず、最凶最悪の敵相手ですら、こうして一人で来るしか無かった」

上条「違う、俺は――」

フィアンマ「違わないさ。現実に周囲を見渡してみろ、それが全てだろう?」

上条「……っ!?」

フィアンマ「魔王相手に独りで乗り込んでくる勇者なんて、居る訳がない。もし要るとすれば、それは――」

フィアンマ「魔王、と呼ばれるべきだろうな?」

491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:02:47.99 ID:SypWvixA0
――エリザリーナ独立国・市街地

ガガガガガガガッ!

アニェーゼ「くっ!」

キィンッ!

ロシア軍兵士「!?」 パタン

番外個体「へー何かすっごいねー?ちょっと貸して貸して?」

アニェーゼ「巫山戯てる場合じゃねぇでしょうが!前も後も敵、敵、敵!」

番外個体「いやー、こればっかりはねぇ?」

打ち止め「うん、ミサカはミサカは仕方がないのよねって言ってみる!」

アニェーゼ「あーもう何でこの人達の担当があたしにまわってきちまうんですかっ!?」

アニェーゼ「つーかあの人達は何処行ったんですか!?現在の最大戦力でしょうに!」

番外個体「あー、多分、つーか確実に、あそこじゃないかな?」

アニェーゼ「いやでもこの状況をほっぽり出してまでする必要性がっ!」

打ち止め「あのね、生きるよりも死ぬよりも大切な事はあるのよって、ミサカはミサカは言ってみたり」

打ち止め「それがどんなにくだらなくっても、バカにされても、本人達が満足ならいいじゃないかなって、ミサカはミサカは達観してみるっ!」

アニェーゼ「……はぁそんなもんなんですかねぇ?あたしにゃ分かりませんが」

番外個体「そんなこと言ってぇ、ホントは分かってるんでしょー?うりうりっ」

アニェーゼ「あーもう鬱陶しいですっ。班変えっ、班変えを要求するってもんですよ!」

492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:03:37.46 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

フィアンマ「もういい。お前は良くやったよ。それは俺様が評価してやろう」

フィアンマ「だが、ここまでだ、というだけの話。独りでは俺様をどうこうする事は出来ん」

上条「クソがっ!」

ゴウゥッ!

上条「ぐああっ!?」

フィアンマ「あんまり俺様を刺激しないでくれよ――と、話も飽きた。そろそろ終わりにしようか」

上条「まだだっ、俺にはまだお前を……!」

フィアンマ「決着などとうに着いていたのだ。お前が独りでここへ乗り込もうとした、その時に――」

麦野「――だよなぁ、良い機会だからそのバカに教えてやってくれよ」

上条「むぎ、の……っ!?」

フィアンマ「お前はっどうやって!?」

麦野「テメーが犠牲になるのは良いけど、他人が巻き込むのはお断り、なんつーのは仲間でもなんでもねえんだよ」

絹旗「超ですよねー。もう超折檻してやろうかと……性的な意味で(ボソッ)」

上条「絹旗、まで」

滝壺「ふたりともダメ出しから入るのは良くない……こう言う時には定番がある……」

滝壺「『きちゃった、てへ……』」

フレンダ「結局主旨はあんま変わってない訳?つーかもうちょっとエロっぽく言った方が」

上条「みんな……どうしてっ!?」

麦野「そりゃまぁ来たんでしょうよ、『みんな』で」

493: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:04:47.04 ID:SypWvixA0
――少し前、vs天使

垣根「……」

垣根「……おおぅっ!?」

垣根「い、今ちょっと死んでたような……?」

垣根「大丈夫だよな?生きてるよな、俺?」

垣根(あーでも全身痛ぇ!超痛い!つーか死んだ方がマシかもっ!)

ミーシャ『hgfjghfjghfjghfjghfjgh!』

垣根「あー……お前は無事なのね、やっぱり」

垣根「白モヤシに啖呵切った手前、もうちょい何とかしたかったんだが。まぁ」

垣根「悪くはねぇか」

ミーシャ『qwqwqwasasasdfdfioi!』

垣根「……天使ってのが、これってのは不満しかねぇけどさ」

垣根「そうなぁ天使ってえのは、アレだ。翼が生えていてだな」

ミーシャ『qwqwqwqwqopwqpop!』

垣根「お前じゃねぇよ。なんつーか、可憐な娘なんだよ!お前可憐要素ゼロじゃねーか!」

ミーシャ『qwruiposidjg;l!』

垣根「いいからさっさと――」

ヒュインッ、グオンッ!!!

ミーシャ『kjf;lkfdgh;odghpo!?』

垣根(なんだぁ……?超高速で突っ込んできやがった)

垣根(学園都市の制服の女子高生……?翼生えている?)

垣根「……」

垣根(俺にも天使ちゃんきたああああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!)

風斬「あの、もう大丈夫ですからっ」

垣根「へっ、喋れんの?」

風斬「え、えぇはい、ごめんなさいっ!」

垣根(腰低いっ!?あ、でも――可憐だっ!)

垣根「あのっ、すいませんっ!」

風斬「はい、何でしょうか?今ちょっと手が離せな――」

垣根「直ぐに終わりますっ。そのっ――」

垣根「一目惚れですっ、俺と付き合って下さい!!!」

風斬「ごめんなさい!」

垣根「……」

風斬「そ、そのっ、巻き込まないように、場所移しますから、失礼しますねっ!?」

ヒュンッ

垣根「……………」

垣根「もう殺せよおおおおおおぉぉぉぉぉっ!一思いにやってくれよおおおぉぉっ!?」

494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:05:40.95 ID:SypWvixA0
一方通行「……何騒いでんだ、バカ」

垣根「ウルセェよセロリ――ってお前、なんで?」

一方通行「……あんだけデカい爆発ありゃ、誰だってわかンだろうが、バカ」

垣根「打ち止めちゃんは?」

一方通行「……今から探しに行くンだよォ、バカ」

一方通行「だから」

一方通行「……さっさと掴まれよ、バカ」

垣根「ウルセェよ。テメェが能力無しで人担げる訳がねぇだろうが」

一方通行「やってみねェとわっかンねェだろうがよ!……クソ、重っ!」

オルソラ「……」 ドキドキ

垣根「あーもう無理だって!誰か呼んでこい、馬ぁ鹿!」

一方通行「煩ェよ、バカ!お前に指図される覚えはねェンだよ、バカ!」

シスター・ルチア「……」 ドキドキ

垣根「つーか何?お前バカバカ言いやがって!ケンカかコラ、ケンカすんだったら買うぞ!?」

一方通行「いや、違げェだろうがよォ!ここでンなバカな事言い出すから、お前はバカって言われンだぞ!?」

シスター・アンジェレネ「(ね、ねぇねぇシスター・ルチアっ!あの二人、いつイチャイチャするんですかねー?)」

シスター・ルチア「(しっ!静かに!お二人の邪魔は神がお許しになりませんっ!)」

垣根「……」

一方通行「……」

アンジェレネ「(あ、あれ?止まっちゃいましたよ?脱ぐんですか、脱ぐんですねっ!?)」

ルチア「(えっとデジカメデジカメ……)」

アンジェレネ「(あーっシスター・ルチア新しいの買ったんですねー!?いいなーいいなー!)」

ルチア「(お待ちなさい!あなたは直ぐに壊してしまうでしょうがっ)」

一方通行「……おい」

オルソラ「何で御座いましょうか?」

垣根「何やってんの?つーか何で戦場にシスターさんいんの?」

オルソラ「私達はイギリス清教のシスターでして、傷ついた方の救助をしに来たので御座いますよ」

一方通行「……だったらこのバカ、なンとかしてくンねェかな?」

垣根「ウルセェよ、バカ」

一方通行「お前の方が煩ェ――って、待て待て待てっ!どォしてお前ら笑顔で生暖かく見守ってンだ!?」

オルソラ「お二人はそう言うご関係なのでしょう?私達が間に入るのは、野暮かと」

垣根「違うからっ!?つーか何とか出来るんだったら、包帯の一つでも巻いてくれよっ!」

オルソラ「あ、私達が何故ここへ来たかと申しますと――」

垣根「会話が巻き戻った!?」

オルソラ「『あの方』のお手伝いで御座いますよ」

495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:06:51.27 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

麦野「ちなみに言わせて貰うと上条、アタシらがあんたを助けに来なかったんじゃない。来れなかったんだ」

麦野「そのバカがデカい結界だか張りやがったお陰で、人も弾道ミサイルも通じなかったのよ」

上条「じゃあ、どうやって――」

麦野「アックア達もどういう魂胆か知らないけど、ここへ乗り込もうとしてたみたいでね」

麦野「学園都市のヘリに同乗するのと交換条件で、結界ぶち破って乗り込んできたって話」

麦野「でも、ソイツの言う事は間違ってないわよ」

麦野「なぁ上条、アンタはなんだ?アタシ達の仲間じゃないのか?それともアタシ達があんたを仲間だと思っていたのは『幻想』なのか?」

上条「……俺は――麦野やみんなを仲間だと思っている。それは絶対だ!」

上条「でも俺には仲間が傷ついたり、死んだりするのは耐えられねぇ――」

麦野「フザケんなっ!フザケてんじゃねぇわよクソ野郎がっ!」

上条「……っ!」

麦野「アタシは人形じゃない!生きた、人間だっ!あんたが欲しがっているのは、都合の良いアンティークドールかなんかでも充分だろーが!」

麦野「……アタシには分かるんだ!この世にはテメェ自身が死ぬよりずっと、辛い事だってあるってっ!」

麦野「アタシにそれを教えたのはアンタだぞ!?責任とりやがれクソッたれが!!!」

496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:07:47.29 ID:SypWvixA0
――少し前、vs機甲兵団

ズゴオオオオォォォォォォォォォォォォォゥンッ!!!

ヴェント「……遅いんだよ、このゴロツキが」

アックア「酷い言われようなのであるな。『天罰術式』は兎も角、『アドリア海の女王』も使わなかったのであるか?」

ヴェント「使ってこのザマよ。はっ、アタシもヤキがまわったのかしら?」

アックア「乱戦になった友軍を巻き込まないように出力を絞っていれば、仕方がないのであるな」

ヴェント「……」

アックア「こっちの青年――少年は、見た目程には酷い怪我ではないのである。どれ」

ヴェント「――っオイ!?空に機影がっ!?」

アックア「……成程、陸戦部隊ばかり展開させておいて、航空支援がないと思ったら、何処ぞの誰かとやり合っていたようであるな」

ヴェント「あれは、味方か?それとも敵?」

アックア「別にどちらであろうが、すべき事は変わらないのである」

ヴェント「……あん?」

アックア「敵であれば叩き潰すだけ、味方であれば肩を並べるだけの話である」

497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:08:37.63 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

絹旗「あーあ、麦野超泣かせちゃったー、超悪い男じゃないですか」

上条「……」

絹旗「ねぇ上条?あなたは超言いました、俺達は一人じゃないって。一人じゃないから、負けないって」

絹旗「大事な人とずっと手を繋いで、離さずに居られるのは『幻想』なんかじゃない、わたしあれ、超とっても嬉しかったんですよ?」

絹旗「でも――どうしてあなたはわたしを超置いて行ってしまうんですか?」

絹旗「子供だから?女だから?頼りにならないから?それとも――」

絹旗「わたしなんか、仲間じゃない、とか?」

上条「違うっ!絹旗はっ俺の大事な人だっ!仲間だし、友達だし、大事なんだよ!」

絹旗「んー……出来ればもう一声超踏み込んで欲しかったですが、まぁ及第点としましょう」

絹旗「わたしは超いい女――になる予定ですから、一つだけ、忘れないで下さいな」

絹旗「わたしはもう、あなたの手を超離しませんよ?」

498: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:09:49.75 ID:SypWvixA0
――――エリザリーナ独立国・市街地

ヒュゥウウウウウゥゥッンッ

アニェーゼ「ありゃあ、学園都市の超音速飛行機っ!?」

番外個体「あっちゃー……ミサカのお友達来たかも?」

アニェーゼ「どういう意味です?」

番外個体「元々学園ってのは派閥があってだねぇ、一つの国に右と左がいるようなモンなの」

アニェーゼ「もしかしてロシア軍と一緒に学園都市の兵士が居たってぇのは」

番外個体「『セロリとか第二位とかが活躍すると俺困るんだよなぁ、よしやっちまうか!』って非主流派達。あ、ミサカもその関係で急遽出て来たのよ」

アニェーゼ「色々あるんですねぇ、そっちも」

番外個体「イヤイヤ2000年経ってんのに、未だにお仲間で血みどろの戦いやってる君らには負けるよー、あっはっはっはっはー」

アニェーゼ「――来ましたっ!飛翔体より何か落下!」

ヒュウウウウゥゥンッ……

番外個体「あー……あれ爆弾だったら、逃げようがねぇなぁ。おいちっこいのとエロシスター、ミサカの後に来い」

打ち止め「ぶー、ミサカはミサカは――むぎゅっ!?」

アニェーゼ「別にエロかねぇですし」

番外個体「声がエロい」

アニェーゼ「そんな事言われたの初めてだっ!?」

番外個体「つーかちっこいのに何かあったら、アタシの責任問題だっつーの!親御さんにボコられるのはイヤだけど……」

番外個体(……いや待てよ?これはチャンスかも?)

499: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:10:47.21 ID:SypWvixA0
上条『番外個体っ、番外個体っ!しっかりしろ!』

番外個体『か、上条……あの子は?打ち止めは大丈夫たった、の……?』

上条『あぁ!お前が身を挺して庇ってくれたお陰だ!ありがとう、番外個体!』

番外個体『そっかぁ、良かっ……うっ!?』

上条『ど、どうしたっ……!?』

番外個体『あなたの顔が……見えない?だから、もっと側へ……』

上条『俺はここにいる!だから――』

番外個体『寒い、体がっ!?』

上条『番外個体!?』

番外個体『……あなたの体で、暖めて……?』

番外個体「……」

アニェーゼ「どうしちまったんです?もしもーし」

番外個体「」 ビクビクッ

アニェーゼ !?

番外個体「あぁ、あの人に言葉責めされてみたいっ!!!ものっそい悪い事して説教されたいっ!!!」 ゾクゾク

アニェーゼ「……どう考えてもそちらさんの方がエロいんですがね」

ヒュウウゥゥンッ……スタッ

神裂「……ふぅ、もう大丈夫です!私が来たからには、あなた方に手を出させま――」

アニェーゼ「」

番外個体「」

神裂「……な、何か?」

アニェーゼ・番外個体「あんたが一番エロい」

神裂「助けに来たのに暴言を吐かれたっ!?」

500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:11:38.67 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

フレンダ「あーもう汚い!絹旗汚いっ!汚い絹旗っ!」

上条「フレンダまで」

フレンダ「いやー、あのね?あたしあんま覚えてないんだけど、さ」

フレンダ「ブリテンで危なくなった時、色々考えた訳よ。そりゃもう一生ぶん考えるんじゃねぇかっつーくらい」

フレンダ「キャーリサ様に踏まれて殴られて、あーあたしこのまま死んじゃうんじゃないかなー、なんて考えた時」

フレンダ「何かみんながウィリアム何とか?って人の名前呼んでた時、実はあたしポカーンだった訳。なんでか分かる?ねぇっ?」

上条「……いや、分からない」

フレンダ「『何言ってんの?はぁ?誰?そんな人来る訳ないじゃんっ!』――って」

フレンダ「『そんな『幻想』ないって訳!』」

フレンダ「『この場面で来るのはあたしの王子様だっつーの!ウィリアム何とかが来る訳ねーだろバーカっ!』

フレンダ「……あたしはね、あたしだけは、絶対、上条が来てくれるって信じてた――ううんっ、知ってた訳よ!」

上条「……王子様?」

フレンダ「言ってない!?そんな事は言ってない訳!?」

上条「いやもう何かグダグダだし」

フレンダ「兎に角っ!麦野と絹旗は難しく考えてるみたいだけど、別に良くね?って」

フレンダ「だって家族が家族同士助け合うみたいに――」

フレンダ「お姉ちゃんが妹のワガママを聞かなきゃいけないように――」

フレンダ「結局、過程は色々あったけど、あたしは今、こうやって上条を助けに来てる訳だからっ!」

フレンダ「それは、あたしにとって当然だって訳よ!」

501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:12:34.77 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部、少し離れた場所

フィアンマ(……あれ?俺様は?俺様の出番じゃないの?)

アックア「少し――遊ぶのであるな」 ポンッ

ヴェント「あークソ、服汚れたっつのーに」 ポンッ

フィアンマ「お前達は――」

アックア「あぁ私の友からの伝言があるのであるな――『空気読め』」 ゲスッ

フィアンマ「がふっ!?」

ヴェント「つーかやっぱりか。アンタ禁書目録も無しにこんなデカい術式動かしてる、って事は制御で精いっぱいなのね?」

ヴェント「だからこっちの最大戦力、ミーシャ潰せるあのバカの心折らないと勝ち目はない、と」

アックア「すまないが――」

ヴェント「ええ。極点へ不時着するよう、進路変えてくるわ」 ヒラヒラ

フィアンマ「待てお前ら!余計な真似を――」

アックア「――あぁ、そう言えばこんな事も言っていたのであるな」

フィアンマ「な、何の話だ!?誰だ!?」

アックア「『余計な仕事増やしてんじゃねぇバーカ!』」 バキイインッ

502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:14:06.25 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

滝壺「……」

上条「……」

滝壺「『きちゃっ――』」

上条「やったからな?それ一回やった所だからな?」

滝壺「……」 ポンポン

上条「え?座れって?また背中合わせに?」

滝壺 コクコク

上条 ストン

滝壺 ペタン

上条(心臓の音、聞こえる)

滝壺「絶対、なんてのはありえないと思う。あるとすれば、それは『幻想』……」

滝壺「人間はいつか死ぬし、人間じゃなくたって死ぬ。この星もそうだから……」

滝壺「人の寿命はあっという間に過ぎるし、ましてあなたは人のために磨り減らす人だから、余計に……」

滝壺「でも、だからこそ。あなたが戦いに行ってもその傍らで。そして帰ってきても、ずっと一緒にいたい……」

滝壺「あなたが命を落とすのならその隣で……わたしが身罷るとしても最期までその横に」

503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:14:08.63 ID:0wVFNkapo
とりあえず
※※浜面

504: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:15:00.46 ID:SypWvixA0
滝壺「……」

上条「……」

滝壺「……」 クイックイッ

上条「……どうした?後で何かやって――」

麦野「……」 ストンッ(目の前に座る)

上条「む、麦野?」

麦野「アンタが不幸であるのなら、アンタを襲う不幸から守ってあげるからっ」

麦野「だから、だからっ――アンタが居ない不幸から、私を守ってくれよおぉっ!」

上条「……っ!」

絹旗「……」 ソッ(左手を繋ぐ)

上条「絹旗……」

絹旗「あなたが世界を超守ると言うのなら、わたしはあなたを世界から超守りますっ!」

フレンダ「……」 ギュッ(右手を握る)

上条「フレンダ……」

フレンダ「あんたが泣きたい時には側で騒いで、笑いたい時には側で騒ぐって訳」

滝壺「あなたを独りには、もう、しないから――」

滝壺「わたしは――わたし達はあなたの居場所になりたい」

上条「……みんな」

上条(無駄じゃなかった……)

上条(俺には、居場所も――守るべき人も!)

上条「おれ、俺っ!」

麦野「言わなくていいわよ、それは」

絹旗「別に超今更ですし?」

フレンダ「結局、言葉にしなくたって」

滝壺「……うん。わかってる、から」

上条「…………………………ああ!」

505: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:16:03.63 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・内部

上条「……ってかさ、思ったんだけど。カゴメカゴメしてる場合じゃねぇよな?」

フレンダ「んー、何かあったっけ?」

絹旗「後は超帰るだけですけど?」

上条「いやいやっ!フィアンマ倒さないと!」

麦野「あー……あそこ、ほら」

フィアンマ ボロッ

絹旗「超フルボッコじゃないですか」

アックア「久しいのである、右手の少年」

麦野「テメェは!!!」

上条「あー、しばらくー?元気してた?」

アックア「ん、あぁそれなりは、であるな」

上条「そっかぁ。フィアンマを倒してくれたのも?」

アックア「あぁ」

上条「ありがとなー」

麦野「(何でコイツ普通に話してんだ?)」

絹旗「(いやでもヴェントとかも超そうでしたし、もしかしたら前ケンカってのも)」

フレンダ「(実は死闘でしたー、ってオチって訳?)」

上条「別に命令書つったっけ?アレも撤回されてんだから、大丈夫――なんだよなぁ?」

アックア「特に害するつもりはないのである」

上条「だってさ――なぁフィアンマってどうなるんだ?」

アックア「……多くの人間が、少なからず血を流した以上無罪放免とも行かず、ましてや『神の右席』として受け入れる訳には行かないのである」

上条「……そうか。ちょっと話して良いかな?」

アックア「好きにするのである」

フィアンマ「……笑いたければ笑うが良い。結局、俺様とお前は違って居た――」

上条「いや、同じじゃねぇかな?」

506: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:16:58.57 ID:SypWvixA0
フィアンマ「……はぁ?何をどうすればその発想が――」

上条「俺は仲間が来てくれたし、お前だってホラそこに電柱持ってる人と化粧ケバい人」

アックア「アスカロンであるな」

ヴェント「仕事なんだよ」

フィアンマ「馬鹿な!お前の仲間は仲間を殴り飛ばすって言うのか!?」

上条「そりゃそうだよ。間違ってて言う事聞かなかった殴り飛ばすだろ?」

フィアンマ「……」

上条「俺はお前らの事を良く分かんないけどさ。アックアが小麦粉の人?を割算したけど、お前はしなかった。それってつまり――」

上条「お前の事、仲間だって認めてるんじゃねぇかな?」

フィアンマ「ふさげるなっ!それは俺様を生きて連れ帰る理由が――」

上条「お前って、実は気付いてないだけで、仲間は居たんだよ」

フィアンマ「……え」

上条「そりゃまぁ仲は良くないかもだけど、結局同じ組織にいて、同じ目標?世界の救済?ってのに力を注いでて」

上条「――あぁ勿論俺はお前らのやって来た事は認めないけど、それでも――」

上条「そういうのが、仲間って言うんじゃねぇのか?」


――ベツレヘムの星・極点へ向かって移動中

アックア「……しかしなぁ。良いのであるか?」

上条「まぁ一応。借りがあるからな」

ヴェント「借りねぇ」

上条「あいつがやった事は酷いけど、俺にとっては恩人みたいなモンだからな」

507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:18:13.48 ID:SypWvixA0
――回想

フィアンマ『バカバカしい!そんな、そんな訳がっ!』

上条『あー、んじゃ試してみようぜ?なぁ、ここって脱出装置ってあるの?』

フィアンマ『あぁ、機械の力で自動的に降下する脱出ポッドが何組かあるが』

上条『うし。逃げちまえよ』

フィアンマ『そんな事コイツらが許す訳が――』

アックア「……」(よそ見)

ヴェント ピッピッピ(ケータイを弄ってる)

フィアンマ『許す、訳が』

アックア『……これは独り言なのであるが――』

アックア『腐った世界を救済する、それ自体は共感できるモノである』

アックア『……ただ、惜しむらくはその方法である。一人が独りで全てを背負うなど、あってはいけないのであるな』

フィアンマ『お前っ!』

ヴェント『無辜な一般人バラしてたカスとは違うんだし、別に?』

ヴェント『つーかアンタそんな大層な術式持ってんだったら、最初から言えよバーカ!』

フィアンマ『……』

上条『お前がまた何か騒動起こすってんなら、俺は止めに入るけど』

フレンダ『俺“達”』

上条『だ、そうだ』

フィアンマ ガコッ!

フィアンマ カタカタカタカタッ(次第に下降している)

フィアンマ『――おいっ!』

上条『なんだー?』

フィアンマ『俺様にもっ!お前、みたいにっ!』

上条『手ぇ伸ばしてみれば良いんだよ!肩からじゃ無くって、“お前”の右手をなっ!

フィアンマ『――――っ』

508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:19:20.50 ID:SypWvixA0
――現在

麦野「――さて、あの莫迦の敗戦処理だけど、後はアタシらで何とかするわ」

ヴェント「いいのか?このデカブツを簡単に処理できるとは思えないわね」

ステイル『そこはそれ共同作業でね』(遠隔会話霊装の声)

アックア「必要悪の教会であるな」

麦野「ここの霊装?ってのをぶっ壊して、少しずつ削りながら、人の居ない所で落とすって方針」

上条「右席の二人には、戦争終了後のローマ正教の監視をして欲しいんだって」

アックア「あぁ、『ベツレヘムの星』が駄目になった以上、戦争は続けられぬのであるな」

ヴェント「だからって魔術師どもが大人しくなる訳じゃない、か。いいわ、引き受けましょう」

絹旗「外にヘリがあるので、それで超移動をよろしくです」

ヴェント「じゃあな」

上条「ありがとうな、色々と」

ヴェント「死ね」

上条「死なねぇよ。生きるよ」

アックア「上条」

上条「ん?」

アックア「今回は肩を並べたが、次はどうなるのか分からないのである」

アックア「学園都市が世界に覇を唱えんのであれば、我々はまた敵同士。その時に容赦はしな――」

上条「いや?敵同士にはならないぜ?」

アックア「……うむ?」

上条「学園側があんた達の領分を不当に侵すってなら、俺はあんた達と学園と一緒に戦うだけの話」

アックア「……」

上条「もちろん、そっちが因縁つけて攻め込んでくるなら、仲間と一緒に戦うけど?」

アックア「それは……面倒なのであるな」

上条「だろ?俺だってイヤだ」

アックア「ではまた。願わくは――」

上条「また一緒に、な?」

509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:20:49.81 ID:SypWvixA0
ステイル『――では各自僕の指示通りに動いてくれ』

麦野「時間はどうなの?」

ステイル『考えなくて良いレベルだ』

フレンダ「やっと!爆発物のエキスパートであるあたしのっ!あたしの晴れ舞台がっ!」

絹旗「よし!超頑張ってください、フレンダ!」

滝壺「せかいはふれんだを待っていた……」

フレンダ「二人ともっ!……よし、あたし、頑張るって訳よ!」

絹旗「最後は爆発オチが超待ってますよ!押しちゃいけないボタンを押して、ドッカーン、な超展開です」

滝壺「ふれんだなら、ふれんだなら、やってくれる……」

フレンダ「死ぬからっ!?リアル世界で爆発オチは命と引き替えだからっ!?」

上条・麦野・ステイル「……」

ステイル『……すまない。念のため、巻きで』

麦野「ま、それが懸命よね」

インデックス『とうまっ!?聞こえるかな、とうまっ!?』

絹旗「インデックス、ですよね」

ステイル『すまないが移動しながらでいいから、聞いてやって欲しい』

麦野(身内に甘いなペ×神父)

絹旗(超問題になりましたっけ?確か聖職者が性職者だってスキャンダルが)

滝壺(よくあること)

フレンダ(フイクションの話よね?ねっ?)

510: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:22:19.68 ID:SypWvixA0
インデックス(ここでわたしの出番なんだよ!)

インデックス(『あいてむ』だかなんだか知らないけど、とうまはわたしを助けるために戦い始めてくれたんだもん)

インデックス(やっぱりわたしじゃないと駄目なんだよ、うんうんっ)

上条「俺、お前にずっと謝らなきゃならないと思ってた」

インデックス(あれ、それってもしかして)

上条「ごめん!俺は騙し続けてきたんだ!」

インデックス(あ、記憶の事。それはもう――知ってるんだよ)

インデックス(わたしはとうまをずっと見てきたから、とうまの事だけを見てきたから)

インデックス『とうま、ううん、もうそんな事どうだっていいんだよ』

インデックス(話してくれなかったのは、ちょっと悲しかったけど)

インデックス『とうまが無事に帰ってきてくれれば、わたしはそれだけで――』

インデックス『もうそれだけで、充分だから』

上条「でも、俺、お前に言わなきゃならないんだ」

インデックス『とうま……うん、じゃ聞くね?』

インデックス『でも、わたしは、とうまのどんな事だって』

インデックス『例えどんな悪い事をしたって、許すんだよ?』

上条「……ありがとう。じゃ、言うな?」

インデックス『うん』

上条「お前さ――――――名前、何つったっけ?」

インデックス『』

ステイル『』

麦野「あー……うん、知ってた」

絹旗「あれ超ネタじゃなかったんですか!?」

フレンダ「良かったー。結局あたしがまた弄られそうで怖かった訳」

滝壺「けどまぁ順当といえば、順当……」

511: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:23:30.11 ID:SypWvixA0
上条「俺、俺はなっ!お前の名前思い出せなくてさっ!いや別に興味ない訳じゃなかったんだよ!」

上条「でもホラっ『あ、そろそろスフィンクス(猫)のご飯無くなってきたよなー』とか考えると、どうしても忘れるだろ!?」

麦野「つまりキャットフード以下の優先度、と。猫の名前は覚えてるのにね」

フレンダ「フォローになってない訳よ、何一つ、全っ然」

上条「いやいやっ!他にも、ほらっ!ティッシュの紙切れるじゃないか?そうすると――」

絹旗「ペット未満から無機物以下の優先度に超チェンジしましたね」

滝壺「あー……まぁ、諦めも大切、うん」

上条「だって玄関出たら『あ、今日も良い天気だなー。一日頑張るぞ!』って思うって!そしたら普通忘れるだろう!?」

絹旗「さっきから遠回しに『俺、実はお前の事大嫌いだったんだ』って超言ってませんか?」

麦野「性格的にそれは無いけど、無いだけに本音で言ってるのが逆に辛いわね。つーかアタシなら、多分樹海行くわ」

フレンダ「……なんか、目から汗がっ!」

滝壺「それは、悪い涙……」

上条「な?わかってくれるよなっ!?」

インデックス『……とうまは死ねばいいと思うよ。むしろ帰ってきて欲しく無いんだよ!』

上条「待ってくれ!部分的には思い出したんだ!部分的にはっ!」

インデックス『……言うだけ言ってみれば?』

上条「『岸田メ○』?」

インデックス『うわあああぁぁぁぁぁぁんっ!?とうまがっ!とうまが酷いんだよっ!?』

上条「待てよ!?もう殆ど合っているだろう!?」

絹旗「同じ文字を一つも使ってない上、文字数すらも超合っていませんし」

フレンダ「共通点は精々『日本語』ぐらい?」

麦野「インデックスは英語……まぁいいか、別に」

滝壺「むかしのおんなは、忘れるべき……」 ウンウン

上条「待てよ岸田○ル!そこまでは思い出したんだ!あともうちょっとで思い出すからっ!!!」

上条「ヒント!ヒントくれよっ!」

ステイル『……君がバカなのは大分昔から知っていたつもりだけど』

ステイル『ましてや、今回の事でも有り難うと言わなきゃならないのに、どうしてだろう、今すぐ君をぶん殴りたい気分で一杯だよ』

麦野「……殴っとこうか?アタシが代わりに」

ステイル『頼む』

上条「いや違うって!岸田メ○までは思い出し――そげぶっ!?」 ガゴッ

フレンダ「……なるほど、仲間が間違ったら殴るってのはこういう訳ね!」

絹旗「超違います。というか女の子の名前超忘れた仲間を殴るのは、また意味が違います」

滝壺「……ま、でもふらぐ折れたし。結果的には、よし」

フレンダ「むしろそれ、最初っから折れてたんじゃ……?」

512: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:24:36.86 ID:5Mkwzqkr0
岸田メルになったwwwwww

513: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:24:39.70 ID:SypWvixA0
――ロシア某所

フィアンマ「……」

浜面「――おーい、生きているかー?もしもーし、こんな所で寝てたら死ぬぞー?」

フィアンマ「……?」

浜面「って日本語じゃ通じねぇんだった!えっと挨拶教えて貰ったんだっけ……Голые и смешные?」

フィアンマ「……それはウクライナのエロ番組、『Naked&Funny』の現地読みだ」

浜面「日本語喋れんだっ!?つーか俺挨拶でそんな事言わされてたのっ!?どんだけエロいと思われてんだっ!?」

フィアンマ「お前は――」

浜面「ほら、立てよ」(手を伸ばす)

フィアンマ「……」

浜面「ここら辺にはプライベーテイア?だかがまだ居るから、危ねぇんだよ。だからホラ」

フィアンマ「……俺様を誰だと思っている?」

浜面「知らねぇから!?誰?有名人なの?」

浜面「いやだから、危ないからさっさと移動しようつって――」

ブルゥウンッ、ブルブルブルッ

浜面「あーもう来やがった!雪上ライダーかっ!」

浜面「あんたも速く逃げろっ!俺が何とかすっから!」

フィアンマ「どうしてだ?どうしてお前は戦っている?」

浜面「この先に世話んなってる町があるんだよ!あいつらどうせそこへカチコミかけるつもり――」

フィアンマ「そうじゃない!力も訓練も積んでないお前が、どうしてだ!?答えろ!」

浜面「知らねぇよ!全部成り行きだよっ!俺だって何で戦ってるのかなんて分からねえし!」

浜面「俺が何言ったってお前が戦う理由にはならねぇ、つーか自分で見つけろよ」

フィアンマ「……」

浜面「すまねぇが俺はここで。北東行けば町があっから、増援呼んで来――」

フィアンマ「――いや、その必要はない」

浜面「い、いや俺一人じゃ無理だし!?」

フィアンマ「手伝ってやる。行くぞ」

514: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:25:40.16 ID:SypWvixA0
――滝壺ルート・エンディング?

何もない一日。だが。

朝。

上条「……あー……っておああぁぁぁぁっ!?」

滝壺 ジーッ

上条「……すまん滝壺。寝起きに無表情で見つめられると、流石に驚くんだが」

滝壺「早く起きて、暇だった……」

上条「寝直せばいいのに」

滝壺「ごはん、つくらないと……」

上条「一緒にやろうつったのに」

滝壺「かみじょう、過保護すぎる。わたしも包丁ぐらい使えるし」

上条「手」

滝壺 プイッ

上条「あ、こら逃げないっ!手を見せなさい!」

滝壺 ムー

上条「あー……切ってるし。消毒した?」

滝壺「ううん」

上条「あーもう」 ペロペロ

滝壺「んぅ……はぁっ!」

上条「朝一でエロい声を出さない!」

滝壺「……きのう、さんざん、わたしに出させたのはだれ?」

上条「……はい、俺ですね。ごめんなさい」

滝壺「……のりのりで言葉ぜめを始めたのはだれ?」

上条「……はい、それも俺ですね。ごめんなさい」

滝壺「……もう一回もう一回って、何回も続けたのはだれ?」

上条「いやそれは滝壺――じゃないですよねっ!?俺ですよねっ!ねっ!?」

上条「つーかさ?思ったんだけど、滝壺さん俺の奥さんになって長いよね?」

滝壺 コクコク

上条「家事も結構こなす、つーか分担制で問題なくやってるよね?」

滝壺 コクコクコク

上条「何で休みの日の朝は、割と失敗する可能性高いの?何で他の日は100%成功するのに?」

滝壺 プイッ

515: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:26:41.56 ID:SypWvixA0
上条「もしかして、初めて泊った日の時の再現、してる?」

滝壺「気のせい……」

上条「……妥協案。怪我しなくても、するから。出来れば傷つけて欲しくないなー、なんて」

滝壺「右手も?」

上条「いや、しろっつーんなら。でも確かちょっと切ったのは左だよな」

滝壺「はい」

上条「やっぱりワザとかっ!?」

滝壺「……むー」

上条「……まぁいいけど。食べよっか」

滝壺「ん」

……

上条「今日どうしよっか?行きたい所とか、やりたい事ある?」

滝壺「スーパー行かないと……」 チラシ

上条「あ、洗剤とキッチンタオル安い」

滝壺「洗濯終わったら」

上条「おけおけ」

……

上条「うし。掃除も終わったし、行くか」

滝壺「……良い天気、自転車がいい」

上条「あぁ……でもこれ本当は違反なんだよなぁ――ってもう荷台に横座りしてるっ!?」

滝壺「早くっ」

上条「……好きだもんなぁ、これ」

……

516: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:27:39.64 ID:SypWvixA0
チリンチリーンッ

上条「そ、そろそろさっ、車っ、買わないかっ?」

滝壺「わたし、重い?」

上条「あぁいやっ、そんなっ、事はっ、ないんだけどねっ」

キキィッ

上条「スーパー前の『心臓破れ(ハートブロークン)』の坂がキツいなって」

滝壺「かみじょうの、中二は治らなかった……」

上条「放っとけよ!」

滝壺「でもわたしは、そんなかみじょうを愛している……」

滝壺「だから、だいじょうぶ……」

上条「……だから反則だと思うんだ、それ。よっと」 ググッ

ギーコギーコ

上条「いやまぁっ?俺もっ、世界を救ったっ、男っ、ですしっ?」

上条「体力はっ、まだまだっ、負けてませんからっ」

滝壺「……それが今やただのりーまん。何が悪かったのかと」

上条「俺はっ、別にっ、何が欲しいってわけでもねぇしっ」

上条「欲しいものはっ、背中にっ、積んでるしっ」

滝壺「……」

上条「なんかっ、言えよっ」

滝壺 ギュッ

上条「……あぁ、俺もだ」

……

517: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:28:29.57 ID:SypWvixA0
店員「ありがとうございましたー」

上条「おーし帰る――って滝壺?どした、自販機の前で?」

滝壺「新しい、アイス」

上条「『鯖アイス』……食べたい、のか?」

滝壺 ピッ、ピロリロリーン、ピッ

滝壺「ふれんだに送った」

上条「食べんの?」

滝壺「せるふ罰ゲームは、いや……」

上条「だよなぁ。次来るのは来週の週末だっけ?」

滝壺「……みんな一緒に」

上条「んじゃ帰るか。乗って――」

滝壺「うん……」

上条「よーし!じゃしっかり捕まって――」

滝壺 ギュッ

上条「やっぱ食べたい?」

滝壺「そうじゃなくって、その、さっきの坂道」

上条「あぁ別に重くないって。いつまで経っても滝壺はキレイだよ?」

滝壺「そ、それはっ嬉しい、けど。違くてっ!」

滝壺「重くなったの、その、本当だから」

上条「そうなのか?あ、だからダイエットメニューにするとか?」

滝壺「そうじゃなくって!その、今までは二人分、だったから」

滝壺「でも今は、三人分になった、の」

上条「」

滝壺「えっと……」

上条「いやったああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

518: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:29:20.67 ID:SypWvixA0
ギコギコギコギコっ!

滝壺「さかみちっ、危ないからっ!」

上条「おーしお前ら全員愛してるぜっ!そーか俺もとーちゃんかぁっ!ひゃっほーーーーーーっ!」

滝壺「かみじょうっ!声っ恥ずかしいっ……!」

上条「何だよ?恥ずかしくないって!恥ずかしいけどどうって事もないって!」

キキイッ

上条「えっと、もしかして、滝壺は、その――」

滝壺「……ううんっ、そうじゃないっ、そうじゃなくって!」

滝壺「……わたし、『体晶』のせいで、きっと出来ないって、思ってたから!」

上条「……そっか。よしよし、泣くな泣くな」

滝壺「だれがっ、泣かせてるとっ、おもっ」

上条「あーんじゃ、アレだ。叫ぼうぜ?」

滝壺「さけぶって――きゃっ!?」

ギコギコギコギコッ

上条「俺は、滝壺を、愛してるっ!この世界もだーーーーーっ!」

上条「たがらっ、だからお前は、安心して産まれてこいっ!」

滝壺「……あ」

上条「それまで何からだって守ってやる!お前の父ちゃんは外国にまでケンカしに行ったんだっ!」

上条「世界を終わらせる悪い奴が居たら、俺が右手でぶっ飛ばすからっ!」

上条「話をしよう!お前の父ちゃんと母ちゃんが出会って恋してっ!一緒に冒険したあの日の話をっ!」

上条「お前の母ちゃんの『居場所』になった日の事を!」

滝壺「……ん」

上条「くっだらねぇ事で喧嘩したり、もっとくだらねぇ事で仲直りしたりっ!つーか100%俺が謝る方なんだけどもさっ!」

上条「だからっ、だからっ!」

上条「早く、俺達の――お前の『居場所』へ来いっ!!!」

滝壺「……うん、うんっ!!!」

519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:30:11.79 ID:SypWvixA0
――ベツレヘムの星・極点移動中

絹旗「滝壺っ!起きてください!超緊急事態ですっ!」

滝壺「……わかってた、うん。なんとなくわかってた……!」

フレンダ「ミーシャ――天使が凄い勢いでこっちに向かってるって訳!」

麦野「最後の最後でデカいの残ってる訳ね」

上条「つっても逃げる訳には行かない、よな」

ステイル『待て!君達だけでは無理だっ!神裂とアックア達を向かわせる!』

麦野「あー、駄目だったらヨロシクね?」 ピッ

フレンダ「あ、切った」

麦野「ぎゃーぎゃー騒がれるのも煩いしね、何が変わるってモンでもないわ」

絹旗「というかわたし達、修羅場に超慣れすぎたと言いましょうか」

滝壺「あれだけやってれば、まぁ……」

上条「しかしどうしたもんかなぁ……あ、そうだ」

麦野「いい手があるの?」

上条「駄目元で良いなら――仲間呼んでみる」

520: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:31:10.99 ID:SypWvixA0
――学園都市・時差+6時間、夕方、とある喫茶店

御坂「――っと、そろそろ帰らないとね」

佐天「それじゃお開きですかね」

初春「ですね」

御坂「それじゃまた――」

PiPiPi……

御坂「『はい?――はいぃ!?』」

白衣「お姉様のあの態度……あの泥棒猫がぁぁっ!」 ギリギリッ

初春「あー、どうどう黒子さん。お薬の時間ですよー?」

白衣「ぐるるるるるるっ」

佐天(白衣さんって、こんなキャラだっけ?)

御坂「『えー……!?分かった!分かったから怒鳴らないでよっ』」

ピッ(スピーカーにして机に置く)

佐天「どうしたんですか?というか、どちら様で?」

御坂「あのバカ。要求は不明過ぎるんだけど、兎に角こうしろって」

上条『聞いているかっ!?俺だっ!直ぐ来てくれ!』

上条『都合の良い頼み事だってのは分かってる!けど、お前にしか頼れないんだ!』

初春「……上条さん、ですよね。でも一体何を話して居るんですか?」

白衣「私達に向かって、と言う内容でもありませんわよね、これ?」

佐天「かといってあたしや初春宛でもないでしょうし。御坂さんへ公開プロポーズかも!?」

御坂「ちょっ!?ナイナイっ!無いから、絶対に!」

上条『……お前にしちゃ娯楽かも知れない!たった少しの暇つぶしかも知れない!』

上条『けどなっ!俺達にとっては、全部が全部“本気”なんだ!』

佐天「『お前』ですか。この中にそう呼ばれる人はいないよね」

初春「他に聞いている人もいませんし?」

白衣「やはり何かの罰ゲームで、恥ずかしい台詞を言わせられているとか?……お姉様?」

御坂「うんっ!?あー、いやいや、別に?」

御坂(良かったー!念のため録音にしといて良かったー)

上条『お前だって、俺達が好きなんだろう?だからこそ、俺達に寄り添ってる!』

上条『頼む!お前の力が必要な――』プツッ

佐天「んー……謎ですねぇ」

初春「わたし達向けのドッキリ?にしてはリアル過ぎたと言いますか」

御坂「……ごめん。ちょっと行ってくるわ」

白衣「お姉様っ!?」

御坂(あのバカ!またどっかで戦ってんのか!)

521: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:32:04.57 ID:SypWvixA0
――極点

上条「切れちまったなぁ」

フレンダ「と言うか良く通じた訳」

麦野「学園都市の輸送機から借りて来たヤツだから、性能は良いと思うけど」

上条「俺の携帯なんて使える訳がないしなー」


――同時刻・学園都市

御坂(――とまぁ、飛び出てきたのは良いんだけど、手がかりは皆無な訳だし)

御坂(今から戻るのは……でもなんか、不安なのよね)

男?「すまない。少し話を良いだろうか?」

御坂「は――ぃぃっ!?」

御坂(な、何か無駄にキラッキラした人が居るんだけど?)

男?「少し話を聞きたいんだが、構わないかな?ほんの数分だけで良いから」

御坂「へ、変な質問じゃなきゃ、良い、けど」

男?「有り難う」

男?「例えばの話だが、君が助けを求められたとしよう」

男?「リスクも高く、下手をすれば助けようとした側が命を落とすかも――」

御坂「助けるわね」

男?「……まだ言い終わっていないんだが?」

御坂「質問は間違ってないわよね?」

男?「理由を聞いても良いかな?それは君が助けられる力を持っているからか?それとも助けを求めているのは知り合いだからかな?」

御坂「どちらでもないわ。助けたいと思った、それだけよ」

男?「ほう?」

御坂「ともだ――知り合いにっ!一人バカがいるの、もーすっごいバカが」

御坂「そのバカは傷つこうか何だろうが、一人で突っ込んでって」

御坂「『何やってんの、あんた力もないのに、知り合いでもないのに、バカじゃないの!?』って言ったら」

御坂「帰ってきたのが、その言葉よ」

男?「……」

御坂「誰かを助けるのに理由は必要?助けない理由はっ、それこそいっぱいあったのよ?」

御坂「力が足りない、経験が足りない、知り合いじゃない、って『助けない理由』は幾らでも」

御坂「でもアイツは、それでもっ!だからアタシはっ――」

男?「――分かったよ。有り難う」

男?「実に『興味深い』内容だった」

御坂「えっと、これ何の話?」

男?「『簡単なアンケートです』」

522: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:33:17.55 ID:5Mkwzqkr0
アンケートとかモニターとか黒かまちー思い出してこえーよww

523: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:33:20.34 ID:SypWvixA0
――極点

?『……l;kjfg;lkjf;kasdfjl;skadfjlsakdfjoiwerpoq……』

麦野「つーか遠くから聞こえるこれ……歌?」

フレンダ「負ける気はしないけど、勝てる気もしない訳」

上条「ま、『アイテム』なら何とかなるんじゃないか?」

絹旗「またそんな超適当な発言を」

滝壺「危機感は、あってもいい……」

上条「駄目だっつっても、どうせこの規模じゃ五人一緒だし?」

麦野「……ま、そうなんだけどな」

絹旗「超後ろ向きなのか、超前向きなのか分かりませんが」

シーン……

フレンダ「歌、が止まった?」

絹旗「映画では超安心した所にガッツリって来るパターンですが」

PiPiPi……

フレンダ「ひっ!?」

上条「何だよ驚くなよ、俺の携帯だろ?」

麦野「アンタはいつもビビりすぎなんだよ。もうちょっと落ち着きなさいな」

滝壺「だからふれんだは」

絹旗「超フレンダって言われるんですよ?」

フレン「言われてないしっ!?そもそも人の名前をオチに使うのは――っそうじゃない訳!それ、上条の私物の方でしょ!?」

フレンダ「何で極点でも使える訳よっ!?」

全員「……」

絹旗「よっしフレンダ!超勇気を出して出てみましょう!ふぁぃっ」

フレンダ「何であたしっ!?」

麦野「頑張れー、私達はあなたの味方よー」

フレンダ「無理矢理出させてる時点でっ!もう味方じゃない訳よっ!?」

滝壺「そんなふれんだをおうえんしている」 ナデナテ

フレンダ「ううっ……」

上条「緊張感無ぇよなぁ……『もしもし?』」 ピッ(スピーカー)

エイワス『あぁ私だ。メッセージは受け取ったよ』

上条「そうかっ!じゃあ――」

エイワス『が、前にも言ったが私は誰にも組していないと』

麦野「ちったぁ手伝ってくれたって良いでしょうに」

エイワス『確かにその通りだ。どちらでもない以上、助けても良いし助けなくても良い』

エイワス『だからアンケートを取ってみた。学園都市230万人中、無作為に超電磁砲を選んで答えを聞いてみたのだよ』

絹旗「超作為的なものしか感じられないんですがっ!?」

上条「ありがとうっ!恩に着るぜエイワス!」

エイワス『――幾つか台詞を用意してきた上、正解発表すらキャンセルされたのは少々気に入らないし、最後は勿体をつけたかったのだが、まぁ良いだろう』

エイワス『今、叩き落とすから。そのまま右手を突き出していたまえ』

プツッ、ツーツーツーッ

524: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:34:26.83 ID:SypWvixA0
絹旗「『叩き落とす』って、今――」

ヒュウウウウウウンゥッ……

フレンダ「降ってくる訳ね、文字通り」

滝壺「えんぜる、ふぉーる?」

麦野「思いっきり力業じゃねぇかっ!……つーか、もしかして最後怒ってたのか?」

上条「何を今更。つーか何だかんだ言って力業じゃなかった時の方が少ないだろ?」

麦野「アックアん時もまぁ、全員でフクロにしたわね」

絹旗「ステファンは……まぁ割と超喋った気がしないでも?」

フレンダ「キャーリサ様は……結局、ヴィリアン様の泣き脅し?」

滝壺「ふぃあんまは、話しかしてない、うん。わたし達は」

麦野「明らかに他の連中が肉体言語使ってた上、敵味方兵器使いまくりだったよな?」

上条「……まぁ、こんなもんじゃないかな?何処に行ったって変わらないものは、変わらないだろうし」

上条「泣いて笑ってバカやって、ケンカしたりケンカしなかったり、フレンダを弄ったり」

フレンダ「最後のは要らない訳よね?」

上条「そんなグダグダな関係が変わらないっていう『幻想』。別にあったって良いと思うけど」

ヒュウゥゥゥゥゥゥ……スガアアンッ

フレンダ「天井をぶち破った!」

麦野「大きな破片はアタシが灼く!絹旗っ残りはっ」

絹旗「超了解ですっ!」

フレンダ「……いや、あのあたしも指方向性榴弾持ってんだけど?」

麦野「口動かす前にぶっ放しやがれっ!」

ドゥンっ!ガガガガガガッ!

滝壺「きたっ……!」

上条「本日最後のおおぉっ――」

上条「その幻想を、ぶち殺おおおおおおおぉぉぉぉすっ!!!」

パキイイィィィンッ!!!

525: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:36:04.28 ID:SypWvixA0
――エンディング0 『アイテム』
10日後。いつもの喫茶店にて

麦野「まぁなんだ上条、私が言うのも何だけどね。もう諦めたら?」

上条「そこをなんとかっ!お願いします麦野さんっ!」

麦野「いやぁ幾ら勉強したって無理なモンは無理っつーか、短期間でそんなに出来りゃそもそも勉強する必要ないって言うか」

絹旗「他の課題とかで超カバーして貰う、とかないんですかね?」

フレンダ「あったらしてる訳じゃない?」

滝壺「てすとで高得点を取らないと同級生になるかみじょう、わたしは応援……」

滝壺「……まぁ、いいか」

上条「してくれよっ!?スルーしないで!?」

フレンダ「あー、落第すれば滝壺と同級生になる訳ね」

絹旗「でしたら4浪してわたしと並ぶっていうのは超どうでしょう?」

上条「縁起でもない事言うなよっ!?成人してからも高校生は嫌だっ!」

麦野「まぁでも?全試験ぶっちぎった割には軽い処分だと思うけど?追試を受けられるだけマシかも」

上条「……いや、お前らだってイギリスとかロシアとか行ってたんだからね?」

フレンダ「あたしら籍はあるけど行ってないし」

上条「良いのか?暗部解体されたから、今までのように給料出ないんだよなぁ?」

麦野「レベル5の人ー、はーい」

絹旗「レベル4の人、超はーい」

滝壺 ピシッ

絹旗「割とえげつない実験とかもしてましたし、そもそも基本給が高かったんで。超お金貯まってるんですよ」

上条「そ、そうなのか?聞いてもいいの?」

絹旗「えぇわたしは別に。書き書きっと」(ノートに書き込む)

上条「」

滝壺「あ、白くなった……」

麦野「結構少ないわねー」

絹旗「麦野と超比較するのはどうかと。あれ、上条?おーい」 ペチペチ

上条「なんだコレっ!?桁数えるのに時間かかったぞ!?」

526: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:37:17.37 ID:SypWvixA0
フレンダ「」

滝壺「あ、ふれんだも燃え尽きてる」

麦野「『アイテム』は均等に分けてたから、そんなに苦しかない筈だけど」

麦野(ここの払いも『必要経費』とか言ってるけど、私が全部出してんだしね)

フレンダ「あたしがコツコツ節約していたのは、一体……?」

麦野「あー……フレメア関係でヤバいんだったら、助けるけど?」

フレンダ「あんまり貸し借り作りたくない、って訳。危なくなったら借りるけど」

麦野「そうしなさいな。ま、嫌だっつっても手を出すけどね」

フレンダ「麦野見てるとたまにママ思い出す訳」

麦野「……私もあんた達相手にしていると、子を持つ親の気持ちが少し分かるわ……」

上条「なぁ絹旗」

絹旗「何です?」

上条「結婚しよう?」

絹旗「いいですよ?」

麦野・フレンダ・滝壺 ブーッ!?

絹旗「わたしが16になったら超結婚出来ますから、あと3年待って下さいね」 ギュッ

絹旗「あ、んじゃ今日から超同棲ですねー。歯ブラシとタオル買うから、コンビニ寄って超帰りましょうかー」

絹旗「わたしのお部屋超狭いんで、暫く上条の部屋で良いですよね?それとも今から不動産屋さん超行った方がいいですかね」

フレンダ「(なんかやったら具体的なプランが進められている訳っ!?)」

麦野「(あれ、この娘こんなに押し強かったっけ?)」

滝壺「(前にいったとおもうけど、同性相手にグイグイいかないし……)」

隣の席のツインテの中学生「女同士だってグイグイ行きますの!!!」

頭に花を載せた中学生「あ、すいません。こういう病気なんですー。ほら帰りますよー?」

麦野「いやだから誰だよ」

上条「ちょっ!?あの、冗談、なんですけど?」

絹旗「あ、そうなんですか。超残念です。超傷つきましたー」

麦野「(ど、どういう展開だっ!?てっきり力業で押し切るもんだとばかり)」

フレンダ「(いやー、多分絹旗はここからがえげつない訳よっ!)」

滝壺「(あ、なんか嫌な予感がひしひしと……)」

527: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:38:40.96 ID:SypWvixA0
絹旗「あ、じゃあじゃあ今、恋人とか超居ないんですか?今今今っ」

上条「いや、居ないけどさ?」

絹旗「好きな人とか?実は『麦野に超片思いでしたー』的な?」

麦野「アタシの名前を出すかっ!?」

フレンダ「(いや麦野ね、多分これそんなチャチいもんじゃないって訳よ)」

麦野「(どういう事よっ!?)」

滝壺「(ほら、ちょっといいな、って想っている人の前で、『好きなんでしょ?』って言われたら、大抵恥ずかしくて……)」

フレンダ「(だからどんな思いでも結局答えはこうなる訳よ!)」

上条「い、いやそんな事はないよ?」

フレンダ「(ほっらーーーーーっ!ねえぇっ?)」

麦野「(うっわなんだろ、予想以上に凹むわね……)」

滝壺「(よしよし……でもまだ終わってない)」

麦野「(あぁ?)」

絹旗「ですかー、それじゃあ超しょうがないですね。だったらわたしとお付き合いしませんか?かっるーい気持ちで」

上条「いやいやっ軽い気持ちってのは良くない!」

絹旗「いえ別にそんなに超深く考える事はないですよ?ほら、年下の子が年上の人に超懐いているようなものですし」

麦野「(はー、外堀ってああやって埋めんのか)」

フレンダ「(うん、つったらダラダラ付き合っている内に既成事実を作られ、人生ゲームのマッチ棒が一人増えるって訳よ)」

絹旗「えー超いいじゃないですか。お休み“ごと”に会ってお話しするだけでも、いいですから、ねっ?」

滝壺「(いつのまにか毎週会う事になっている……恐ろしい子っ)

上条「い、いやほら他の知り合いとかもさ、色々付き合いがあるって言うか?」

絹旗「だったら超紹介してくださいよー。一緒に超遊べばいいじゃないですかー、ねーねーねーねーっ?」

麦野「(そして紹介させたら『彼女ですっ』つって爆弾投げ込んで牽制すんのね)」

フレンダ「(年下、よね?絹旗って?あれ、おかしいな?)」

上条「ま、まぁその話はまた今度な?今は俺の追試の話――」

絹旗「え、それじゃ、前『付き合うならお前が一番だよ、最愛?』って言ってくれたのは嘘――」

フレンダ「言ったのかっ!?中一相手に愛を囁いちゃった訳!?」

上条「『気軽に遊びに行くなら』としか言ってねぇよ!?ねつぞ――」

絹旗 ピッ

上条(録音)『愛してるぞ』『最愛』

麦野・フレンダ・滝壺「……」

528: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:40:06.58 ID:SypWvixA0
上条「お前アレまだ持ってやがったのかよっ!?つーかあれ冗談じゃ――」

絹旗「……冗談?そうですか、上条には超冗談だったんですね……」

上条「え、なにコレ?俺がものっそい悪い事、具体的には一方通○的な犯罪しやがった、つー目で俺を見ているの?」

絹旗「えっと、うんっ!気にしないでくださいねっ?わたし、ちょっと、その、一人で超盛り上がっちゃっただけ、ですから」

絹旗「上条にとって、わたしっ、って……(グスツ)……ぁ、すいませんすいませんっ!大勢の中の一人って、だけで――」

上条「オイちょっと待て絹旗!?どうして君はリアルな演技が出来るのっ!?」

絹旗(超グ○りました)

麦野「……よし。灼くか」

上条「何をっ!?」

麦野「フレンダ、右手頼めるよな?」

フレンダ「あいまむっ!」

滝壺「わたしは左を……」

絹旗「んじゃわたしは超胴体ですかねっ」

上条「待って!絹旗泣いてないじゃない!涙の欠片すら無かったよね、今っ!?」

麦野「――と、まぁ冗談は兎も角としてだ」

上条「冗談なのか!?」

麦野「冗談にしなくても構わないけど」

麦野「(今は人工授精って手もある訳だし)」

上条「冗談ですよねー!いやーびっくりしちゃったなー!」

麦野「真面目な話、あんた達ルームシェアする気ない?」

滝壺「るーむしぇあ、ってなに?」

絹旗「同じ物件に複数人が住み、お家賃や家事を超折半するって事ですね」

フレンダ「なにそれ楽しそう!」

絹旗「でも24時間フレンダのテンション付き合わされるのは超ちょっと」

フレンダ「あたしだけ仲間はずれっ!?」

麦野「しないから。家事も分担、家賃も折半、セキュリティは軍隊並の私が居るし」

上条「……それ、冗談にならないからな?」

絹旗「正しくは『ロシア軍の戦車・砲戦部隊をものともしなかった』が超正解です」

フレンダ「軍隊“並”じゃなくって、軍隊“以上”……」

529: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:41:07.43 ID:SypWvixA0
麦野「そっちなら上条の勉強も、私と滝壺で見てあげられるし?」

上条「お、俺も?」

絹旗「なんです?また超一人で行くなんて寝言言っているんですか?」

上条「そうじゃなくて体裁とか悪いんじゃないかなー、って」

フレンダ「あんたはちっさいシスターちゃんと同棲してたクセに」

上条「……誰?」

フレンダ「へっ?」

上条「俺、こっち来てからずっと一人暮らしだけど?アレ言ってなかったっけ」

絹旗「い、いえあのインデックスは……?」

上条「知らない?目次?」

麦野・絹旗・フレンダ・滝壺「」

上条「あーでも最近ちょっとおかしいんだよ」

麦野「……風邪でも引いたの?」

上条「いやいや家の事。何か買った覚えのない歯ブラシとかコップとか、女物の生活用品があったりしてさ」

麦野・絹旗・フレンダ・滝壺「……」

上条「こないだもさ、知らない電話番号から女の子がかけてきて、その子、俺と一緒に暮らしてた、って言うんだぜ?気味が悪いよな」

滝壺「心霊現象、っぽいよね。そこだけ聞くと……」

麦野「そうよね、そこだけ聞くと、だけど」

フレンダ「座敷童?あの子座敷童だったの?」

絹旗「食費的にはむしろ超貧乏神だと思います」

上条「オカルト、つーか魔術師連中も居るから、もしかしたらオバケかもって思ってなぁ」

絹旗「えっと、それはその――」

麦野「絹旗。ここは誤魔化さずにきちんと言った方が良いわよね」

絹旗「え、でも」

麦野「上条がこうなのも、誰かがはっきり言ってやらなかった。なぁなぁにして来たのが原因なの。分かるわよね?」

絹旗「……はい」

麦野「こんな時にこそ『仲間』である私達がしっかりしなくちゃ!そうでしょ?」

絹旗「えぇ!流石麦野です!」

530: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:42:05.81 ID:SypWvixA0
上条「……何の話?」

麦野「上条、今からすっごく大事な話をするわ。茶化さないで聞いてね?」

上条「……ああ」

麦野「上条――あなた疲れてるのよ」

絹旗・フレンダ・滝壺 ブッ!?

麦野「幽霊なんて居る訳無いじゃない。だからその女物の生活用品も、あなたが買ったに決まっているわ」

フレンダ「(そっち!?そっちに話持ってく訳!?)」

滝壺「(流石レベル5、さっきのきぬはたからもう学習した……)」

絹旗「(いえ、わたしは超ネタだったんですが……)」

絹旗(でもまぁ、うんって言った瞬間に超抜け駆けしてわたしルート確定でしたが)

上条「いやっでも俺、そんな記憶――」

麦野「色々、あったからね。暗部だった私達ですら疲れているのに、あなたは余計に、ね?」

上条「そ、そう言われてみれば、確かにそんな気も?」

フレンダ「(騙されるの早っ!?)

絹旗「(いいんですかねー、これ。超止めなくて?)」

麦野「だから疲れが取れるまで、私達と一緒に暮らしましょう?」

上条「いやだからそれは倫理的に――」

麦野「バカっ!何言ってんだよ!アタシ達は仲間じゃねぇかっ!」

上条「麦野……」

麦野「アンタが困っている時はアタシ達が守る!そうでしょ――絹旗!」

フレンダ「(グルにしようと話振って来やがったーーーっ!?)」

滝壺「(壮大なコント……)」

絹旗「えっ!?いえその、あれですし――」

麦野「(日替わりで添い寝)」 ボソッ

絹旗「上条、わたし達はある意味超家族同然です。あなたは目の前で困っている家族を、何もせずに見ていられますか?」 キリッ

フレンダ「(変わり身はやっ!?)」

滝壺「わたし達は、かみじょうの力になりたい……」

フレンダ「(こっちも添い寝で一本釣りかっ!?)」

麦野「(フレンダ)」

フレンダ「(あ、あたしはっ!その、プライベートは分ける方だし!)」

麦野「(もうハラくくっちまいなさいな)」

フレンダ「(ダメダメダメダメっ!こ、恋人にならないウチはっ、そういうのダメっ!)」

麦野「(人んちのクローゼットの中で誘った女がよく言うぜ)」

フレンダ「(あれはっ……まぁ、勢い!)」

麦野「(でもまぁフレンダが嫌なら、私は無理に勧めないわよ)」

フレンダ「(そ、そう?仲間外れは寂しいけど)」

531: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:43:20.80 ID:SypWvixA0
麦野「『あーもしもしフレメア?実はルームシェアする事になったんだけど――』」

フレンダ「待ちなさいよおおおおおぉぉぉぉっ!?」

麦野「『あーそっか。寮か。だったら週末にでも遊びに――うん、そうね』」

フレンダ「何やってんの!?人の妹に何してくれようとしてんのよっ!?」

麦野「『んじゃまたねー、はいー』……どうよフレンダ。これでもまだ来ない気?」

麦野「いつか上条から『お姉さん』って呼ばれ――」

フレンダ「いやあああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?リアルな想像が出来てイヤアアアアアァァァッ!?」

上条「……あの二人、さっきから何騒いでんの?」

絹旗「落ち着いたらフレメアも超呼ぼう、って事でしょうねきっと」

滝壺「ね、かみじょう、家、引っ越すつもりだったんでしょ……?」

上条「あー、何か気持ち悪いからさ」

滝壺「だったら、わたしたちはしぇあするけど、かみじょうは次が見つかるまで、居ればいい……」

滝壺「ともだちの部屋に、泊まりに来るのは、よくあるから……」

上条「成程、言われてみればそうだよな」

絹旗「(流石は『引き』の滝壺)」 ハイタッチ?

滝壺「(そして『押し』のきぬはた……コンビプレイの勝利)」 ハイタッチ!

麦野「話まとまったわよー」

フレンダ「……」

上条「何でフレンダ燃え尽きてんだ?」

麦野「色々葛藤があるんでしょうね、きっと」

絹旗「こっちも超説得に成功しました」

上条「……うん、短い間だけど、お世話になる事にしたよ」

麦野「気にしなくて良いのよ?私達、仲間じゃない」

上条「あぁ、そうだよなっ!」

絹旗「(そしてまぁ徐々に超既成事実を作って)」

滝壺「(仲間から家族へじょぶちぇんじ……ぽっ)」

フレンダ「(……気が重い……フレメア参加したい、って言い出したらどうしよう……?)」

532: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:44:23.98 ID:SypWvixA0
絹旗「あ、そうです麦野ー」

麦野「はい?」

絹旗「例のクイーンサイズのアレ超どうなったんですか?」

麦野「完全受注生産だけど、そろそろ来ても良い頃だと思うわ。タイミング的にはベストよね」

絹旗「まさに超天の配剤」

PiPiPiPi……。

麦野「って私――げ、あのクソ女か!……『あー何?今人生設計で忙しいんだけど、ニートブサ女は気にしなくて良いわよねー』」

上条「あの女って、暗部解体したんだよなぁ?」

絹旗「えぇでも『アイテム』自体は解散していませんよ、って超言ってませんでしたっけ?」

上条「いや、意味が分からない」

絹旗「暗部はイリーガルな治安維持の役割も超果たしてたんですね。例えばアンチスキルでは手に余る事件の解決とかも」

フレンダ「……結局、あたしらは、裏側から表へ来ようってバカを相手にする事になった訳」

上条「それ危ないだろ!?」

滝壺「……でも、かみじょうは目の前で人が倒れていれば、助ける、でしょ……?」

絹旗「という事は、わたし達も超その人を助けて必然的に巻き込まれるんですし」

フレンダ「だったら最初っから『依頼』として受けた方が、結局儲かるって訳よ」

上条「納得、かぁ?」

絹旗「以前と違って人助けオンリーになるんだから、超ヒーローっぽくて良いと思いますが」

フレンダ「それはそれでまた心配があるけども」 ジトー

上条「俺?いやもう一人で突っ込んだりはしないって!」

フレンダ「いやーそうじゃない訳。結局フラグを乱立させるんじゃない?」

滝壺「あっ、ふれんだ、それふらぐ……!」

フレンダ「えぇっ?」

麦野「おーし依頼よ。何でも『新入生』って連中が暴れて――」

ガッシャアアアアァァンッ!

フードを被った少女「がはァっ!?」

上条(店中に人が投げ込まれて来た!?)

533: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:44:34.74 ID:1GxsI4eV0
※※浜面

534: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:45:18.02 ID:SypWvixA0
絹旗「あいつ……黒夜、海鳥っ!?」

黒夜「あのクソったれが!?殺す!殺してやンよォっ!!!」 フラフラ

上条「誰だ――つか、傷だらけだし!」

絹旗「えっとわたしの昔居た研究機関の……まぁ超同級生、ですかね?」

上条「そか、絹旗の友達なんだな?」

絹旗「いえ超違――って上条っ!?超危険ですっ!?」

上条「おい、大丈夫かっ!?」

黒夜「テメェは……『幻想殺し』かよっ!?クッソっついてねェ!」 バスッ(窒素の槍)

上条「っと!混乱してるな」

パキイイィンッ

黒夜「やっぱ通用しねェか――ってお前勝手に触ってンじゃねェぞっ!?」

上条「店員さん!タオル持ってきて!早くっ!」 ペタペタ(怪我を確認)

店員「はいっ!」

絹旗「いや、ですからね?それは多分、つーか確実に超ヴィランですし」

麦野「ヤバいの?」

絹旗「例の研究者超皆殺し」

麦野「あー……そりゃ、ヤバいわ」

絹旗「はい、ですからっ!」

麦野「別の意味で、ヤバい」

絹旗「えっ?」

黒夜「離せクソがっ!テメェに関わってる暇は――」

上条「大丈夫だ」

上条「もう、大丈夫だから」

黒夜「……お前に何が分かンだ――」

上条「俺には何にも分からないさ。でもな、もう心配しなくたって良いんだ、なっ?」

黒夜「はぁ?バカじゃねェのか?」

上条「怖かっただろう?一人で戦って、傷ついて、ボロボロになって」

黒夜「それはっ私が選んだ――」

上条「違う!お前が選んだんじゃない、それしか道はなかったんだ!」ナデナデ

黒夜「……あ」

535: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:45:57.20 ID:NVewFdSKo
※※浜面

536: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:46:30.89 ID:SypWvixA0
上条「俺はお前の事情なんて分からない。けどな、一つだけ分かっている事は、ある!」 ナデナテ

黒夜「んっ!やめろっ、私に触るンじゃねェっ!」

上条「それはお前みたいな女の子を、傷つけて泣かせるヤツは――そんな下らねぇ『幻想』を持ってるヤツは、俺の敵だって事だ!!!」 ナデナデ

黒夜「……」

上条「ちょっと待ってろ。俺が、全部終わらせてくるから、な?」 ナデナデ

黒夜「……その、よォ」

上条「何回でも言うぜ――大丈夫だ。お前のためだったら、俺は世界相手にだって戦える」 ナデナデ

黒夜「」 カアアッ(真っ赤)

ガッシャアアアァァァァァァンッ!!!

一方通行「いィやっはァはあああァァァッ!どォしたどォしたァァァァァっ!」

一方通行「どォしたンでッすかァっ、くっろっよっるっさアアァァァァァンっ!?」

グシャァァァッ(黒夜のイルカ兵器を踏み潰す)

黒夜「このっクソがっ!」

一方通行「テメェの武器はもォねェンだよォ!後ァ俺に嬲り殺されンのが決定してンだよおおォォッ!!」

一方通行「まずはテメェの薄汚ェ両腕むしり取ってからァ、その足ィ麻酔無しでェ引っこぬ――」

上条「……」

一方通行「……」

上条「……そうか」

一方通行「待て待て待て待てっ!?違ェよっ!?そォかじゃねェっ!お前の考えてる事ァ違ァンだよ!?」

537: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:47:38.01 ID:SypWvixA0
上条「麦野。頼めるか?」

麦野「あーうん。その、色々な意味で圧倒されちゃったけど、まぁ、うん、頑張るわ」

絹旗「取り敢えず超こっちへ。今のウチに適当に話超盛っちゃいますから」

黒夜「テメェはっ!」

フレンダ「諦めた方が良いと思う訳。多分もう、手遅れだから」

滝壺「また新しい妹がひとり……居場所が、拡張……」

上条「一方通行、俺は悲しいよ。あれだけ、あれだけ打ち止めのために戦ってたお前が!」

上条「小さな子のっ!腕を引き抜こうとするなんてなっ!」

一方通行「イヤだからっ違げェンだっ!そいつが悪りィ事しようっつーのを俺達がだなァ――」

上条 ガチャ(壊れたイルカを拾い上げる)

上条「こんな、こんなっ!黒夜が大切にしているオモチャを、壊しちまうなんてっ!」

一方通行「オモチャじゃねェよ!それ思いっきり殺戮兵器だからなァッ!?」

上条「黒夜っ!」

黒夜「お、おゥっ!?」

上条「お前はもう独りなんかじゃねぇぞ!俺達『アイテム』がついてる!」

黒夜「……っ!」

上条「行くぜ、最強?俺は友達としてお前のふざけた『幻想』をぶち殺す!!!」

一方通行「だァァァァかァァァァらアァァァあああああァっ!!!?つーか止めろお前ェらよォォォォォォォォォォッ!?」

絹旗「(いやぁ、今止めたら黒夜の好感度超上がりませんし)」

フレンダ「(こういうのは結局理屈とか言葉じゃなくって、行動するかどうかが大切な訳)」

滝壺「(綺麗事を一万回言うより、一回手を差し伸べる……)」

黒夜(コイツバカじゃねぇのか!?見も知らないガキのため、学園最強に突っ込んで)

黒夜(私みてェな、クソを、信じて――)

麦野「……まぁ、なんだ。あんたも色々あるとは思うけど」

麦野「『アイテム』ってのは、この後も大体こういう感じだから――諦めな?」

上条「俺はっ、その幻想をっ、ぶち殺おおおおぉぉぉぉすっ!!!」

パキイィィィンッ


――科学と魔術が交差する時、物語は生まれる――

滝壺「わたしは――わたし達はあなたの居場所になりたい……」 -終-

上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」 -完-

538: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:48:06.64 ID:40UfV+muo
※※一方通行

539: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:48:40.05 ID:SypWvixA0
※『上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」』は今回で本編最終回と相成りました。私の駄文長文にあなたの大切なお時間を削ってまでお付き合い頂けた事、心より感謝申し上げます。
また支援兼様々なお言葉、初投稿の私にsagaや各種ルールを教えて頂きましたが、それがなければこの超マラソンを一人で走破出来なかったでしょう。本当に有り難う御座いました。

加えて禁書SSと言う板がある事を知る切っ掛けになったぷん太様、この場を借りてお礼申し上げます。あなたのブログがなければ投稿はおろか、書く事すらしていませんでした。
(アフィサイトなので怒る方いらっしゃるかも知れませんが、あまり時間が割けない人間にとって、まとめサイトは大いに有り難いです)

短い旅では御座いましたが、あなたも『アイテム』の一員として、彼または彼女達と一緒に泣いたり笑ったりフレンダを弄ったりした時間が、あなたの人生に於いて某かの糧になる事が出来れば、書き手冥利に尽きる思いで御座います。
ではまた何処かでお会い出来たら――いやまぁアフター書くんですがね、割と早く。

540: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:50:11.02 ID:40UfV+muo
あと7つ残ってるな 頑張れ

541: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:50:19.07 ID:5Mkwzqkr0
乙したー!!!!
シリアスありギャグありで面白かったです。

何気にHAMAZURAも色んな知り合いが出来て成長してそうだなー

542: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:52:36.10 ID:RfecAFNlo
>>538
1が期間決めてないし良いんだけど、分かってからの書き込みはズルいww

それから白井さんが白衣さんになってましたよー?

543: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:53:57.80 ID:v3TeLgPco
書き込んだら完になってたサーセン

544: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:54:26.09 ID:v3TeLgPco
ID違うが ID:40UfV+muoです

545: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 11:54:46.73 ID:1m9wXz1Wo
残りも超待ってます!

546: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 12:00:03.99 ID:v3TeLgPco
念のため酉を

547: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:11:41.00 ID:SypWvixA0
>>542
添削頼んだ人のギャラ減らしておきます

>>546
幸運かどうかは分かりませんが、ともあれご正解おめでとう御座います。正解は『一方通行』でした。またご参加頂いた方全てへ感謝を
遅れたんじゃねぇかな、的な話もありますが、正解者一人しか居ないんでいいと思います

取り敢えず日付(ID)が変わる前に以下の内容を書き込んで頂ければ、2~4週間ぐらいで400字詰め原稿用紙50程度の内容で、私がスレ立て+投稿致します(トリップありならこのスレ落ちるまでならいつでもかまわないと思いますが)

『スレタイ名』+『大体の内容』
キャラは本編(含む新約)+SS2冊。縛りはありませんが、何分容量が限られているため、壮大な話よりも身近な話の方が詳しく書けると思います
ただまぁ私の力量不足により、ご期待に必ずしも添えるとは限りません。それもまたご了承下さいませ

548: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:12:52.63 ID:SypWvixA0
――エンディング5 『バッドエンド』
※本編では無かったメタ発言多し。終わった勢いで書いてみた。反省は全くしていない
10日後、学校

小萌「あのですね上条ちゃん、高校は義務教員じゃねぇんだぞっていうか、単位が絶望的に足りねぇぞって言うかですね?」

小萌「こないだニュースで見たブリテン王室の第三女特集の中で、王女殿下のお部屋の中に、やったら引き延ばされた上条ちゃんとのツーショット写真が飾ってあったり」

小萌「エリザリーナ独立国の特集を見ていたら、どっかで見た事のあるツンツン頭の学生の銅像の建設が進められていたり」

小萌「先生はもうどうしたらいいのですか、って気分なんですか、どうすればいいですかねぇ?」

上条「ドッペルゲンガー!そう、世界には似た人が三人居るって聞きますし!日本とロシアとエリザリーナっ、ほら丁度三人ですってば!」

小萌「……そう、ですかねぇ?上条ちゃん先生に嘘吐いていませんよね?」

上条「だ、大体ですよっ?!ボクみたいな一介の高校生が、世界を股に掛けた活躍出来る訳がないでしょうっ!?」

小萌「ですよねぇ?先生の勘違いですよね?」

上条「そ、そうですよっ。自分で言うのもアレですけど、俺ってアレじゃないですかー!」

小萌「今度ブリテンから、軍事技術の視察に来られるキャーリサ王女殿下が――」

小萌「『案内役は上条当麻でいーし。誰?あぁ、ツンツン頭のレベル0の。関係?それは……あー、まだ話すべき事ではないし』」

小萌「『でもまー、もしかしたら万が一にそーゆー事もあるかも知れないから、あまりアイツを粗末にした方がいーし?』」

小萌「って直々の打診があったのも――」

上条「外堀埋めに来やがったなあの女っ!?気を遣う欠片も無ぇしっ!」

小萌「と言う訳で上条ちゃんには一日体験学習をして貰います!何故か留年させないように、と上からものっそい圧力がかかってきました」

小萌「じゃ明日、指定された所へ行ってみて下さいっ。その場所にいる女の人の指示に従うのですっ」

上条「は、はい。頑張ります……?」

549: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:13:48.08 ID:SypWvixA0
――翌日・指定された場所

神裂「――おや、上条当麻。遅かったですね」

上条「お前かよっ!?なんで日本にいんのよっ!?」

神裂「実は常陸の国――今の北関東某所に不穏な動きがあります」

上条「え、何?話進むの?ルート確定したの?」

建宮「あそこら辺はちょいと訳ありな霊格が多いのよな」

建宮「例えば天津甕星なのよ。天体の運行を司り、同時に星の機を織る古い――いや、旧い神なのよな」

五和「他にも続日本紀において、『海ヨリ来タル人ニ能ク憑ク神』を奉っている伝承もありますし」

建宮「何せ太平に出張っているため、様々なモノが流れ着きやすい土地柄なのよ」

神裂「……嘗てはそこに住む人を指して『東夷(とうい)』と呼ばれていた事もありました」

建宮「まぁそこはそれ中央から見ての話で、我らも隼人と呼ばれていたのよな。だから中央に反する気持ちは理解――いや、共感出来るのよ」

神裂「建宮。それを言ってはいけません」

建宮「女教皇、ですが」

神裂「確かに虐げられた歴史を持つ我らではありますが、今では人の理を知り、人の道を説き、人へ手を差し伸べる存在です」

神裂「恨みを未だに引き摺り、それを晴らさんがために多くの罪のない人間を犠牲にしようとする彼ら――」

神裂「東日本の魔術結社、『TOY機関』に大義などありはしません!」

神裂「恐らく戦闘は避けられないでしょうが、どうか我々も気をしっかりと――」

上条「あ、ごめんなさいっ!部屋間違えちゃいましたっ!」 ダッ

神裂「あ、こらお待ちなさいっ!」

パタンッ

……

上条「……ここだよな?さっきのは間違いなんだよな?あそっから『上条「今日から天草式十字凄教の一員になった上条です!」』が始まったりしないよな?」

上条(学園外で日本の魔術師とドンパチするなんて需要無ぇだろ)

上条「……」

550: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:14:52.27 ID:SypWvixA0
上条「……よし、今度こそ」

上条「失礼しまーす!」 カチャッ

アニェーゼ「遅いですよ、上条さん。会議はもう始まっちまってんですから、さぁさぁ中へ入って下さいな」

上条「」

アンジェレネ「あー、お久しぶりですー、上条さん」

ルチア「……どうも」

アニェーゼ「あーもうシスター・ルチアもそんな仏頂面しねぇで下さいよ。今日から仲間なんですから」

ルチア「シスター・アニェーゼ。『深きものども』相手にどうしてこの男の手を借りねばならないのか、不思議で」

アニェーゼ「仕方がねぇでしょう。向こうは精神汚染のプロなんですから」

上条「高校生が相手するには重すぎる敵だなっ!?」

アニェーゼ「取り敢えず、ここ座って下さい」 スッ(席を立つ)

上条「い、いや俺は別に――」

アニェーゼ「そうじゃねぇですってば。遅刻してきた上条さんには、罰として会議の間中わたしを抱っこして貰――」

上条「失礼しました部屋間違えたようですよねすいませんでしたあぁっ!!!」

アニェーゼ「あ、こらっ」

パタンッ

……

上条(何?今度は『上条「今日からアニェーゼ部隊の一員になった上条です!」』なの?)

上条(海外でクトゥルー系の魔術師とドンパチ……うーん、需要はねぇよなぁ)

上条(ルチアが触手責め……いやいやなんでもないっ!)

上条(つかアニェーゼに座られて甘えられたら、何か一生帰って来れなくなりそう……)

551: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:16:09.71 ID:SypWvixA0
上条「……ここ、だよな?」

上条「し、失礼しまー――」 カチャッ

黒夜「おゥ、遅かったなァ新入り――」

パタンッ

……
上条(『上条「今日から新入生になった上条です!」』?)

上条「……」

上条(黒夜更正させて、膝の上に載せてマッタリ――俺が予定よりちょい早く帰ってくれば……嫌いじゃない)

上条(むしろ大好きだけどなっ!いやいやっ違う違う!俺の居場所はここじゃないっ!)

552: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:16:11.23 ID:5Mkwzqkr0
wwwwwwwwwwwwwwww

553: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:17:07.10 ID:SypWvixA0
上条「こ、こっちのドア――」

上条「失礼しまーす……?」 カチャッ

レッサー「おぅ、らっしゃいあせーっ!一名様大テーブルご案内でぇーーーーっす!」

上条「」

ベイロープ「いやいや、一人で大テーブルなんてどんだけ寂しいのよ」

フロリス「スコットランドで『亡霊騎行(ワイルド・ハント)』が起きてるってに、随分とのんびりとしてんだな」

レッサー「まぁまぁでもそこら辺にテキトーに座っちゃって下さ――あぁいえいえっ、実はわたしの前しか空いていませんでしたー?てへ」

ランシス「……そのココロは?」

レッサー「わたしの対面に座ったところで、足を組み替えてパンツ見せ放題――」

パタン

……

上条(『上条「今日から『新たなる光』になった上条です!」』?)

上条(スコットランドでゴースト相手に何しろって?いやホラーコメディなら需要あるかも?)

上条「あ、でもレッサーとぎゃーぎゃー言いながら逃げ回るのはちょっと楽しそう」

レッサー「そう思うんだったら来ーいーよーオラっ!今ならニ○ル子さんのコスプレでお持てなししちゃいますからぁんっ!」 グイグイッ

上条「やめて離してっ!?ドア内側から開けるの禁止っ!」

554: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:18:22.78 ID:SypWvixA0
上条「……」

上条(どうしよう、どのドア開けても戦闘に巻き込まれそうな予感がする)

上条(い、いや嫌いじゃないよ?嫌いじゃないんだけども、たまには、こうゆっくりしたいんだよ!)

上条(神様っどうか俺に平和と安らぎを!戦いはもう嫌なんです!普通の高校生に戻りたいんですっ!)

上条「カモンっ!平穏!」 カチャッ

キャーリサ「遅かったし」

上条「普通の高校生は王女と接点ねぇよっ!?神様三番目手ぇ抜きやがったな!?」

キャーリサ「あー大丈夫だし。追っ手は撒いたから。それより今日はどーしたんだ?」

上条「いや、俺も何がなにやら訳分からない状態で」

キャーリサ「よし、じゃお前付き合え」

上条「俺の事情聞いてた?つーか何で話振ったの?」

キャーリサ「映画でも見よーぜ?今日は私の休日に付き合――」

パタンッ

……

上条(『上条「今日からブリテン王室の一員になった上条です!」』?要は婿入りじゃねぇかっ!?」

上条(つーか『ローマの休日』?どう考えてもアレだしなぁ)

555: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:19:14.59 ID:SypWvixA0
上条(……もういや、楽になりたい)

上条(神様本当にすいませんでした。心から謝ります)

上条(だもんでどーーーかっ楽な所が良いです) ガチャッ

少女「あ、当麻お兄ちゃんだっ!わたしずっとずっと待ってたんだよ?」

上条(良かった、まともそうだ。小学生ぐらい?お兄ちゃんって呼んでるって事は、俺の親戚?)

上条(天使堕としの時、御坂の顔してた従妹の子いたったけか。良かったー、家族ルートね)

上条(これなら別に危険もないし、楽な所だよな)

少女「ね、座って座って?」

上条「あー突っ込みすぎて疲れたから、んじゃちょっと――」 ガチャッ

上条「がちゃん……?なんで椅子からベルトが出で俺を身動き出来なくしたのっ!?」

少女「うん、うんっ。こういう時は――」

上条「待て!嫌な予感しかしないっ!?」

円周「『木原』ならこうするんだよね……ッ!」

上条「『木原』ルートは、いやあああああああぁぁぁぁぁっ!?」

※モニタの前の『木原』さんども、『木原』ならどうするか、コマンドを打ち込んできやがれ
(重複連投可・意見バラけたら数優先。指令が来なかったらノリで決定)

<コマンド?>
もっとやれ→もっとする(最長五回)
たすけてあげて→上条さん解放(一回で終了)

556: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:27:29.69 ID:5Mkwzqkr0
たすけたげてよぉ!!

557: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:29:22.42 ID:KhoogpY6o
たすけてあげて

558: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:30:53.24 ID:1GxsI4eV0
(演習を)たすけて(手伝って)あげて

559: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:39:57.36 ID:SypWvixA0

556-558
助けてくれてありがとう。上条さんが『ルール無用の逆レイ×→ちょいらぶ和×』される話だったから、ちょっと自信なかったんですよね
ってかここの板って18禁オーケーなんでしょうか?まぁ日の目を見なかったし良いかなー、と
尚、コマンド受付は終了致しました。ご協力有り難う御座いました


――途中下車(たすけてあげて)

円周「うん、うん。加郡おじさん。こんな時、『木原』ならこんなオチをつけるんだよね?」 ウィィィィンッ、ヴヴヴヴヴヴヴッ(チェーンソー起動)

上条「待て待て待てっ!?その凶器で何をするつもりだっ!?」

円周「当麻お兄ちゃん、右手、ちょうだい?」

上条「嫌です!絶対に!」

円周「分かってるよ、数多おじさん!こんな時、『木原』なら言うんだよね!」

上条「もうイヤその前フリっ!?」

円周「最初は痛いけど――最後まで痛いからねっ?」

上条「それ痛いだけじゃねぇかよおおおおおおっ!?」

上条(『上条「今日から木原一族になった上条です!」』……は、無い!)

560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:42:03.42 ID:1m9wXz1Wo
エロは超ありですよー

561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:42:17.86 ID:SypWvixA0
――校門前 『バッドエンド……の、先』

佐天「上条さんっ、聞いてますかっ人の話!」

上条「えっ!?」

佐天「そんな小○みたいな返しは止めて下さいよっ!プリンか、金髪プリンかっ」

上条「あぁうんごめんな、さい?」

上条(夢オチ?いやでもそれにしては生々しかったような?)

上条(女の子四人と冒険したような、凄く楽しかった)

佐天「ちょっと付き合って欲しい所があるんですよっ、しかも割と緊急に」

上条「俺?良いけどさ」

佐天「はい、じゃこれ持って下さいねー」

上条「学園都市製ハンディカム?何すんの?」

佐天「だーいじょうぶですっば。痛くしませんから」

上条「ビデオカメラで痛覚の刺激は元から出来ないからね?」

佐天「近くの公園でちょっとカメラテストするだけですからっ!」

上条「あぁ、うん。付き合うけども」

佐天「よっし!チョロいです!」

上条「せめて小声で言おうな?ちょっとは気を遣おう?」

佐天「早く行きましょう!時間がないんですからっ」

上条「意味が分からないっ!つーか本当になにすんの?」

佐天「ケーブルテレビの番組作るんですよぉ――ね、上条さんっ!」

上条「うん?」

佐天「今度はっ――あたしと冒険しよーぜ!」


佐天「佐天さんの学園都市七大不思議探訪っ!はっじっまっるっよーーー!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367376694/

――エンディング5 『バッドエンド』 -終-

562: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 12:48:56.24 ID:5Mkwzqkr0
そっちに続くんかいwwwwww
そっちも見たけどさwwwwwwww

563: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 12:58:23.20 ID:1CZVbzbfo
とある上条佐天の恋愛模様

佐天さんと上条さんのほのぼのイチャイチャコメディが見たい。右手の所為の不幸は一般人よりすこし低い程度(1日一回転けるとかその程度)
上条さんの記憶喪失無しで インさんは居なかったことに。学園都市は平和。そもそも世界が平和。アレイスターのプランなんてなかった。
佐天さんと上条さんは親戚同士で
昔から一緒に遊んだりお風呂入ったりしてた
兄妹みたいな感じだけども、めちゃめちゃ両想い。呼び方は甘えるときはお兄ちゃん、人前は兄さん、だけどテンションあがるとお兄ちゃんと言ってしまう。上条さんは涙子と呼ぶ。 ファーストキスは子供の時に遊びでシた(もちろん上条×佐天が) 部屋は学園側の手違いで一緒になる。買い物と言う名のデートしたり、フラグメーカーな上条さんに怒りつつも正妻の余裕。フラグ立てられた女の子は、上条さんと佐天さんの様子を見て入る隙が無いのであきらめる。周りからは夫婦扱い。あとはひたすらほのぼのイチャイチャコメディしてもらえば シリアスはいらん。ラッキースケベ全開
 最終的には結婚して妊娠、子供がいたりなんかしてほしい。プロポーズイベント必須  エロは出来れば欲しい ここは18禁OKだから安心しな!

登場人物はまかせる。

スレタイはセンスねぇなと思ったら変えていただいて結構ざます。

564: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 13:11:30.30 ID:mlvlUt1po
部屋は手違いで一緒になったけども
親戚同士なら、まぁいいかってことになった ってのを忘れてました すみません

565: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 13:14:28.12 ID:SypWvixA0
>>563-564
了解致しました。スレ立てたらここで報告します

566: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 13:15:24.69 ID:tbQ9hYxU0
素晴らしい…!!

567: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 13:18:27.68 ID:mCexkjZIo
エロは出来ればと言ったが、本音を言えば絶対欲しい。

568: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 13:20:47.63 ID:mCexkjZIo
>>565 よろしくお願いします。
こんな妄想が出来るのにSSが書けない自分がムカつく…

569: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 13:39:37.49 ID:SypWvixA0
>>568
書いてみたら如何でしょうか?何も投稿する必要もありませんし、私みたいにブルーカラーが趣味でダラダラ書いてて、
ある日勢いで投下したのがこのSSですので
お勧めは毎日『あ、こんな事したら楽しいだろうな。こんな会話したら面白いな』ってのをメモしてて、それをツギハギして書いたりしています

ただしプロ目指すには厳しいです。知人の某レーベルで書いている人間は、
『書きたいものが書けない。企画書にはテンプレ(幼馴染・ツンデレ、ロリ担当)を必ず出して、その上に色々乗っけないと絶対に通らない(書かせて貰えない)』
と泣いていました。編集の言う通りに書いているのに『オリジナリティがー』『ありきたりー』とかアンケート来て死にそうになると

……まぁ逆に私(を含めたSSなどの書き手の方の多く)が、『プロじゃないから出し惜しみせず、全力でカマせる』という強みもあったりします

570: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 13:53:31.62 ID:OPkxKbqpo
>>569
いずれチャレンジしてみます
妄想だけは得意なので
とりあえず
上条佐天のほのぼのイチャラブコメをよろしくお願いします。

571: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 13:54:10.40 ID:OPkxKbqpo
シリアスは無しでね!

572: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 14:25:42.36 ID:meIsf52w0
あれ?終わり?

573: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 14:31:31.09 ID:4lsruRTBo

後はそれぞれのアフターがあるらしいよ!
残りアフター6つだけど

574: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 14:46:18.45 ID:SypWvixA0
>>573
6つでいいの?私まだアフター一個も書いてないんですが……
それより『全部やる』なんて一言も言ってないのに、既成事実化している件について

575: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 14:52:06.56 ID:1GxsI4eV0
スレを複数抱えながらもリクエストに応えてくれる、そんな>>1をわたしたちは超応援してるって訳にゃーん

576: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 14:55:29.92 ID:8Bnj77rbo
>>574
えっ、そうなの!?
いやいや。全部お願いします。

577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 15:10:10.26 ID:SypWvixA0
学園探訪2話目、『トイレの時計屋』は上司預かり(完成はしています。添削待ち)
順番からすれば◆RsInltgThpGfさんのが最優先、続いて麦野・絹旗・フレンダ・滝壺・ハーレム・アク×浜?
…まぁ20枚ぐらいずついけば、何とか。ってかアク×浜、要ります?

578: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 15:14:01.10 ID:1GxsI4eV0
アク × 浜はいらないなァ

579: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 15:14:49.69 ID:pupXtzTWo
別にアフター終わってからでもいいですよ?
忘れさえしなければモーマンタイです
個人的にはアフター早く見たい。

580: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 15:18:37.76 ID:hv8213xgo
アク×浜はいらないです。

581: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/01(水) 15:38:06.80 ID:SypWvixA0
ともあれ今日は落ちます。読んで下さった皆さんに感謝を。次は◆RsInltgThpGfさんのでお会いしたいと思います
ではまた

582: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 15:52:13.50 ID:Wi3RVd8To
よろしくお願いします

583: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 16:04:29.30 ID:Wi3RVd8To
あー、あと手はいつも無意識に繋いでたり、頭撫でたりとか萌える。

584: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 19:17:09.09 ID:PVzeFrqvo
あ、勿論二人とも童貞処女で。
たまに一緒に寝てたり。

585: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 19:20:36.18 ID:jop2e5wmo
上条さんの朝立ちテント見て赤面する佐天さん萌

586: ◆RsInltgThpGf 2013/05/01(水) 19:21:56.62 ID:jop2e5wmo
ちっ、今になって色々妄想がはかどる
何故童貞処女かと言うと 初体験のシーンが見たいからさ!

587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/08(水) 10:52:13.16 ID:19zO7Iut0
>>586
とある上条佐天の恋愛模様
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367976454/
約15700語、原稿用紙フォーマットで82枚(※換算だと約39枚)、まぁこんなもんで許して下さいませ

588: ◆RsInltgThpGf 2013/05/08(水) 13:13:08.22 ID:GEWbpqTDo
>>587
マジありがとう

589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/10(金) 17:38:59.96 ID:1VgWGbgn0

良かったぞ

590: 上司(ゴールデン) ◆7fp32j77iU 2013/05/14(火) 10:09:07.21 ID:CXwsA7Lf0
お疲れ様で御座います。>>1ではありません代理です
>>1が根腐れ病で入院致しましたので、本日のアフター投下は私が代理投下&半分執筆と相成りました。何卒ご了承下さいませ

大雑把な内容紹介と致しまして、麦野アフターを二種類用意致しました

まず一つ目は『麦野アフター』。公約通り麦野エンディング?の少し前のお話です。これは田中(ドワーフ)が書いたものです

二つ目が『麦野“ある意味”アフター』。こちらは私、上司(ゴールデン)が書きました
内容は通常アフターより大幅に変更致しまして、
『本編では途中までしか描写無かったけど、あの後二人はどうなってたの?』
と言うお話になっています
それぞれ各ルートへ入っていたら、こんな事があの後(アフター)として起こっていたかも?みたいな感じだと思って下さい
(ぶっちゃけ書きたかったんだけど、ルート確定するから無理だったんだよね、的なお話です)

ちなみにある意味アフターの内容には若干の性表現がありますので、18歳未満の閲覧は禁止とさせて頂きます
また同描写があるのは例外なく全員18歳以上である事も付記致します

尚、『文体>>1と同じじゃねぇか』『つか恥ずかしいから別名義って。子供かっ!』『パンツ脱いでもいいの (´・ω・`)』等のツッコミは空気を読んでご遠慮下さい

では、最後までお付き合い頂ければ幸いで御座います

591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:10:03.67 ID:CXwsA7Lf0


『麦野“ある意味”アフター』


592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:11:09.49 ID:CXwsA7Lf0
――某病院個室 24時 

コンコン

麦野「はい?」

上条「失礼しまーす」

麦野「ふんっ!」 バチバチッ

上条「出会い頭に『原子崩し』っ!?」 パキイイィンッ

麦野 バサッ(頭からシーツを被る)

上条「……何やってんの?つーか俺何かしたっけ?」

麦野「だ、だめっ!今ちょっと、すっぴんだからっ」

上条「だからって出会い頭に灼こうとすんなよっ!?俺じゃなかったら死んでたわ!」

麦野「……あんたじゃなかったらしてないわよっ!」

上条「えっ?」

麦野「えっ?」

上条・麦野「……」

上条「昼間来れなかったら、様子を見に来たんだけど。帰った方が――」

麦野「それはイヤっ!」

上条「あー、俺はどうすれば?」

麦野「電気っ、電気消してっ!」

上条「……良いけど。意味あるのか?」 パチッ

麦野「……」

上条「……」

麦野「……み、見えない?」 バサッ

上条「……月明かりで、何となく輪郭が分かるかも?って感じだ」

麦野「まぁ、いいか……な?」

593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:12:16.71 ID:CXwsA7Lf0
上条「いやでも化粧一つでそんなに変わる?正直分からないんだけど」

麦野「あんたみたいに、いっつも同じパンツとシャツ着回している奴には分からないでしょうよ」

上条「他の面子はしてないよな?下二人はまぁそんなもんかと思うけど、滝壺だってさ」

麦野「全員してるわよっ!うすーくしてるから気づかないだけでっ!」

上条「気づかないメイクって意味あるのか?」

麦野「……怪我が治ったら真っ先にアンタぶっ飛ばすからね?三人の分まで」

上条「意味が分からねぇよっ!?……と、ごめん。病院で大声は拙いよな」

麦野「大丈夫よ。ここの個室はちょっとお高い所だし、ってか消灯時間を過ぎても電気点けてたでしょ?」

上条「あー……いいの?」

麦野「ってかアンタは何しに来たのよ?昼間見に来なかったのに」

上条「もしかして、待ってた、とか?」

麦野「自意識過剰もいい加減にしなさいよ」

上条「だよなぁ。麦野が待ってるなんて――」

麦野「――待ってたのよ、そりゃね」

上条「え」

麦野「アタシが待ってるのがそんなに――って、ごめん。そんな言い方無いわよね」

上条「こっちの方こそごめんっ。ちょっと抜け出せなくてさ」

麦野「天草式と、あー……イン、なんだっけ?」

上条「井村屋ほの○?」

麦野「そうそう、その井村屋ほ○かの相手してて忙しかったってのは聞いてたけどさ」

麦野「絹旗から『エロメイドが超エロかったです』って写メ貰ったんだけど、何?そういう商売もしてるの?」

上条「神裂さんの事は触れない上げてっ!?テンパって訳分からなくなってるだけだからっ!?」

麦野「っていうか企画モノのA×とかでありそ――」

上条「聖人って名乗ってるのに割とアレな神裂さん弄るのヤメテあげてよっ!」

594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:13:17.15 ID:CXwsA7Lf0
麦野「いやまぁ、私も絹旗と滝壺から話は聞いてたから。怒るのは筋違いだって分かるのよ」

上条「フレンダは?フレンダからは何も聞いてないの?」

麦野「……『着替え持ってきてね』って頼んだら、下着と部屋着、あとクマのぬいぐるみを持ってきた残念な子に?」

上条「……最初の二つは分かるんだけど、どうしてクマ?一応一人で寂しいとか、気を遣った結果じゃないかな、うん」

麦野「『クマのぬいぐみ?うん、そっちも少し怪我してほつれているけど、治した方が良いのかな?』って先生に言われたアタシの気持ちが分かる?」

上条「ま、まぁフレンダだし? 」

麦野「お願いしたけどもっ!」

上条「したのかよっ!?……あ、いや家が火事にならなかった分だけ、良いと思わないと」

麦野「まぁフレンダだしね。最悪のタイミングで最悪の事をやらかすし」

上条「んで怪我、どうだったんだ?」

麦野「一番重いのが絹旗で肋骨三本、次にアンタで要入院、その次がアタシで打撲とヒビ」

麦野「滝壺も検査入院で一泊か、フレンダは軽い打ち身っと」

上条「フレンダ怪我してたっけか?」

麦野「『お揃いって訳よね!』って喜んでたわよ、多分」

上条「本人が良いんだったら良いけどさ」

上条「あー、いやその、そうじゃなくてな?」

麦野「『俺の戦いに巻き込んで悪かった』つったら、100%メルトをぶち込むわよ?」

上条「ツッコミが厳しすぎるなっ!?」

595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:14:43.33 ID:CXwsA7Lf0
麦野「アックアだっけ?アレが出張ってくるって事は、アンタが絡まなくても『アイテム』や暗部も引っ張り出されたでしょうしね」

上条「それは仮定の話だろ!」

麦野「あー、そうじゃなくってね。確かに今回の原因はアンタだったかも知れない。でもね」

麦野「『取り敢えず高校生の右手を引き抜こう』ってキ××イ連中が居るのよ」

麦野「そんな連中が『新しい方法で能力者造りましょう』って学園都市を、放置したままで置くと思うの?」

上条「それは」

麦野「学園都市としても分かってるんでしょうよ。だからただの無能力者を採算が取れない無人兵器を出してまで守ろうとした」

麦野「結局、アンタは戦争を起こす口実に使われた訳よ」

上条「……」

麦野「常識で考えてみなさいな。戦争を引き起こしかねないのに、高校生の腕一本にこだわると思う?」

麦野「アンタが責任を感じるのは結構だけどね、今からどうこうしたって――例えば、自殺したってどうしようも無いわよ?」

麦野「アタシ達が学園都市って枠組みに居りゃあ、否応なしに巻き込まれるしね」

上条「……俺は、どうすれば良いんだろうな?」

麦野「全部を捨てて逃げ出したって、どんなに遠くまで逃げ出した所で、現実はあなたを追い掛けてくるわよ。経験者から言わせて貰えれば、ね」

上条「……」

麦野「仮に上手く逃げ切ったとして、名前や顔を変え、誰にも分からない所から出発したとしましょう」

麦野「でも、上条。あなたは必ずここへ帰ってくるわよ。アタシの人生全てを賭けてもいい」

麦野「何処か遠い空の下で、途切れ途切れにしか分からない学園と他の戦争。上っ面しか報道しないラジオに齧り付いている姿が目に浮かぶわね」

麦野「逃げ場なんて、無いのよ。逃げた先で関係無い顔して生きていられるのなら、最初から巻き込まれてすら居ないわ。違う?」

上条「……あぁ」

麦野「でもそれは――『責任』であるとも私は思うわ」

上条「どんな?」

麦野「助けてしまった責任、って言うと何か八つ当たりみたいだし。生き残ったから、そうじゃない人の分まで生きろ、って言うのも何か違うか」

麦野「なんて言うのかしらね……あぁ、もうちょっと近くまで来て貰える?」

上条「悪い。よく見えないんだが」

麦野「私には見えてるから大丈夫よ。うん、そのまま真っ直ぐ」

上条「えっと……?」

麦野「はい、そこで前ジャンプっ」

上条「よっと」 ピョンッ

ガッ

上条「痛っ!?」 ドサッ

麦野「……っ」

上条「あ、あれ?なんでジャンプさせたっ!?」

麦野「……この状態でそのツッコミが出来るのは、色々と自信を失うんだけど?」 (超至近距離)

596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:16:05.80 ID:CXwsA7Lf0
上条「……」 ムニムニ

麦野「……んっ」

上条「……つまり?」 ムニムニ

麦野「ヒントいち、アンタの右手でむにむにしている物体は――Dよ?」

上条「圧倒的破壊力ですねっ!?……じゃねぇよっ!すまんっ、今どくか――」

麦野「ヒントに、私はあんた達と生きていたい、って言ったぞ」 ギュッ

上条「麦野……」

麦野「ヒントさん、最後まで言わせるなよバカヤロウ――ん、ちゅっ」

上条「んむっ!?」

麦野「くぷ、ん……ちゅば……くぶ……ちゅぶ……」

麦野「――はぁ。逃げ、ないのね?」

上条「……責任取れっつったのはどっちだよ」

麦野「あー……その、アレよ。自分で言うのも何だけど、私は重いわよ?」

上条「うん、何となく分かる」

麦野「あなたが死んだら――フレンダを殺して私も死ぬわ」

上条「フレンダ逃げてーーーーーっ!?」

麦野「あの子の将来がどうなるか、もう不安で不安で。悪い男にちょっと守られて一目惚れなんてあり得そうだし」

上条「どっかで聞いたような話ですねっ!俺に心当たりは無いですがっ!」

597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:17:31.23 ID:CXwsA7Lf0
麦野「まぁ冗談は兎も角、いいの?私で?」

上条「うーん、いいのって聞かれると良い気分はしないけど」

上条「最初っから麦野の事、『あ、綺麗なお姉さんだな』ってちょっと憧れていたし」

麦野「おっぱい大きいし?」

上条「関係無――くはないけど、それだけじゃないかな」

上条「何だかんだで仲間――つーか友達思いの所とか、『アイテム』だって最初っから万全って訳じゃなかったんだろ?」

麦野「ま、そこは色々とね。私からは何も言えないけど」

上条「むしろ俺で良いのか、って聞きたいぐらいなんだけど――んんっ!?」

麦野「ちゅる……んん……や、ちゅる……くぶ……やっ、ぢゅる……ちゅちゅ……」

上条「――言葉に出さないと伝わらない事だってあると思うっ!」

麦野「確かにね。んじゃまぁ言うけどさ――」

麦野「私を貰ってくれないかな?」

麦野「遊びでも良いし、飽きたら捨ててくれても構わないから」

上条「嘘だな」

麦野「またバッサリ切ったわね?どこがよ」

上条「もう逃がすつもりなんて無いクセに」

麦野「あたり――ちゅっ」

598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:19:08.22 ID:CXwsA7Lf0
……

上条「えっと、脱がしていいんだよな……?」

麦野「ん、つっても色気もなんにも無い病院着だけどね」

上条「いやー、これはこれで。うん」

麦野「……一枚、貰っておく?」

上条「どんな趣味だと思ってんだっ!?」

麦野「と言う割には右手が執拗にねちっこく責め、んっ」

上条「ってか改めて触るのって初めてだから、余裕がないんだよっ!?」

麦野「いやアタシに聞かれても?……ってなんだその意外そうな顔はっ」

上条「暗くて見えない――事もないな。月明かりで結構分かるか」

上条「麦野みたいな人、他の男が放って置くわけがないかなー、と」

麦野「そうでもないわよ?能力開発と実験の繰り返し、後はあの子達の世話で色々と」

麦野「小娘だ、ってナメられないように服をカッツリ固めたり、ね」

上条「そこだけ聞いていると納得だけど、研究者にエロい事されなかったかっ!?」

麦野「なんでそこだけ食いつきが良いのかはさておくとして、無かったわよ」

麦野「アイツらにしちゃ、アタシらは話すモルモットぐらいにしか見られてないみたい」

上条「嬉しい反面それはそれで腹が立つ――あ、紐」

麦野「……ん」 シュルリ

麦野「どう?」

上条「うん、凄く綺麗だ。出来ればもうちょっと明るい所で――あぁいや、月明かりで見た方が、その」

上条「女神様みたいだ、って言ったら笑う?」

麦野「……バカ、誉め過ぎよ」

上条「嘘吐いているつもりはないんだけどなぁ」

麦野「だから余計にだっつーのよ。結構傷だらけよ?」

599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:21:21.14 ID:CXwsA7Lf0
上条「――ちゅっ」

麦野「ん――あっ……んぅ」

上条「やっぱり大きいな」 モミモミ

麦野「好きでなった訳じゃ――んっ、あっ、ふぁ」

麦野「は、んぅ……!」

上条「ちゅっ、ちゅぷ、ちゅぷっ」

麦野「や、だ……つか、手慣れて――」

麦野「ん、あぁ……くぅんっ、や、あぁ……んっ!」

麦野「ん、んっ、あぁ、んぅっ……ひぅっ……!?」

上条「麦野、可愛い」 コリコリ

麦野「んっくぅっ!?……あぁんっ、くっ……!」

麦野「ふぁっ……あ、くんっ、く、くんっぁぅ、やっ!」

麦野「ちゅっ、んっ、じゅぶっ、じゅっ、ちゅぷっ!」

麦野「んっんっんっ、じゅるっ、ちゅぷっ、ちゅぶぶっ!

麦野「――ってか、そのっ」

上条「ちゅっ、じゅっ、ちゅっ、ちゅっ」

麦野「んぅんっ!?んっ、ぁくっ、んっんんっんんっんっ!?」

麦野「く、くうぅぅぅぅんっ!?」

上条「ちゅっ」 ペロペロ

麦野「……はぁ、はぁ」

上条「よしよし」 ナデナデ

麦野「……どんだけ私の胸好きなんだっつー話だけど、妙に手慣れてない?」

上条「……えっと、妄想をね?イメージトレーニング的なアレでね?」

600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:22:21.61 ID:CXwsA7Lf0
麦野「……私で?」

上条「すいませんでしたっ!もうしませんからっ!」

麦野「いやまぁ、いいけどね。でも、その」

麦野「次からは私が、さ?必要ないでしょ、っていうかね?」

上条「」

上条「あぁもう可愛いなぁっ!」 ガバッ

麦野「――っと、今下脱ぐから」

上条「あ、下は着けてんだな」

麦野「デリカシーの無い事言わない……いや、そう言う問題かしらね?」

上条「つかいつも思ってたんだけど、生足出さないの?」

麦野「……足、あまんまり自信ないのよ。太くない?」

上条「気にしてんの?」

麦野「能力者って能力に偏りがちだから、近接戦闘も少しだけ。どう、かな?」

上条「むしろペロペロしたいけど?」

麦野「むしろの意味が分からないわっ!?……ま、まぁ、今度ね?」

601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:23:17.24 ID:CXwsA7Lf0
……

上条「大丈夫?重くない?」

麦野「ん、平気――じゃないけど、問題ないわよ」

上条「んじゃ、行くな?」 グッ

麦野「うんっ!……くぅぅっ!?つっ、ったぁ……!」

上条「ちゅっ」

麦野「んーちゅっ、んんっ、ちゅっぢゅぷっ、ぢゅるっ」

上条「――ぷはぁっ、なんか痛々しいんだけど」

麦野「……いったいけど、まぁ。何とか」

麦野「あんたじゃなきゃ紅葉おろしにしてたわね」

上条「光栄なのか、それとも恐ろしいのか――って麦野?」

麦野「何?」 ポロポロッ

上条「なんで、泣いてっ?」

麦野「あっヤダっ、そのっ、これはねっ?」

上条「後悔、してる、とか?」

麦野「違うっ!そうじゃないっ、そうじゃなくって、その――」

麦野「――幸せすぎて、私っ、どうしたらいいのかっ!わからなくって!」

上条「麦野……」

602: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:24:22.38 ID:CXwsA7Lf0
麦野「『アイテム』やって、何だかんだ言って、アンタには絶対言えないような酷い事もしてきたっ!」

麦野「でもっ、でもそんな私が幸せでっ!そんなんでいいのかよって!」

上条「……良いと思うよ、俺は」 チュッ

麦野「上条……」

上条「お前が何をしてきたのか、俺は分からないけど」

上条「でもそんな自分が嫌だって、変えたいって思ったんなら」

上条「俺はずっと、側にいるから――一緒に、な?」

麦野「うんっ、うん――ぁぅっ!?」

上条「……ごめん、なんだか我慢できなくてっ」 ガクガクッ

麦野「うん、来てっ?」

上条「麦野っ、麦野ぉっ!」 ググッ

麦野「んっ、あん、くぅっ、やっ、んっんっんっんっ!」

麦野「ひゃっ、うんっ、くっ、あっぁっあっ、くぅんっ!?」

麦野「私も、くっ、幸せにっ、なりたいっ、んんっ!?」

麦野「普通にっ、生きてっ、みたいよぉっ!」

上条「我慢しなくていいっ!俺がっ、俺とっ、幸せになろうっ!」

麦野「うんっ、うんっ!私っ、私っ!」

麦野「くっ!?あああああああぁぁぁぁぁぁっ!?」

603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:25:42.57 ID:CXwsA7Lf0
――某病院個室 朝

麦野「いやー『幻想殺し』……」

上条「意味が分からないなっ!」

麦野「まさか病院のベッドで押し倒されるとは思わなかったわね」

上条「絵的に見たらそうだけどもなっ。実態は違うよね?」

麦野「んー……卑怯かな、ってはちょっと思うけど」

麦野「何だかんだ言っても、体をダシにして既成事実作ったようなも――んっ!?」

麦野「んっ、ちゅっ……ちゅぷっ、んんっ、ちゅぷっ、んーっ!?」

上条「……はぁ。それ言ったら俺もだ。無理目な年上のおねーさん相手に、怪我して気弱んなってる所につけ込んだのと同じ」

麦野「……いやぁ、つけ込まさせたんだけどね」

上条「もう知らねぇよ。言い訳もしない」

麦野「上条……」

上条「俺はこのおっぱいを守るために生きるって決めたんだ!」

麦野「100%体目当てかっ!?」

上条「俺が、俺達がおっぱいだっ!」

麦野「あーうん、なんか完徹して錯乱しているのは分かるんだけども」

麦野「でもさ、あの子達に悪いかなー、とかそう言う――」

上条「あ、んじゃもし俺が浮気したら――」

麦野「あなたとフレンダを殺して、私も死ぬわよ」

上条「疑問系ですらないっ!?あとフレンダは許してあげてっ!」

麦野「どうかなぁ?あの面子の中で一番怪しいのフレンダだと睨んでるんだけど」

604: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:26:50.56 ID:CXwsA7Lf0
上条「無い、と思うけど。信用出来ない?」

麦野「いや、なんつーかな、『言葉に出さないと伝わらない』って言われたばっかなのに、何も言ってくれないなー、って」

上条「えっと……」

麦野「うん、なに?」

上条「あー、なんだ」

麦野「なによ?言わないとわからないわよ?」

上条「結婚、しようか?」

麦野「跳ばしすぎでしょ!?あぁ、いや良いんだけども!」

上条「オッケー?」

麦野「ちょっともうっ、色々すっ飛ばしすぎでしょうがっ!」

麦野「もっと前段階として色々あるし、ねぇっ!?」

上条「いやー信用出来ないって言うんだから、させるしかないかなぁ、と」

上条「その、俺なんか、ちょっと変わった右手を持った不幸なガキでしかないけどさ」

上条「麦野の事、誰よりも大事にしたい、大事にしていきたいって思うよ」

麦野「……うん」

上条「だから、そのっ……好きだ、麦野」

麦野「……沈利」

上条「ん?」

麦野「沈利、って呼んでくれるんだったら、信じる、かも」

605: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:27:39.97 ID:CXwsA7Lf0
上条「し、沈利」

麦野「う、うんっ」

上条「し、信じたっ?」

麦野「キスしてくれたら、多分?」

上条「ちゅっ」

麦野「んっ」

上条「どう、かな?」

麦野「……もっと」

上条「……んっ」

麦野「ん、ちゅっ、ちゅぷっ、んっ」

上条「えっと……?」

麦野「愛してくれたら、きっと信じると思うわ」

上条「愛し――」

麦野「物理的に」

上条「……朝なんだけど?」

麦野「あ、明るい所でも、見たいって言ってたわよね」

上条「んじゃ遠慮無――」

フレンダ「おっはろーーーーーーーーーーーーーーっ!元気してたーーーーーーーっ!?」

上条・麦野「」

606: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:28:46.50 ID:CXwsA7Lf0
フレンダ「あぁいや元気じゃないわよねっ、入院してんだもんねっ」

フレンダ「でももう大丈夫よっ!麦野ンちからちゃんとした着替えとか化粧品とか持って来あげたんだっかっらっ!」

フレンダ「あたしがっ!この、残念な子と言われ続けてきた、あたしがっ!」

フレンダ「さぁどうよ麦野っ!?今日からあたしは『空気読む』キャラとして、確立された訳――」

フレンダ「……あ、あれ?」

上条「お、おはよう?」

麦野「……こんのクソビ××は……!」

フレンダ「お、おかしい訳よね?病室、間違っちゃった訳?」

フレンダ「も、もしかして、あたし、また空気読んでない?」

上条「あー、割と?でも今日のはフレンダ悪くないと思う」

麦野「ふっれっんっだっちゃーーーん?」 ギュッギュッ

フレンダ「あ、あれ、麦野、どうして体にシーツを巻いている訳?」

麦野「それはねぇ、体が汗やら液やら汁やら血やらでベッタベタで、とても人様にはお見せ出来ない有様だからよぉ?」

上条「汁言うなっ!」

フレンダ「じゃ、じゃどうしてテンションが振り切っている訳?」

麦野「朝までこの元童貞がそれはもう、ねちっこく執拗に責め続けたお陰で、一睡も出来なかったからよぉ?」

上条「元童貞て。あと半分以上は沈利も共犯だからな?」

フレンダ「い、今名前呼んだっ!名前っ!えっちっちーっ!」

上条「小学生みたいな煽りは止めろよっ!子供かっ!」

フレンダ「それで、その、どうして、そこまでして、あたしの方へ近づいてくる、訳?」

麦野「それはねぇ――」 バチバチッ

麦野「――人生初めて男に甘えてた、アタシの邪魔をしやがったビ××をねぇ――」

麦野「――確実に灼くために決まってんだろボケがあぁぁぁぁぁあああぁっ!!!」

フレンダ「ひいぃぃぃぃっ!?」

607: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:29:55.96 ID:CXwsA7Lf0
上条「待て麦野っ!その出力は洒落にならないっ!?」

麦野「沈利っ!」

上条「うんその訂正を求めるのは可愛いんだけどっ!『原子崩し』を発動させるのはやめてあげてっ!?」

バタンッ!

絹旗「超大変です麦野っ!?上条の病室に上条が居ませ――」

絹旗「ん、って……はい?超居ましたね。なんで裸?」

滝壺「きぬはた、おはよー……」 ガチャッ

絹旗「あ、はい、おはようございます?って言うか、この超状況は一体……?」

滝壺「わたしが起きた時には、二人とも一緒だった、みたい」

絹旗「って事は、もしかして」

滝壺「……うん。夜這い」

上条「してねぇよっ!?」

麦野「したでしょうがっ!」

フレンダ「やっぱりした訳ねっ!?」

上条「したけどもさっ!合意だから夜這いじゃないっ!」

滝壺「ちなみに本来の意味でのよばいは、全部ごういだった……」

絹旗「村落共同体の中で一々レ××してたら、超村八分されますからね」

絹旗「いや、そうじゃなく。二人とも、あなた達は超病人である自覚をもっと、ですね」

滝壺「それはだいじょうぶ」

絹旗「いえ、そう言うわけには」

滝壺「病人は10回も出来ない」

麦野「なんで知ってんのよっ!?能力追跡ってそんなに万能なのっ!?」

滝壺「そうなんだ……?」

上条「あっちゃー……」

608: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:31:02.00 ID:CXwsA7Lf0
フレンダ「あっ、絹旗、そうじゃないのっ!?これはねっ」

フレンダ「二人がプロレス的な事をした訳であって――」

絹旗「そうなんですか?」

フレンダ「そうよっ、あんたにはまだ早――」

絹旗「超避妊はしたんですかね?家族計画はしっかりしないと」

フレンダ「詳しいなっ!?」

絹旗「いや、今時知らない方が超おかしいでしょう」

滝壺「少女まんがも、そういうの、あるし……」

上条「なんかグダグダになっちゃったなぁ」

麦野「ね?まぁ私達っぼくて良かったかも知れないけど」

上条「と言うかあっさりいったな……あ、そうだ沈利」

麦野「なに?」

上条「その、さ。昨日の夜は、月明かりでも良いなーとは思ったけど」

上条「沈利には日の光の下も似合うと思うんだ」

麦野「……ん」

上条「まぁ、その、これからも色々あるとは思うけど」

上条「一緒に、生きよう」

麦野「……うん。一緒に、ね」

――『麦野“ある意味”アフター』 -終-

609: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:37:23.16 ID:fm4620jo0
乙ー!!!
微エロだったけどいいねっ♪

610: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:42:13.94 ID:CXwsA7Lf0


――『麦野アフター』


611: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:43:13.42 ID:CXwsA7Lf0
――第23学区 学園都市内空港 12時

麦野「……いやー、帰りたいわねー」

上条「早いって!」

麦野「いや、流石に冗談だけどさ。こんなに緊張するの初めだわ」

上条「そりゃ俺もだけど」

麦野「おかしく、ないかしら?」

上条「すっげーキレイだよ?」

麦野「ありがと――ってそっちじゃないわよっ!」

上条「パンツスーツも似合うよな、沈利スタイル良いから」

麦野「あなたも学生服……まぁ、そんなもんよね」

上条「いいんだよっ!高校生なんだからっ」

麦野「そういう意味じゃあたしだって未成年なんだけどさ」


――同学区 少し離れた場所 同時刻

フレンダ「あっちゃー緊張している訳よねー、やっぱ」

滝壺「初めての、相手のおやへのかおみせ、だし」

絹旗「あの、二人とも?超何やってんですかね?」

フレンダ「え、だって昨日麦野が」

滝壺「『来るなよ!ぜったい来るんじゃないわよっ!ぜったいだからねっ!?』」

フレンダ「つってた訳よ?」

絹旗「……いや、明らかに『ついてきたら超殺す』って話でしたよね?」

フレンダ「やっだもうっ絹旗たらっ!仲間のピンチに動かない私達じゃない訳よっ!」

滝壺 コクコク

絹旗「で、その心は?」

フレンダ「テンパってる麦野ちょー面白い!」

滝壺 コクコ――ブンブンッ

絹旗「まぁ気持ちは超分からないでもないですけど、程々にして下さいね?あまり無茶をするようでしたら、腹パン入れてでも止めますし」

フレンダ「だいじょーぶっ!こーゆーのドラマで見た訳っ!」

滝壺「なかま、だいじ……」

絹旗「どうして一番年下のわたしが超抑えるポジションにいるんでしょうか……?」

612: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:44:11.27 ID:CXwsA7Lf0
――同学区 “外”からの飛行機到着

刀夜「おーいっ、当麻ーーーーーっ!」

詩菜「とうまさーーんっ!」

上条「来たっ!」

麦野「やっべぇわね。アックアに喧嘩売った時より緊張するし!」

上条「……俺の親だから、な?」

麦野「……うん」

刀夜「えっと、そちらが紹介したいって言ってたお嬢さんか?」

麦野「初めまして上条刀夜さん、詩菜さん。麦野沈利です」

詩菜「これはご丁寧にありがとうございます」

刀夜「そっかぁ、お前もなぁ。そういう歳になったんだなぁ、うん」

上条「この歳で頭を撫でるのはやめろよっ!」

麦野「……ふふ」

詩菜「ね、麦野さん?それとも沈利ちゃんって呼んだ方が良いかしらね?」

麦野「は、はいっ、宜しければ、沈利で……」

詩菜「私の事も『お義母さん』で構いませんからね?」

麦野「はい、宜しくお願いします、お義母さん」

刀夜「おっ、母さんばかりズルいぞー?私もこんな綺麗なお嬢さんに『お義父さん』って呼んでほし――」 ガシッ

詩菜「あらあら、刀夜さんったら昼間なのに、寝ぼけているのかしらね?」

刀夜「や、やだなぁ私には詩菜さんだけだってば!」

麦野「(力関係把握っと。親子揃って尻に敷かれるタイプね)」

上条「(まあ大体こんな感じだよ、ウチは)」

上条「兎に角立ち話もなんだからさ。ちょっと場所変えよっか」

フレンダ「(動いた訳っ)」

滝壺「(わたしの能力からは、逃げられない……!)」

絹旗「(超有効活用してませんからね、それ)」

613: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:45:16.14 ID:CXwsA7Lf0
――いつもの喫茶店 個室

店員「ご注文以上で宜しいでしょうか?ではごゆっくりどうぞー」

麦野「はい、ありがとうございます」

詩菜「ありがとうございます」

フレンダ「(ど、どう聞こえる?)」

絹旗「(何とか――ってか隣室借り切るなんて超やり過ぎですよ)」

滝壺「(盗聴器、しこめばよかった……)」

刀夜「良いお店だよね。沈利さんも当麻とよくここへ?」

麦野「はい。と言いますか出会ったのがこのお店ですから」

詩菜「当麻さんも隅に置けませんね。ナンパですか?」

上条「違うよっ!」

麦野「ではありませんが、私や友達が困っていた所を助けて貰って、その後――はい」

刀夜「そっかー、父さん達もそんな感じだったっけなー」

詩菜「懐かしいですわねー、あなた」

上条「――で、なんだけど、父さん母さん、報告しなきゃいけない事があるんだっ!」

刀夜「……聞こう」

詩菜「続けて、ね?」

上条「その、沈利とは付き合って半年ぐらいなんだけど、子供が出来たんだ」

刀夜「」

詩菜「……そう、なの」

麦野「はいっ」

上条「だからそのっ、俺達結婚したいって!」

刀夜「――バカヤロウっ!」

上条「――っ!」

フレンダ「(ジャパニーズガンコ親父きーーーたーーーっ!)」

絹旗「(なんでこじれるのが超嬉しいんですか?)」

滝壺「(まぁ、初恋の相手だから、いろいろと、複雑)」

刀夜「はいそうですか、なんて言える訳ないだろうが!歯を食いしばれ、当麻っ、父さんはお前をそんな子に育てた覚えはな――」

麦野 バスッ!(刀夜に腹パン)

刀夜「げふっ!?」

フレンダ「(手ぇ出しやがったーーーーーーっ!?)」

滝壺「(ナイス腹パン……っ!)」 グッ

絹旗「(いえ、超喜んでいる場合じゃないかと)」 ワクワク

フレンダ「(あれ今ワクワクって聞こえたような?)」

614: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:46:26.02 ID:CXwsA7Lf0
上条「ちょっ!?」

麦野「すいませんが、当麻さんを傷つける相手は容赦出来ませんので」

詩菜「沈利ちゃん……」

麦野「産みたい、と言ったのは私です。当麻さんに責任はありませんっ!」

上条「沈利……違うぞっ!俺だって責任が――いや、取りたいんだよ!」

上条「だから二人が反対してもっ、俺達は一緒になるからなっ!」

刀夜「……だ、だかな。当麻はまだ未成年だ。沈利さんだって、そんなに変わらないんだろう?」

刀夜「君だけでなく、君のご両親の手前もあるし、私達だけで結論を出して良い問題じゃない!」

上条「けどなっ!」

詩菜「あー、もう刀夜さんも当麻さんも熱くならないで下さいね?」

上条「でも母さんっ!」

詩菜「この問題、結論はもう出て居るんでしょう?」

刀夜「どういう事かな、母さん」

詩菜「私達に報告する、って事は――何があっても、二人は一緒になるつもりなのよね?」

上条「あぁ」

麦野「はい」

詩菜「だったら私達に出来る事は、まだ未熟な二人を精いっぱい応援してあげる事。違うかしら、刀夜さん?」

上条「……父さんっ」

麦野「……お義父さん、願いしますっ!

刀夜「……」

刀夜「……分かったよ。私が悪者みたいじゃないか」

上条「……ありがとう」

刀夜「子の幸せを願わない親なんて居ないさ」

詩菜「格好良かったですよ、刀夜さん」

フレンダ「(えーーー、あっから立ち直したのー?)」

絹旗「(もうちょっと色々揉めた後、わたし達が乱入して涙ながらに超語るんでは?)」

滝壺「(今はしなくて良い……今は)」

615: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:47:25.64 ID:CXwsA7Lf0
詩菜「――すると沈利ちゃんは今大学生なのね?」

麦野「資格は持っていますので、どちらかと言えば研究職ですね」

刀夜「聞きにくいんだが、先立つものは大丈夫なのかな?あぁいや、責めている訳じゃないよ?」

刀夜「もし心配なようなら、ウチ――当麻の実家である私達の所で出産する、って手もあるし」

詩菜「私がお世話になった先生もお元気でらっしゃいますしね」

麦野「あ、いえそこまでご面倒をおかけする訳にはっ!」

麦野「その、私もそれなりの立場にありますので、そういった心配は、ですね」

上条「えっと、学園都市の序列って知ってる?」

詩菜「えぇ確かに有益な人材をランク付けしている、って聞きますよね」

上条「沈利は第四位。230万人の中で上から数えて四人目なんだ」

刀夜「それは凄いのかい?」

麦野「あの、これぐらいが収入でして」

刀夜「……凄いなあ。私と年収同じぐらいだよ」

詩菜「まだお若いのに……」

麦野「その、年収ではないんですよっ」

刀夜「そ、そうだよね?今までの貯金合わせないと、とても行かないよね?」

詩菜「でもこつこつ貯めてここまでは凄いですよね」

麦野「月収、なんですが……」

刀夜「」

詩菜「」

上条「……うん。二人の気持ちはよーく分かるぞ」

麦野「貯金も何年か分は貯めていますし、金銭的な意味での問題はありません」

フレンダ「(ちっ、これだから金持ちはっ!)」

絹旗「(残念、あなたとは意見が超違います)」

滝壺「(がんばれ、ふれんだ)」

フレンダ「(……見ないでっ!?優しい目であたしを見ないでっ!?)」

616: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:48:19.46 ID:CXwsA7Lf0
刀夜「……まぁ沈利さんが凄いのは分かった。当麻も良い人見つけたんだなー」

詩菜「沈利ちゃん、当麻さんに騙されてないの?言っちゃ何ですけどヘタレですよ?」

上条「息子に対する言いぐさじゃねぇからなっ!?」

麦野「あぁいえそんな事はっ!」

麦野「当麻さんは私を助けて下さった恩人です!それだけじゃなくって――」

麦野「まともな生き方を教えてくれた、大切な人、ですからっ」

麦野「だからもし、私が騙されていたとしても、別に構いませんっ!」

上条「うん、いい話なんだけど。沈利の言い方もどうかと思うんだ、俺」

麦野「刀夜さん、さっきはすいませんでした。でもっ、あなたのお子さんは多くの人を助けていますっ!大勢の命をですっ!」

麦野「だからっ、決してあなた達の教えが間違っていた訳じゃないんです!」

詩菜「……刀夜さん」

刀夜「すまないな、当麻。理由も聞かずに殴ろうとして」

上条「……良いって。俺が父さんだったら、多分同じ事をしてたと思うよ」

詩菜「ね、沈利さん。そっくりでしょう、あの二人」

麦野「家族、なんですね。羨ましい」

詩菜「何言ってるんですか、もうすぐあなたも家族になるんですよ」

麦野「……はい、ありがとうございます」 グスッ

617: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:49:31.44 ID:CXwsA7Lf0
刀夜「それでだ。出産に関しての問題は解決したけど、沈利さんのご両親はどうなのかな?」

詩菜「私達に話が来ている、って事はまだ?」

麦野「私は……その、能力が幼い頃から発現していたため、あまり親とは馴染めませんでした」

麦野「実際、最後に会ったのは私を学園都市へ預けたその日で、以来連絡を取っていません」

麦野「なので今回も――」

刀夜「……沈利さんの家のご事情もあるだろうし、私らは強い事は言えない。けどね」

刀夜「でも出来れば、一度で良いから連絡をしてくれないかな?」

麦野「ですがっ!」

刀夜「君は捨てられた、そう思ったんだね?」

麦野「――っ!?」

刀夜「辛かったんだろう。それこそ全てを恨まずには居られないぐらいに」

刀夜「だから多分荒れて――その関係で当麻と出会ったのかな」

麦野「……はい」

刀夜「そうでもなきゃ、ウチのバカ息子が沈利さんみたいな人に出会える訳がないよ」

上条「余計な事言うなっ。その通りだけども」

618: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:50:45.61 ID:CXwsA7Lf0
刀夜「でもね。親だって同じなんだよ。君を捨てたと思っている筈だ。その事で自分を責めているよ」

麦野「それはっ!」

刀夜「今から私は卑怯な言い方をするよ。当麻も沈利さんも、気に入らなかったら殴ってくれても構わない」

上条「……」

麦野「……」

刀夜「君は当麻に助けられたんだよね?つまり君は助けられた側だ」

麦野「はい」

刀夜「――だったらさ、今度は君が助ける側になってくれないかな?」

麦野「!」

上条「沈利」

刀夜「君は――君達はもう一人じゃない。大人して生きて自立して、生きて行く事を選んだんだ。だから色々なものに責任がある」

刀夜「それは産まれてくる子供だけじゃなく、その他のものにだってそうだよ」

刀夜「あくまでもそれは、私からのお願いだけどね」

詩菜「私からもお願いします」

上条「母さん」

詩菜「子の幸せを願わない親なんて居ません。いえ、中にはそういう人だって――『親なのに親じゃない』って人も居るわ。でもね――」

詩菜「沈利ちゃんは、違うわ。こんな良い娘のご両親が、そんな事は有り得ないでしょう」

麦野「はいっ、はい……」-ポロポロ

上条「ん。俺も一緒だから。どうなっても、ずっと」

麦野「……うんっ」

フレンダ「(……はぁ)」

絹旗「……」 グスッ

滝壺 ナデナデ

619: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:51:45.31 ID:CXwsA7Lf0
――23学区 16時 搭乗ゲート

上条「……泊らなくて、良かったの?」

刀夜「充分だよ。お前が充分以上に立派になってて安心した」

刀夜「子供はまぁ……フライングだけど、責任を取るってので及第点だよ」

詩菜「沈利ちゃんも、いつでも電話してきて良いんだからね?用事がなくたって別に構わないのよ?」

麦野「えぇ、ありがとうございます」

刀夜「んじゃそろそろ行くな」

詩菜「またすぐに会うとは思うけど、お体に気をつけてね」

麦野「はいっ」

上条「……な、沈利」

麦野「うん?」

上条「俺、お前に見本見せるから」

麦野「何の?」

上条「親との、和解の仕方ってやつ」

麦野「お、おい」

上条「父さんっ母さんっ!」

刀夜「どーしたとーま?」

詩菜「……刀夜さん」

上条「俺、俺さっ!生まれてきてから色々あったよっ!不幸だとかっ!不運だとかっ!」

上条「でも最近こうも思うんだっ!」

上条「父さんと母さんの子供に生んでくれて、ありがとうっ!」

刀夜「……」

詩菜「……」

上条「俺は学園都市に来て良かった、そう思ってる!」

詩菜「……当麻さん」

刀夜「……そうか。良かったなぁっ、当麻っ!」

上条「ああっ!」

麦野「……」

620: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:54:02.87 ID:CXwsA7Lf0
――同学区 同時刻

絹旗「よーし、超感動のシーンゲットしましたっ!」

フレンダ「いや、あれをムービー録画するってのはどうかと思う訳」

絹旗「何言ってるんですかっ!結婚式で超流して会場の爆笑を取るに決まってるでしょう!」

フレンダ「あー……テントウムシのサン○?あれ歌う準備もしなきゃいけないの?」

滝壺「めんどー……」

フレンダ「人の幸せ見せつけられて、お腹いっぱいな訳―」

麦野「そっかぁ、だったらちょぉぉぉぉぉぉっと削ぎ落としちゃおっかなー?」

フレンダ・絹旗・滝壺「」

麦野「朝っからなーんか楽しそうなお話ししているわよねぇ?アタシにも混ぜてくれないかにゃーーーんっ?」

絹旗「ち、違うんです麦野っ!これはフレンダがっ!」

フレンダ「あたしっ!?」

滝壺「ふれんだのせい、うん」

フレンダ「多数決であたしの責任なのっ!?」

麦野「まぁ絹旗にはバカ二人見張るよう、しっかり言いつけてあった筈だし、連帯責任で良いわよねぇ?」

麦野「よーし逃げろメスガキどもっ!アタシに捕まったらペナルティよっ!」

フレンダ「ぐ、具体的には?」

麦野「ま、一本で良いかしらね」

フレンダ「みんな逃げてーーーーーっ!?」

621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:55:33.21 ID:CXwsA7Lf0
上条「……何やってんの?鬼ごっこ?」

麦野「冗談よ。お義父さんとお義母さんは?」

上条「ん、二人とも号泣しながら帰ってったよ」

麦野「……そっか」

上条「俺、麦野の実家まで行こうか?」

麦野「んー……電話で話してみて大丈夫そうだったら、まぁ?」

上条「焦らなくて良いと思う。何年も会ってないんだったら、その分だけ時間がかかってもおかしくないだろうし」

麦野「ダメ、だったらさ」

麦野「慰めて、くれるんでしょ?」

上条「当然」

麦野「だったらまぁ、頑張ってみよっかな」

622: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:56:40.57 ID:CXwsA7Lf0
――???

麦野「『あ、もしもし私――うん、沈利』」

麦野「『母さん、よね?――うん、元気だった?』

麦野「『そうじゃないわよっ!こう見えても第四位――知ってる、の?学外には情報は出てない筈だけど』」

麦野「『来て、たの?学園都市までっ!?』」

麦野「『……』」

麦野「『……学校には、能力開発ばかりで行ってないから、うん』」

麦野「『……』」

麦野「『思ってないわよっ!そんな事っ!思う訳が――』」

麦野「『……ごめん、アタシ思ってた』」

麦野「『ずっと、パパとママに捨てられたんだ、って』」

麦野「『覚えてる?お誕生日に貰った――うん、クマのあの子』」

麦野「『ずっと二人だけでやって来たんだよ』」

麦野「『……でも、さ。最近好きな人が出来て、ね』」

麦野「『その人から助けて貰って――うん、大事な、人よ』」

麦野「『とても幸せにして貰って、この間も向こうのご両親にご挨拶してさ』」

麦野「『その人がやってるの見て、アタシも言わなくちゃいけないって』」

麦野「『アタシを生んでくれて、ありがとう』」

麦野「『アタシを愛してくれてありがとう』」

麦野「『アタシっ、パパとママの娘に、生まれてっ、本当に良かった……!』」

麦野「『ううんっ!アタシが悪いのよっ!子供で、バカだったから!』」

麦野「『……』」

623: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:57:49.19 ID:CXwsA7Lf0
麦野「『でも、でもね。そんな事をしてきたから、今は胸を張って言えるわ』」

麦野「『――アタシ今、幸せだって』」

麦野「『……うん。近い内に――』」

麦野「『今週っ!?幾ら何でも――』」

麦野「『わかった、けど』」

麦野「『多分パパに殴られると思うけど』」

麦野「『……』」

麦野「『そうよ。意外と驚かない、のね?』」

麦野「『……』」

麦野「『ママも同じだったのっ!?』」

麦野「『あー……今から考えると年の差もアレだよね』」

麦野「『向こうのご両親も……うん、了解は得ているから』」

麦野「『一度顔合わせ……あー、まぁ、必要だけども!』」

麦野「『……日取りは向こうも……うん、電話しておくわね』」

麦野「『はい。じゃまた。ね――』」

624: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:58:53.23 ID:CXwsA7Lf0
――第23学区 学園都市内空港 12時

上条「……どうしよう、何か緊張しすぎで倒れそう」

麦野「がんばれー、私の旦那さまー」

上条「メッチャ余裕ですね、麦野さん」

麦野「そりゃもう頑張るのは私じゃないですし」

麦野「ほらほら、根性見せろよ『幻想殺し』」

上条「能力ネタを振られても、テンパり過ぎて碌に返せないっ!」

麦野「……ま、気にしなくても良いと思うけど。私の親なんだし」

上条「だってお前の親父さん怖そうだしっ!」

麦野「怖いわよー、とっても。撃たれるかも知れないわね」

上条「無意味に怖がらせるの止めてくれないかなっ!?あと物理的な暴力は俺の専門じゃないっ!」

麦野「ダメよ。反対されたら命に関わるでしょ?」

上条「命の危険性まであるのかよっ」

麦野「私がキレない理由はないわね」

上条「命危ないのってお前の両親の方なのっ!?」

麦野「お義父さんにも早速手を上げたしね」

上条「……いやまぁ、助かったけどあそこで腹パンってどうなのさ?今更だけども」

麦野「脊髄反射で殺さなかった分、誉めてくれても良いと思うけど」

上条「それもちょっと直そうぜ?お前は俺を大事にし過ぎるっ!」

625: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/14(火) 10:59:55.23 ID:CXwsA7Lf0
麦野「あー来たわね。あれ」

上条「うっわー……似てない上にものっそいヤクザ的な感じじゃないですかー」

麦野「良し行けっ!男を見せろっ!」

上条「お、おうっ!任せろっ!」

男「……」

上条「すいませんっ!」

男「……はい?」

上条「麦野さん、娘さんを俺に下さいっ!」

男「はぁっ?」

上条「俺は確かに未熟者者だって分かってます!でも、沈利さんを愛してしているんですっ!」

上条「その気持ちなら誰にだって負けませんっ!一生幸せにしますからっ!」

男「えっと……頭を、上げてくれませんか?」

上条「じゃあ、麦野さんっ!認めてくれるんですねっ!」

男「あ、いえ、私は麦野じゃありません。人違いです」

上条「」

麦野 ピッ、ピロリロリーン

麦野「ムービー保存、っと」

上条「何やってんのおおおっ!?つーか何させてんだよおおおっ!?」

626: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 12:43:40.95 ID:0pHTR/jO0
規制ぇ…

627: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 12:47:27.29 ID:mMl/Xh/8o
規制じゃないだろ

628: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 17:00:13.17 ID:f0ktruBr0
上条×アイテムよりも俺×アイテムの方がいいだろうがJK

629: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 17:01:56.02 ID:7GAOIrIUo
>>628
とりあえず死ね

630: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 17:05:38.89 ID:mODTYezHo
>>628
失せろks

631: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 17:18:17.44 ID:ihZAylu40
乙はする。ただし絹旗は渡せん。繰り返す、乙はする。ただし絹旗は渡せん

632: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 18:29:44.24 ID:f0ktruBr0
>>629>>6230
うるせーよ、お前らが死んどけよksが。大体二次創作はオリ主×原作ヒロインって決まってんだろうが。

カス条とか原作で良い思いしてんだから、二次じゃ大人しく噛ませ犬にでもなってろってんだ

633: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 18:34:40.46 ID:/t1Ep2G/o
大体二次創作はオリ主×原作ヒロインって決まってんだろうが。キリッ 決まってんだろうがキリッ wwwwwwwww 
決まってるわけねーだろアホか

634: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 18:35:38.94 ID:7GAOIrIUo
安定のNG

気に入らないなら見るなクズ
死んどけ
もしくは自分で書け

635: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 18:39:00.03 ID:mODTYezHo
>>632
レス付けるのは構わんが
安価ぐらいまともにうてるようになってくれ

636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 18:39:56.78 ID:7GAOIrIUo
6230wwwwww
小学生乙www

637: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 19:19:02.90 ID:/WMm7dhDO
>>632
オリ主×原作ヒロインとか下手したら単なる自己投影じゃないですかやだー

638: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 19:23:34.59 ID:f0ktruBr0
>>636>>637
揚げ足取ってんじゃねーよクズが。
そもそもカス条は穀潰しシスターがいるのに、何美琴やら五和やらオルソラやらねーちんやらにフラグ建ててんだよ?ニートシスターがいるんだから、他のヒロインはオリ主の物になってもいいだろうがよ

639: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 19:26:53.40 ID:1/rKqXXvo
オリジナル主人公とかキモッ…
嫌なら見なければ良いじゃん
書きもしないで文句垂れてんじゃねぇよ社会不適合者

640: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 19:31:59.18 ID:gxUFMyi2o
ただ自己投影したいだけの童貞でしょ?気持ち悪い 文句あるなら見るんじゃねぇよ

641: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 20:24:19.38 ID:pP8SKqjho
昼間に投下があって、夜もまた投下してくれたのかと思ったら…
そんなに気に入らないなら自分で書いたらどうなの?
書いて、それが面白ければお前の持論が認められるわけだし

まぁ俺は読まないけど

642: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 20:25:02.45 ID:RE8FevBJ0
オリ主とかキモ過ぎるww

お前がどうやったってヒロインに好かれるわけねーし

643: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/15(水) 20:27:17.29 ID:/t1Ep2G/o
お前みたいな一円玉ブサイクがヒロインに好かれるわけ無いだろ そんな事もわからんのか 文句あるならてめぇでSS書け そして人のSS見るな

644: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 02:34:11.30 ID:XRDTETuw0
おいおい皆。
気持ちはまぁ分るが、>>1が頑張って書いてくれたんだから、感想の一つでも言ってあげた方が>>1も喜ぶと思うぞ。



エロシーンも書いてくれるなんて感激だわ。大変だと思うけど他のも頑張ってくれ。次のも読まさせていただきますん。

645: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 04:13:04.15 ID:q3oEe3lb0
行儀の悪ィ連中だなァ

646: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 04:25:46.99 ID:sL2EPonDO
>>638
オリ主×ヒロインがSSで当たり前そう考えるならお前×ヒロインのSSでもチラ裏に書いてろ
書けないなら文句言うなそしてそっ閉じするなり一生ROMしてろ

647: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 05:56:54.71 ID:nLijOmLbo
>>638

648: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 05:58:33.47 ID:nLijOmLbo
すまん上のは誤爆。
>>638はついには原作にまで難癖つけ始めたか・・・
いっちー、面白いからこれからもガンバレー

649: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 07:35:29.05 ID:Gh0rCoZC0
きめぇのがわいてるな
オリ主×ヒロインなんざ、どっかその辺で書いてろKs
まさに「いやなら見るな」だな

650: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:17:00.96 ID:a32gupSJ0
テスト

651: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:20:01.36 ID:a32gupSJ0


>>1ですが、投下してたら急にアクセス出来なくなりました。続き行きます


652: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:20:53.12 ID:a32gupSJ0
麦野「あーごめんごめん。暫く会ってないから、間違えちゃったみたいね」

上条「今、思いっきりムービー撮ってたよね?明らかに計画的犯行だよなっ!?」

麦野「あー、ごめんごめん。肩に力入ってるから、つい、ね?」

上条「いーやっ今日は怒ったよ。流石の俺も限度ってものが――」

麦野「(大家さんプレイ一回)」 ボソッ

上条「昔の事に拘るのは良くないよねっ!うんっ」

麦野「って言うか、あなたも悪いのよ?私を置いて一人で行くんだから」

上条「ケジメをつけるのは大切だろ?」

麦野「否定はしないけど、二人でやれば良いんじゃない?それだけの話」

上条「まぁ……そうだけど」

麦野「あの日、あなたが私を救ってくれてから、私はずっとあなたのモノだから」

麦野「捨てたりしたら、許さないからね?」

上条「……うん。手放すつもりはないよ」

麦野「その、さ。ありがとう、色々と」

上条「沈利?」

麦野「もしどこで一つ歯車が違っていたら、こうはならなかったわね」

麦野「誰かの都合で不幸せになったり、バカの引き立て役で死にそうになったり。そんな未来もあったかも知れない」

上条は「それは……仮定の話だろう。少なくとも俺達はこうやって出会って、今一緒に居るんだから」

麦野「うん。そう、よね」

上条「悪い夢を見たのならば、早く目が覚めるように祈ればいい」

上条「こっちには俺だけじゃない。絹旗、フレンダ、滝壺……みんな、沈利の味方だよ」

麦野「でもっ、でももしこれが夢でっ、目が覚めたらベッドに一人だったら、アタシっ!」

653: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:21:46.74 ID:a32gupSJ0
上条「『胡蝶の夢』だっけ?俺達が現実だと思っている事は現実じゃない、って」

上条「でもあれは、どっちであっても変わらないと思うんだよ」

麦野「どういう意味?」

上条「蝶々だったとしても、上条当麻だったとしてもやる事は変わらないよ」

上条「自分の役割を、自分に出来る事をする。どっちの世界であろうとも、な」

上条「悪い夢の中だろうが、良い夢に変えればいい。現状を嘆いて自分探しをするより、そっちの方がずっとマシだろ」

麦野「……かも、知れないわね」

上条「納得は出来ない?」

麦野「ま、やるだけやってみるわ。黙って見てるのも性分じゃないしね」

上条「沈利らしいけどさ」

麦野「――あ、来たみたい」

上条「あの二人?」

麦野「うん、絶対ね。絶対にあの二人よ、絶対だからねっ!」

上条「悪いフラグ立てるの止めろよおっ!?空港で一日三土下座はしたくねぇんだからなっ!」

麦野「いやいや、似ているでしょ私と」

上条「あー、確かに似てるなぁ。よっし!」

麦野「行きましょうか、これからは二人で――ずっと、ね」

――『麦野アフター』 -終-

654: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:23:46.89 ID:a32gupSJ0
お疲れ様で御座います。>>1ではありません代理です
唐突ですがアンケートを取りたいと思いますので、宜しければ是非ご協力下さい。期限は本日より大体二週間程度とさせて頂きますのでご了承下さいませ

Q.アフターどっちが良かった?
1.普通のアフターの方がいい(エロいと引くし)
2.“ある意味”アフターでいい(実質ラヴコメだし、そもそも引く程エロくはないし)
3.つーか田中と上司って別人なんだから、両方書けばいいんじゃね?(や、やろめよっ!負担がハンパないんだから絶対にやめろよっ!絶対だからなっ!)
4.その他(1を指示するけど滝壺さんは浜面さんのだからヤメテあげて、とか)

あくまでも参考にするのであり、人数が多ければ確定という訳ではありませんので――と、以前書いた割にアフター全部が既成事実化してしまいましたが、まぁ気軽にお書き込み頂ければ

ともあれ本日は以上です。回り車(ハムスターホイール)から滑落して腸捻転になった>>1に代わりまして、上司(ゴールデン)がお届け致しました
ではまたこのスレでお会い出来れば幸いです

655: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:25:02.48 ID:a32gupSJ0
※注意!
以下の内容には若干の性表現がありますので、18歳未満の閲覧は禁止とさせて頂きます
また同描写があるのは例外なく全員18歳以上である事も付記致します
地の文書いてないからエッチぃくはないですが、まぁそれっぽい雰囲気が伝われば幸いです

656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:26:50.81 ID:a32gupSJ0
>>655
ごめん誤爆りました。無視してください。本日の投下は以上です

657: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:34:06.04 ID:twZt9BlW0
乙ー!!
自分としては2ですな。

658: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:36:59.53 ID:YKd59dr6o
3だ 残りのフレンダ(フレメア)絹旗 滝壺 全員3
別人なんだろ?

659: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:37:26.26 ID:YKd59dr6o
別人なんだろ? なら無問題だよな

660: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:38:12.01 ID:aG5KV5Ks0
1がいい
エロよりいちゃコメ見たいから

661: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:39:40.56 ID:a32gupSJ0
やっぱ訂正。時間がちょっと余ったんで、お蔵入りにした>>555の続きを投下します
>>657-658
エロ書くのって昔エ○ゲの外注貰って以来だから、自信ないんですよね

662: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:40:19.67 ID:a32gupSJ0
――もっとやれ一回目

上条「……」

上条「あ、あれ?」

円周「どうしたの、当麻お兄ちゃん?」 ガンガンガンゴンガンガンッ(出入り口の鍵を壊して中から板を打ち付ける)

上条「夢、なんだよな、これ。だからこう、ぎゃーってすれば、場面切り替わるって話なんだよ……ね?」

円周「やだなぁ当麻お兄ちゃん、だってこれ『上条「今日から木原一族になった上条です!」』なんでしょ?」

上条「極めて不本意ではあるが、多分」

円周「だったら当麻お兄ちゃんが『木原』になるまでは終わらないんじゃないかな?」

上条「助けてー!?人体改造は嫌だああぁっ!?」

円周「うん、うん、病理おばさん!流石にその道のプロだよね!」

上条「この娘空気さんと会話しやがってるし!」

円周「『上条』から『木原』にするためには、婿養子が一番だよね?」

上条「ま、待てっ!?見せつけるように伝染しまくったタイツを脱ぐなっ!?」

円周「ううん、乱数おじさん。世の中にはそう言うのでしか欲情しない人も居るんだって!」

上条「俺は違うって!つーか解放してっ!?」

663: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:41:03.08 ID:a32gupSJ0
――もっとやれ二回目

上条「……」

上条「終わんねぇよ!なんで終わらねぇんだよっ!?」

円周「はーい、当麻お兄ちゃーん、あーんしてー?」

上条「ち、近いっ!顔近――んぐっ!?」

円周「ちゅっ……あむ、ちゅ、ちゅうっっ、ふぷっ、んぐ――」

上条(舌っ!?舌入って来て――甘っ)

上条「むーーっ、むぐーーーっ、んんんんんんんっ!?」

円周「じゅっ、じゅっ、んぷ、ぱぁ、んっんっんっ、ちゅっ」

円周「――ぷはぁっ。ね?私達キスしちゃったね?」 テレテレ

円周「私、初めてだったんだよ?当麻お兄ちゃんもそうだといいなっ」

上条「そんないい話じゃないよ!?ってか最初からフルスロットルだよ!ぶっちゃけコレルール無用の逆レイ×だよな!?」

円周「でもこれ他の『木原』だったらこうするって事だから、私悪くないんじゃないかな?」

上条「待って!?普通はここまでしないんじゃないのっ!?放送出来ないしっ!?」

円周「あ、当麻お兄ちゃん、口の端ヨダレついてる。れろっ」

上条「って言いながらパンツ脱がすのやめっ、止めろおおっ!?」

664: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:41:45.72 ID:a32gupSJ0
――もっとやれ三回目

上条「……」

上条「ってまだかっ!?まだお前らは俺を痛めつけたいのかっ!?」

円周「うん、うん、そうだよね、青ピお兄ちゃん!『木原』ならこうするよね!」

上条「それお前の身内じゃねぇぞ!?壊れっぷりは同じレベルだけど!密かに伏線じゃねぇかって疑ってるけども!」

円周「あ、でもほら、下条さんがこんにちはしてるよー?」

上条「その子は節操がないからねっ!ホントにごめんなさいよっ!」

円周「あ……」 ジーッ

円周「えーと、そのね?」

上条「やめてお願いだから助けてっ!?右手なら切り落としていいからっ!?」

円周「やだ、下にも『幻想殺し』……」

上条「どういう意味だよ!?幻想じゃないよっ!?実物だからねっ!」

円周「うん、うん、わかったよ。『木原』ならこうするんだよねっ!」

上条「ふざけんなお前っ!つーかお前それは玩具じゃな――」

円周「――ちゅっ」

上条「」

円周「ちゅっ、ぢゅっ、んーんっ、はふっ、ちゅちゅっ、あぁむ、れろっ」

円周「また大きくなった。当麻お兄ちゃん、私でも感じてくれてるんだよね?」

上条「」

円周「やめよっか?やめてもいーんだよっ?私、当麻お兄ちゃんに嫌われたくないし」

円周「こんなとき、『木原』ならどうするんだっけ?」

665: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:42:30.77 ID:a32gupSJ0
――もっとやれ四回目

円周「うん、うん、わかったよ!『木原』なら続けるんだよねっ」

円周「んーちゅっ」

円周「れろ、んっ、くぷっ、ちゅぷっ、くぷっ、じゅっ、じゅ」

円周「ぁんっ、れろっ、んっんっんっ、はふ、んぷっんくっ、じゅっ」

円周「ぢゅるっ、ちゅぷっ、くぷっ、じゅるるるっ、あん、ぱぁ、じゅぅぅぅぅっ」

円周「――んんーっ、ぷはぁっ。あー、口疲れた」

上条「……えっと、その、止めないか?」

円周「当麻お兄ちゃん、気持ちよくなかった?ぺろぺろもっとした方が良いのかな?」

円周 チラッ

円周「なんか、さっきより大きくな――」

上条「熱膨張じゃないかなっ!?ほらっ、この部屋暖かいからねっ!?」

円周「うーん、そだね?暑いよね?」

上条「う、うんだから――」

円周「はい、脱ぎ脱ぎしましょーね?」

上条「お前ほんっとにいい加減にしやがれよっ!?」

666: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:43:14.39 ID:a32gupSJ0
――もっとやれ五回目。『円周』ルート確定

上条「」

上条「え?嘘だろ、マジで?最後まで行くの?」

上条「マズいマズいマズイっ!?非存在少年なんちゃらで捕まるしっ!?」

円周「え、何言ってるの当麻お兄ちゃん。私はお兄ちゃんの指を執拗にぺろぺろしてただけだよ?」

円周「エッチだと思う方がエッチなんじゃないかなぁ」

上条「良い事言ったっ!今君は大変良い事を言いましたっ!」

上条「このSSには性的な表現なんか一切含まれてなんか無いんだからねっ!」

円周「うん、うん、そうだね!こんなとき『木原』ならこう言うんだよねっ」

上条「嫌な予感しかねぇなぁその前フリっ!」

円周「今日、大丈夫な日だから」

上条「信頼の欠片も無ぇし――って!?」

円周「くっ!?――う、ううっ!?」

上条「お、おいお前っ」

円周「つっーーくぅっ!?……っっっったぁ!」

上条「……お前、泣いて?」

円周「痛いけど、私――じゃなかった、『木原』ならこんなとき、言うんだよね」

円周「『木原』ならしおらしい事言って、相手を、騙せ、って」

円周「『木原』なら、そうするって……」

667: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:43:51.56 ID:a32gupSJ0
上条「……えっと、お前。名前、なんだっけ」

円周「円周、円と周囲って漢字、だよっ」

上条「円周、なんでこんな事、したんだ?」

円周「『木原』だからっ!私はそれ以外の生き方なんて知らないっ!」

円周「だからっ、『木原』だからっ!『木原』ならっ!『木原』であればっ――」

上条「……俺は、お前の生き方は肯定出来ない」

円周「んっ!?……うん『当麻お兄ちゃん』なら、そう言うよね」

上条「だから――『木原』なんて捨てちまえっ!」

円周「無理だよっ!私、私にはこれしかな――」

上条「お前は今日から『上条』になればいい」

円周「……あ」

上条「つーか女の子はどっちにしろ、一回名字は変わるもんだ。なら『上条円周』でいいじゃねぇか!」

円周「……」

上条「俺と一緒に、行こう……?」

円周「……うん」

上条「じゃ、これを解いて――って、くっ!?」

円周「……ううん、これは、おれい、だから、ったぁ!?」

上条「オイ馬鹿止めろっ!」

円周「ううんっ、初めてだからっ、お兄ちゃんにっ、上げたいっ、のっ」

円周「お兄ちゃんっ、大好きっ、すきっ、すきっ、すきっ、すきっ、すきっ」

上条「円周っ、ごめん!俺、そろそろっ!」

円周「ぅんっ、私もっ、私もっ!」

上条・円周「くううううぅっ!?」

……

668: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:44:51.93 ID:DLYQbpcuo
>>661
エロゲの外注!?
>>1の職業はなんなんだ…

669: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:49:19.45 ID:a32gupSJ0
上条「あー……こっちのドア壊れてんなぁ」

円周「当麻お兄ちゃん、このドアなんだったの?」

上条「いや、俺も良く分からないけどさ。まぁ帰ろうか?」

上条(『上条「今日から木原一族になった上条です!」』……この娘だけだったら、まぁアリっちゃアリかもな?)

円周「うんっ、あ、でももう一つだけ嘘吐いてたんだ、ごめんねっ?」

上条「いや逆レイ×よりもキッツイ事は早々無いけども。嘘って何?」

円周「今日、全然大丈夫な日じゃない、って事だよっ」

上条「」

円周「うん、うん。こんなとき『上条』ならこう言うんだよねっ!」

上条・円周「不幸、だあああああああああああああぁぁぁぁぁっ!?」

円周「あ、でも不妊で悩んでいるカップルも少なくないんだから、むしろぶち当たるのは幸運じゃないかな?」

上条「ウルセェよっ!その壊れたポジティブシンキングがウルセェっ!」

円周「やったねお兄ちゃん!『上条』が増えるよ!」

上条「その元ネタは最低の漫画だからなっ!?」


※以上、本日の投下は本当に最後となります。お付き合い頂き有り難う御座いました


あ、ちなみにオリ主もアリはアリたど思いますよ?でも『私の筆力で面白くさせる自信は無い』だけです
商業作品じゃあるまいし、また人様の二次創作なんですから『楽しくやろうぜ!』ってのが私の意見です
気に入らないスレならそっと閉じる、もしも見つからないのなら自分で書く、それが全てかと

あと、>>644さんは良い事言ってます。書き手としては良かれ悪しかれテンション上がりますから

670: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 11:52:49.70 ID:DLYQbpcuo
その通り。嫌なら見るな 自分で書け 以上終わり

あ、乙でした 次のヒロインも期待してます

671: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 14:18:52.02 ID:GpXIZfgsO
くぅ疲並に気持ち悪いの多いなぁ

672: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 14:19:19.65 ID:GpXIZfgsO
くぅ疲並に気持ち悪いの多いなぁ

673: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 14:26:41.67 ID:kq5N4godo
連投してます
焦りすぎ

674: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 16:29:24.04 ID:63Hj02mSo

もっとゆっくり投下してもいいのよ?

>>654
3…と言いたいところだけど上司さんの負担を考慮して1で

675: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 17:44:52.42 ID:sL2EPonDO
アンケート取ってたのは>>1なんだよな?
もし違ったら乗っ取り代理NGだが

676: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 17:54:21.72 ID:f4ZxbnP3o
>>675
IDと発言で理解できないのか

677: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 17:56:07.78 ID:hQh0zNCV0
できれば3。でも投下遅くなるんだったら1

678: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 18:51:13.60 ID:xcgoqvCXo

3だな

679: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 19:09:39.72 ID:gbKjmY34o
1と、上司と同僚と同期と先輩と後輩と…
あと、誰がいるんだ?

680: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 20:53:20.47 ID:Blzmogdj0
3しかないじゃんwww

681: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/16(木) 23:35:33.29 ID:2M/58mQ40
3希望だが、その時々の負担考慮して適宜ってことで

682: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 16:17:33.87 ID:+mw4wUEqo
なんかわけ分からんくなったからもういいや

683: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/17(金) 23:18:36.22 ID:QxgsvWfw0
乙。『上条さん×アイテム』のSSはやっぱりいいな。

すまん。3しか見えない。

684: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/18(土) 19:27:38.30 ID:w16j3g/w0
3に一票!


オリ主×原作キャラ見かけたら徹底的に荒らすって決めてるから気をつけるんだなキチガイww

685: 田中(ドワーフ) ◆7fp32j77iU 2013/05/21(火) 11:13:54.31 ID:HUPVLlcY0


――『アイテム』インターミッション ~バレンタインの出来事~
※エンディング0の後のお話
ご意見応募中の繋ぎで書いたのでアフターではありません


>>684
そういう不毛なのイクナイです
立ち位置的には私も荒らしさんも同じで、

1.あれ『アイテム』の女の子達、可哀想だお (´・ω・`)
2.でも原作だと幸せになれないお、特に麦野とフレンダ (´・ω・`)
3.だったらSSで幸せにすればいいんじゃね (`・ω・´)

と言う実に頭悪いコンボで出来たシロモノです
だもんで原作並びに並み居るSSが気に入らないというのであれば、煽り無しでSS書かれるのが宜しいかと存じます
私のような凡夫愚犀の駄文ですら喜んで下さる方も居ますし、取り敢えず始めなければどんな評価も頂けないかと
酷評されてもそれを直して修正すればいいだけですし、誉められたら励みにするだけの話

686: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:15:34.25 ID:HUPVLlcY0
――いつもの喫茶店 2月12日

絹旗「――それで、お二人はバレンタイン超どうするつもりですか?」

麦野「え?何よ突然」

滝壺 コクコク

絹旗「いえ上条に超なんかあげるのかなー、と」

麦野「い、いや超がつくようなモノはあげないけど。普通の物は、ねぇ滝壺?」

滝壺「うん、お世話になってるから……」

絹旗「です、よねー?超良かったー」

麦野「あんたも用意したの?」

絹旗「用意はまだですが、一応超送ろうかと。あ、勿論超義理チョコですよ?」

麦野「その言い方だと嫌々あげてるように聞こえるわね」

絹旗「イヤ、ではないんですが、超照れません?」

滝壺「わかる」

麦野「あー、確かにね。今更感があるって言うか」

絹旗「何かこう、距離感的に超詰めていいものかどうか、って感じもしますし」

麦野「まぁ、ね」

滝壺「だったら、みんなで贈る……?」

絹旗「成程、チョコじゃなくても構いませんしね」

麦野「悪くないけど。他に何にするのか、って話よね」

フレンダ「おっはろーーーっ!どったの?」

絹旗「あれ、一人ですか?」

フレンダ「あーうん、なんか第一位と遊びに行くって話してた訳」

麦野「まぁ好都合、かしらね?」

フレンダ「何の話何の話?」

絹旗「バレンタインの話ですね。フレンダは超どうするつもりだったんですか?」

フレンダ「あたし?そりゃフレメアとみんなにプレゼントしようと思ってる訳」

麦野「私達にも?」

滝壺「そういえば、去年ももらった……」

フレンダ「みんなからは一ヶ月経ってから返して貰ったけど、アレってなんか意味があったの?」

麦野「あー……フレンダ、日本のバレンタインを知らな――」

絹旗「でっすね!超その通りですよ!」

687: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:16:53.99 ID:HUPVLlcY0
滝壺「あ、またなんか……」

麦野「(おいこらアンタ変な事考えてるでしょ)」

絹旗「(超人聞き悪い事言わないで下さい。わたしはただフレンダの自主性を尊重したいだけです)」

滝壺「(そのこころは……?)」

絹旗「(ぶっちゃけライバル超一人減ります)」

麦野「(そうよねっ!フレンダの国の文化も尊重してあげなくちゃねっ!)」

滝壺「(文化は、大事……うん)」

フレンダ「あのー……流石にあたしも目の前で内緒話されると、気になるって訳なんですけど?」

絹旗「あー、はい。フレンダはそのままで超良いと思いますよ。家族と仲間を大切にするって、素敵な事じゃないですかっ」

フレンダ「そ、そうかな?そんなに大したもんじゃないけどっ」

麦野「良いと思うわよ。フレンダらしくてさ」

フレンダ「ちょっ、やめてよっ麦野まで!あたし別に勝手にやってるんであってさ」

滝壺「ふれんだ、わたしたち、親友」

フレンダ「滝壺まで……っ!」

麦野「――と、言う訳で色々ありましたがっ!」

麦野「今回はガチンコで行きましょう?正々堂々と」

絹旗「ですね。わたしも超本気を出す日がついに来ました!」

滝壺「νガンダ○は伊達じゃない、うん……!」

フレンダ「あ、あれ?どうしてあたしageだったのに、殺気立っているの?」

麦野「と言う訳で今日は解散にしましょう?あぁ、明日は忙しくなるでしょうから、緊急でもない限り集まりはナシって事で」

絹旗「でっすねー。色々と超準備しないとですしねー」

滝壺 コクコクッ

フレンダ「い、良いけどさ。みんなどうして超気合い入っている訳?」

絹旗「フレンダ」 ポン

フレンダ「な、なに?」

絹旗「時には、仲間だって超譲れない事もある。そう思いませんか?」

フレンダ「そりゃまぁないとは言わないけど」

麦野「よし、言質取ったわね!じゃ、解散っ」

フレンダ「いいけど……んー……?微妙にバフられている感が……んー?」

688: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:18:12.31 ID:HUPVLlcY0
――十分後

上条「おつかれー」

フレンダ「あれ、第一位と一緒じゃなかった訳?」

上条「打ち止めの服買いに行きたいから、付き合って欲しいって話だったんだけど」

フレンダ「あー、三人じゃ厳しいわよねー」

フレンダ「って言うかあんたら二人を連れて歩く、あの子の方が罰ゲームだからね?」

上条「構わないだろっ!……あ、いや厳しいか?」

フレンダ「兄妹にしちゃ雰囲気がアレだし、第一位は目立つって訳よね。特にあのっ美白が!!!」

上条「フレンダも白い方だとは思うけど。んで他のみんなは?」

フレンダ「んー?良く分からない訳、何か用事あるみたいだけど」

フレンダ「明日も何か緊急のお仕事以外はお休みだって」

上条「そっか……んじゃ頼めないよな。休みになったのは丁度良いけど」

上条「フレンダも忙しいのか?メシ奢ってくれるってから、付き合ってくれないかなー、なんて」

フレンダ「良いって訳よ。あ、でもいつ?今からとか?」

上条「出来れば明日が良いってさ」

フレンダ「あー、んじゃフレメアも呼んでいいかな?確か同じぐらいよね」

上条「ちょい待ち――『――あーうん、俺俺』」

フレンダ「『あいしてる、あっくん』」

上条「『言わねぇよっ!?……ごめんごめん!違うって!』」

フレンダ「そこだけ聞いてると恋人に言い訳してる絵に見える訳ー」

上条「『あー、ちょっと待ってな』――何時ぐらいが良いかな?」

フレンダ「九時半集合お昼までショッピング。後は遊園地でも行かない?」

上条「『――って言ってるんだけど。あ、うん。了解。んじゃまた明日なー』」

フレンダ「おっけ?」

上条「うん、オッケー。でも悪いな」

フレンダ「いーのいーの。元々明日はフレメアと遊ぶ約束してたって訳」

フレンダ「結局ご飯と遊園地ぐらいは奢ってくるんでしょ?」

上条「……まぁ、あいつ金持ちだし良いんじゃないかな?」

フレンダ「よっしっ!……あーでも服も買いたいし、どうしよっかなー」

上条「流石にそこまでタカるのは自制しとけ」

フレンダ「えー?……あ、嫉妬してるって訳?このこのーっ!」

上条「『もしもし、うん、服も買って欲しいって――フザケンナ?あーうんごめんごめん』」

フレンダ「即座に連絡取るぐらい肯定するのイヤかっ!?」

689: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:19:27.39 ID:HUPVLlcY0
――翌日の駅前 2月13日

フレメア「にゃあ!」

打ち止め「おこちゃまめっ!」

フレメア・打ち止め「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬっ!」

一方通行「……なンでこいつらケンカ腰になってンだ?」

上条「さぁ?」

フレンダ「見てないで止めなさいよっ!つーかどっちも変わらないし」

打ち止め「ミサカは一人で寝れるもん!ってミサカはミサカは自慢してみる!」

一方通行「お前昨日芳川ンとこ潜り込んでたじゃねェか」

フレメア「はっはーっ!大体私は一人で眠れるしっ!」

フレンダ「あんたもあたしが泊まりに行くと一緒に寝る訳よね」

フレメア・打ち止め「勝負だっ!」

上条「あー、はいはい。お洋服買ってからにしましょうねー。あ、親御さん達、手ぇ離さないで下さいな」

一方通行「……俺も?キャラじゃねェンだよ」

フレンダ「ちゃんと見張っとかないと、フラグ立てられるわよ?」

一方通行「お前もう帰ればァ?」

上条「酷すぎるなっ!?つーか冤罪にも程があるだろうが!」

一方通行「――って被告は言ってンだが」

フレンダ「ねぇフレメア、上条の事どう思う?」

フレメア「おっきくなったら結婚するのだ!」

一方通行「……お前金やるから帰れよ、なっ?」 グイグイッ

上条「サイフ押しつけようとするなよっ!厚みが半端無くて誘惑に負けそうだしっ!」

フレンダ「まぁどうしようも無いから、うん。それより移動しながら話しましょ」

一方通行「つーかよォ、順番おかしくねェか?普通は遊びに行ってから買いモンじゃねェのかよ」

フレンダ「あ、んじゃそうする?」

上条「適当だなぁ」

フレンダ「いやぁこの子らの性格だと、遊び先に持ってきたら全力出すのが見えてんじゃない?」

フレンダ「結局疲れてへろへろになってー、ってオチが分かってる訳だし」

一方通行「よし。買いモンが先だなァ。コインロッカーにぶち込ンどきゃいいし」

上条「おーし頑張ってくれ」 ポン

フレンダ「え、あたし?」

690: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:20:18.23 ID:HUPVLlcY0
一方通行「俺らがついて行けると思うか?あァ?」

フレンダ「あー……うん、わかったけど」

一方通行「取り敢えず二週間ぐらいローテーション組めるようなン頼ンだぜ」

上条「山ごもりでもすんの?」

一方通行「……色々あンだよ、こっちにも」

フレンダ「まぁ深くは突っ込まない訳だけど」

打ち止め「んーとねっ、黄泉川がねっ『レディは紐パンをつけてこそ大人じゃん?』って――イタイイタイイタイっ!?」 グリグリッ

一方通行「だァかァらァっ!アイツの言葉を真に受けンじゃねェつってンだろ!」

上条「大変ですねー、情操教育。つか黄泉川先生プライベートじゃいい加減なんか」

一方通行「中身はオッサンでしたっつっても驚かねェよ」

フレンダ「おっけー!紐は駄目だけど、透けは良いって訳――イタイイタイイタイっ!?」 グリグリグリッ

上条「余所様の子に妙な知識を植え付けるなっ!」

一方通行「……なァ、こいつ大丈夫?つかお前ンとこ、他にも居たよなァ?」

フレンダ「ヒドっ!?」

上条「他は忙しかったんだよっ!」

フレンダ「こっちも消去法って訳なの!?」

フレメア「お姉ちゃん、ふぁいっ!にゃあ」

打ち止め「うんうん、人生諦めが大切だってミサカはミサカは空気を読んでみたり!」

フレンダ「……ネタに乗っかっただけで全攻撃ってのは、何か納得いかない訳だけど」

上条「いやぁ、フレンダだし?」

フレンダ「あたしの名前で落とすのやめてって!?」

691: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:21:08.69 ID:HUPVLlcY0
――テーマパーク内アウトレット……の、少し離れた所 11時

上条「コーヒーで良かったんだよな?」

一方通行「おォサンキュ――『炭酸コーヒー』?」

上条「新製品だって!」

一方通行「いやァ、ンなキラッキラした目で見られてもなァ?飲むけどよォ」 カチッ

上条「……あ、意外にイケる」

一方通行「悪かねェが、コーヒー飲んでる気がしねェンだな。てかお前今意外つったよなァ?」

上条「最近どう?」

一方通行「……お前はオレのかーちゃンですかァ?つーかこないだ一緒に仕事したろォがよ」

上条「いやー、なんか心配でさ」

一方通行「心配、つーか、まァ、あのガキの事でな」

上条「俺で何とか出来るんだったら、手伝うけど?」

一方通行「あァいやそンなンじゃねェよ。学校、どうすっかってなァ」

上条「あー……」

一方通行「シスターズの方は学園関連施設に割り振られたンだが、全員戸籍は無ェ訳だ」

一方通行「無理にねじ込むのも出来るっちゃ出来るが、どうしたもンかな、ってな」

上条「打ち止めはどう思ってるんだ?」

一方通行「話してねェ。でも、なァ」

上条「『行かなくても平気』?」

一方通行「――ってェ言うのは分かってるしなァ」

一方通行「勉強なんざ、そもそもネットワークがありゃ必要無ェだろうし、俺が教えた方が早いっちゃ早い」

一方通行「……でもまァ、今日連れてきたチビみたいなのとは、なァ?」

上条「うーん……だったらさ」

一方通行「あァ?」

上条「プライベートをもう少し広げる、ってのはどうだ?」

一方通行「あのチビとか?」

上条「とか、だな。ウチの面子も何だかんだで打ち止めの事気にして居るみたいだし。遊び相手が増えるだけでも違うと思うんだよ」

一方通行「有り難ェ話だが、よォ」

上条「学園にケンカ売ってるのは俺らも同じだし?今更危険が一つ二つ増えたってなぁ」

一方通行「んー……考えとくわ」

一方通行「……つーかさ、オマエラ付き合ってンの?」

692: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:22:20.68 ID:HUPVLlcY0
上条「誰と?」

一方通行「アイツらの引率者」

上条「フレンダと俺が?ないない」

一方通行「そォかァ?」

上条「それっぽく見える?」

一方通行「いやァ、どうだろうなァ?」

上条「じゃあ何で言った!?」

一方通行「近けェな、ってな」

上条「距離が?」

一方通行「あァ。俺の印象だが、違うってンならそうなンだろォよ」

上条「うーん……言われてみれば、そうかも?」

一方通行「やったらお前にバシバシ触ってくるし」

上条「それも、心当たりある」

一方通行「どうすンだよ?」

上条「いやっ、考えた事すらないって。仕事仲間だぜ?」

一方通行「関係無ェだろ」

上条「お前だって結標にコクられたらどうする?」

一方通行「吐くな」

上条「……いや、その反応もおかしい」

一方通行「まァ、覚悟はしといた方がいいンじゃねェか?」

上条「何で分かるんだよ」

一方通行「明日は何の日ですかァ?」

上条「……ば、バレンタイン?」

一方通行「何でちょっとモジモジしてンの?死ぬの?」

上条「い、いや急だったしさ!」

一方通行「精々感謝しやがれ。不意打ち食らうよりかはマシだろォが」

上条「でも、そっちはどうなんだよ」

一方通行「俺より強くねェとなァ」

上条「……お、俺?」

一方通行「よっしまずァは右手からぶっこ抜こうか、最強サンよオォォッ!」

693: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:23:39.41 ID:HUPVLlcY0
上条「冗談に決まってんだろうが!――そういや最近垣根見ないんだけど、どっか行ったのか?」

一方通行「いやァ……?言われて見りゃ、どこ行きやがったンだあのバカ」

上条「白いカブトムシ見ると、なーんか思いだしてさ。あいつの羽根との色と同じだし」

一方通行「カブトムシだァ?今2月だぞ?」

上条「あ、見てない?今度検索してみ、学園内のニュースサイトにも載ってっから」

一方通行「ふーン……」

打ち止め「おっわったーーーーーーーーーっ!ってミサカはミサカは背後から抱きついてみるっ!」

フレンダ「にゃあ!お子様めっ、レディは人前で恥ずかしい事はしないのだよ!」

打ち止め「大人だもん!ってホラホラ、ミサカはミサカは今買ったブラを見せびらかしてみるの!」

一方通行「あーうン、せくしーせくしー。最ッ高ですよ、ミサカさーん」

打ち止め「棒読み!?」

フレメア「女の子には恥じらいがないとオトコは落とせないのだ!」

打ち止め「さ、流石は我がライバルっ!」

フレメア「ふははははははーっ!思い知ったか、なのだっ!」

上条・一方通行「……」

一方通行「なァ、必要か?友達」

上条「まぁ……本人達は喜んでるし、良いんじゃないかなって」

フレンダ「よっく無い訳よっ!もう大っっっっっ変だったんだからねっ!」

一方通行「あーお疲れっしたァ」

上条「良しメシ食いに行こうぜ。二人は何が食べたい?」

フレメア「タイヤキ!」

打ち止め「クレープ!」

上条「どっちも主食じゃねぇだろっ!?」

フレンダ「……ね?二人で代わる代わるボケて大喜利みたいになってるから、ツッコミがあたし一人じゃ拾いきれないのよっ」

一方通行「あー、まァメシ奢るし。それでな?」

フレンダ「……もうあたし内村プロデュー○のウッチャ○になったかと」

打ち止め「そこでミサカはこう言ってやったのさ、ってミサカはミサカはボケを繋げてみるっ」

フレメア「うーーーいっはるーーーっ!愛ーしてーるぞーーーーーーっ!にゃあ!」

上条「駄目だ!ここにまで頭残念な子の浸食が始まっているっ!?」

694: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:24:36.11 ID:HUPVLlcY0
――テーマパーク内 16時

フレメア「にゃあ、次は観覧車で勝負だ!」

打ち止め「受けて立つぞーーーっ!ってミサカはミサカは横目で保護者の許可を求めてみる!」

一方通行「……最後だからなァ?今度こそ」

上条「あ、俺行ってくるよ。つーかフラフラしてんじゃん」

一方通行「いや、最後ぐらいは面倒見させろ。つーかあっちの方が大変そうだなァ」 チラッ

フレンダ「つ、疲れたー……」 グデン

上条「あー、まぁなぁ」

一方通行「(なァ?)」

上条「何だよ小声で」

一方通行「(頑張れよ?)」

上条「ウルセぇよっ!さっさと行ってこい!」

フレンダ「んー、どったのー?」

上条「あぁいやなんでもない、ベンチ座ろうぜ?」

フレンダ「ういー」

上条「ジュース買ってくるけど――」

フレンダ「炭酸よろー」

上条「おー」

上条(無い、よな?いつものフレンダだもんな)

……

フレンダ「……にしてもフレメアも随分楽しそうにした訳」

上条「二人で来るよりもはしゃいでる?」

フレンダ「全っ然!倍できかないぐらい」

上条「そりゃ凄いな」

フレンダ「まぁ結局友達と家族は違うんでしょうけど、何かちょっと、悔しいような?」

上条「そんなもんか」

フレンダ「んー、保護者としては一番でありたかったけど、ね」

上条「……」

フレンダ「どったの?なんか顔についてる訳?」

上条「あぁいや別に?全然全然?」

フレンダ「挙動不審だけど……まぁいっか」

上条「でも本当に今日はありがとうな?一方通行も感謝する、みたいな事は言ってた」

フレンダ「あ、いいって訳よね。あたしも前からフレメアと約束してた訳だし」

フレンダ「出来れば明日の方が良かったんだけど、あの子はクラスで行事があるらしくってね。だから一日前倒し」

フレンダ「クリスマスとバレンタインぐらいは家族で集まって、ってはちょっと思うけどねー」

上条「……そっか」

フレンダ「――でっ!じゃーんっ!こっれなーんだっ!」

上条「包み紙……もしかして!」

上条(え、マジなの?マジで告白される流れなの?)

695: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:25:33.02 ID:HUPVLlcY0
フレンダ「日頃からお世話になってる上条にもプレゼントっ!一日早いって訳だけども!」

上条「俺、で良いのかな?」

フレンダ「なぁに言ってる訳よっ!あんたもあたしのファミリーみたいなもんでしょうが!」

上条「か、家族っ!?義理とかじゃないのかっ!?」

フレンダ「義理?やっだもう義理であげたりしないって訳!」

フレンダ(あれ?日本のバレンタインって、『家族や友達へプレゼントする日』じゃないの?)

フレンダ(去年も一ヶ月経ってからお返しが来たような……?)

フレンダ(あ、でも他のみんなも今年は気合い入ってたから、合ってる、訳よね?)

フレンダ「ね?ハンカチ、あんたいっつも血塗れになってるから拭いとけ、的な意味でねっ」

上条「……ありがとう、フレンダ。俺、すっげー嬉しいよ」

フレンダ(あ、あれ?『余計なお世話だっ!』的なツッコミが来る筈よね?外した?)

上条「その、さ。うん、俺も前から良いな、っては思ってたんだけど――」

上条「――俺も、好きだ」

フレンダ「」

上条「付き合って、くれないか?」

フレンダ「」

上条「ふ、フレンダ?」

フレンダ「え、いっいやっどうしてこんな超展開にっ!?」

フレメア「にゃあ、お姉ちゃんに先を越されちゃったのだ」

フレンダ「フレメアっ!?」

打ち止め「おめでとー今どんな気分ですか、ってミサカはミサカはインタビューを試みてみるっ!」

上条「うん、ビックリしたけど嬉しかった」

一方通行「まァなンだ、良かったじゃねェか」

上条「ありがとうな」

フレンダ(いやあたしまだ返事してないんだけどもっ!)

フレンダ(でもイヤって言う訳じゃないし!むしろバッチコイ的な、ね?うん!)

フレンダ(と、取り敢えず落ち着けあたし!落ち着いて考えるのよ!ドッキリかも知れないし!)

上条「あ、フレンダ。ちょっと上向いてくれるかな?」

フレンダ「は、はぃ?」

上条「ちゅっ」

フレンダ「んむーーーーーーーーーーっ!?」

フレメア「にゃあ!?」

打ち止め「ふおおおおおぉぉぉっ!?」

一方通行「家でやれ、家で。ガキどもの教育に悪りィだろうが」

フレンダ「いやいやいやいやいやっ!そうじゃなくって、ね!?」

696: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:27:09.37 ID:HUPVLlcY0
上条「これからヨロシクな?」

フレンダ「う、うんっ!あたしこそヨロシクね――じゃ、ないって訳よ!」

上条「あ、ごめん。いきなりは嫌だったか?」

フレンダ「いや、じゃないけどもっ!そうじゃなくって!」

上条「フレンダが可愛すぎたから、つい」

フレンダ「んなああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

フレメア「お姉ちゃんテンパってるにゃあ」

一方通行「……」

打ち止め「どうしたの、ってミサカはミサカは気遣ってみたり?」

一方通行「いやァ」

一方通行(もしかして――俺の勘違い、か?)

フレンダ「そうじゃないのよっ!結局!あたしが問題にしてるのはちがくって!」

一方通行「三下が嫌い?」

上条「おまっ!?」

フレンダ「そんな事は無いわよっ!むしろ大好きよっ!」

一方通行「じゃあいいじゃねェか。ライバル多いンだし、棚ぼた食っちまえよ」

フレンダ「それもっなんか、こうっ!」

一方通行「よォし帰ンぞ。チビのねーちゃんはお持ち帰りだとよォ」

打ち止め「あ、だったらウチに泊らないかな?って提案してみる!」

一方通行「いいンじゃねェかな?ガキが一人増えようが」

フレメア「外泊許出したけど、にゃあ?」

打ち止め「あなたのお姉ちゃんの所には将来のお兄ちゃんが泊るのだよ!ってそれっぽい事を言ってみる!」

上条「いやぁ」

フレンダ「照れないでよっ!?そんな予定無いからね!」

一方通行「まァ子供じゃねェンだし?……いやァ俺には関係無ェか」

フレンダ「あったっしっの話をっ!聞きなさいよおおおおおおおぉぉぉぉぉおおっ!?」

697: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:28:08.16 ID:HUPVLlcY0
――いつもの喫茶店 2月14日

上条「――とまぁそんな流れで俺達付き合う事になりました、はい」

麦野・絹旗・滝壺「」

フレンダ「あー……うん、そうなっちゃった、みたい?」

上条「何で疑問系?」

フレンダ「いやー、あたしもまだ納得してない所が結構あるんだけど」

上条「え、話し合ったよな」

フレンダ「そ、そうだっけ?あっれー……?話し合おうとしたら寝技に持ち込まれた気が……?」

上条「うん、まあそんな感じで俺達デートだから」

フレンダ「んじゃまぁお先にって訳で――いや、ハッピーはハッピーなんだけど、納得いかないって言うか」

上条「まぁ細かい所はその都度話し合えば良いんじゃないかな?差し当たっては今日どこ行くか、だけど」

フレンダ「いい?バレンタインってのはね、本来家族や友達とプレゼント交換する日な訳よ!」

上条「か、家族?」

フレンダ「え、いやいやいやっ!深い意味は無い訳っ!」

上条「……なれたら、良いよな」

フレンダ「……なれたら、うん。それは、そうね」

麦野・絹旗・滝壺「――リア充爆発しやがれっ!!!」

――『アイテム』インターミッション ~バレンタインの出来事~ -終-

698: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:29:03.61 ID:HUPVLlcY0
お疲れ様で御座います。>>1です
>>654のアンケート〆切りまで大体一週間ぐらいあるので、是非あなたのご意見をお聞かせ下さいませ
尚、選択肢一つ追加します

5.エロ無しで1と2両方で

例えば上条×麦野さんの場合、
麦野編終了後、上条お見舞い→告白(ある意味アフター)→お互いの両親と面会(アフター)→麦野エンディング?
と言う感じです
ぶっちゃけ『ある意味アフター』ってのは『両想いになるシーン』なので、それ無しにアフター突っ込むのも違和感あるかなー、と
かといって麦野の性格上キメる時はキメるし、滝壺だってアレじゃねぇかなー、とも思いますし

真面目な話、お話の構成上避けて通れない気もするんですね
例えば麦野が一人でケジメつけに行かないと、その後の『仲間との絆』が非常にチープなものになったように
絹旗が意地を張らなければ『お互い守られている』と信じなかったように
フレンダが『姉』じゃなかったら、キャーリサは最後の最後まで振り上げた剣を下ろせなかったように
滝壺が『孤独に戦うバカを救済』しなかったら、フィアンマに負けていたように

>>1は決めかねているので、どうか助けると思ってご意見宜しくお願い致します

>>658
>3だ 残りのフレンダ(フレメア)絹旗 滝壺 全員3
ひ、一人多くない、かな?『アイテム』の女の子って四人だったような気が……?


頑張れと言いつつぐいぐいハードルを上げてくる、そんな皆様に応援されてこのスレは成り立っています (´・ω・`)

699: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:32:17.99 ID:awdbvEBOo
3でお願いします

700: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 11:39:13.81 ID:gxNegwwd0
3よろ

701: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 12:12:03.12 ID:zEsnlZ090
乙ー!!!
よかったなフレンダ。

2で

702: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 12:17:39.20 ID:401sezi00
乙です
そして3で

703: sage 2013/05/21(火) 12:25:47.03 ID:HW7qMO6+0
HAMADURAと洋平さん成分がほしいなあ

704: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 12:26:58.97 ID:HW7qMO6+0
やべ、sageミスった

705: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 12:49:01.54 ID:3EBDif6SO

3をお願いします

706: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 12:52:27.52 ID:HUPVLlcY0
>>703
んじゃ来週はそれで

707: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 16:28:39.19 ID:XIXyJXRMo
乙ー
やっぱ3しかない訳よ

708: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 19:52:41.19 ID:QYGccvQao


今の今までHAMADURAの存在忘れてたわ

709: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/21(火) 22:23:07.10 ID:jVpscG1L0
乙。フレンダかわいい。

やっぱり3だよ3。3しかないって、うん。

710: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/24(金) 13:14:51.87 ID:D+pKlgej0
3ですね

楽しみです

711: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:30:47.25 ID:7zceD5g3O
なんか寒すぎ

712: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/25(土) 00:31:35.09 ID:7zceD5g3O
誤爆…

713: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 16:21:20.47 ID:KwuwmEIz0
2でいいかと
上条さんがアイテム女性陣(麦野、滝壺、フレンダ、絹旗)+フレメアもらうというハーレムエンド
という選択肢ってありますかね?

714: とある大好き人間=オタク? 2013/05/26(日) 22:40:56.14 ID:dXyZdrVJ0
ストーリーはかなりおかしい?(どのキャラクターの性格も一致してない???)
ただ、この書く量といい何かありそうな感じが少しだけしますけど・・・
まず、レベル5があんなに仲良くなれるわけ無いでしょうがーーーーー!!!
☚現実見がこの面でかなりなくなってしまっているのが痛い!

   ということでここまで頑張ってシナリオを書いた人 乙♫

715: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 22:42:31.76 ID:3gBsMjkMo
3でお願いするのよな!五和をだすのよな!

716: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/26(日) 23:01:00.00 ID:xYTAL0ax0
ageるなよマジで…

717: 田中(ドワーフ) ◆7fp32j77iU 2013/05/28(火) 10:15:00.68 ID:d5klvOyh0
>>713
『アイテム』ルートはその予定。ただしえっちは難しいかと
>>715
五和は天草式で長編書く予定ですので、そっちでまぁなんとか


――アックアアフター ~戦後処理~


718: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:16:23.17 ID:d5klvOyh0
※笑うに笑えない、と言うお話


――エリザリーナ独立国 13時

ワシリーサ「ロシア成教は今回の騒動が一部の独立主義者の仕業であったとし、ロシア成教自体は無関係であると主張すると共に」

ワシリーサ「またテロリスト達を食い止められなかった事に対して遺憾の意を表明し、同対象の討伐に協力を宣誓します」

エリザリーナ「エリザリーナ独立国はロシア政府及び成教会の意思表明を受け入れます」

ヴェント「ローマ正教は二つの国の誓いが神の元で行われたと確認する、っと」

ワシリーサ「……これでイイの?」

エリザリーナ「まぁ仕方がないでしょうね」

ヴェント「つーか戦争ふっかけておいて、『下っ端の勘違いでした』で済まそうっては虫がよすぎるんじゃない?」

ワシリーサ「それを言うんだったらあなたの所のバカの責任でしょう?」

エリザリーナ「やめなさいよ。ここで言い合ったって仕方がないわ」

アックア「そもそもで言うのであれば、フィアンマもロシア成教も不穏分子を抱えていたのであるな」

アックア「それが爆発しただけ、膿が出たのを良しとするべきなのである」

ヴェント「イギリスの元騎士様が偉そうに講釈たれてんじゃねぇわよ!あんただって裏切り者でしょうが!」

アックア「さて?ローマ聖教に弓引いた記憶はないのであるが」

ヴェント「ったくあんたまで居なくなったらわたし一人で右席やれ、ってのかよ」

ワシリーサ「……帰っていい?」

エリザリーナ「そう言わないで頂戴。今、お茶でも煎れるから」

……

719: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:18:20.33 ID:d5klvOyh0
エリザリーナ「さて、以降の話はお茶会での話、他愛のない世間話だと思って下さい」

エリザリーナ「議題は――」

ヴェント「『デカくなった科学サイドをどうするか?』って事でしょうよ」

アックア「茶飲み話にしては剣呑すぎるのであるな」

ワシリーサ「別に良いと思うわよ。この面子の中じゃ今更でしょうが」

女?「ありゃりゃ、面白そうな話し合いをされていますねー?私も混ぜてくれませんか?」

アックア「誰であるか?」

木原病理「通りすがりの木原と申します。こんにちはー」

エリザリーナ「確か、学園都市の兵器を引き上げに来られていた……?」

病理「えぇまぁ、威力斥候も兼ねていますがね」

ヴェント「ふぅん?」

アックア「人の国で騒動を起こすな」

病理「お優しいんですねー」

アックア「貴様にも言っているのである」

ワシリーサ「丁度良いじゃない。『冗談』でする話としちゃ、あちらの研究者さんも居るみたいだし」

病理「ですねー。『冗談』ならば誰が何を言った所で問題にはならないでしょうし」

病理「打倒・学園都市計画を聞かせて下さいよ」

アックア「ならば遠慮無く――ローマ正教の世界規模での反科学運動ですら、さしたるダメージを与えられなかったのであるが」

病理「方向性は悪くなかったんですがね。宗教による民衆の意識操作」

病理「アレですよね?EU統一もローマ正教さんの息がかかっていたんですよね?」

病理「経済統合を果たして巨大な準国家を作ってしまおう、との壮大な社会実験」

アックア「ブリテンの立場からすれば、認められない話ではあるな」

ワシリーサ「でも結局、参加しなかったイギリスが勝ち組と言われているわね」

病理「仰る通りで。経済的に、ドイツやフランスなどの大国とギリシャやキプロスの小国で同じ物価なんてのは有り得ないんですね」

病理「しかも為替が経常収支のバランサーになる筈なのに、統一通貨でほぼ固定と。自殺でもしたいんですかねー?」

ヴェント「……信仰をナメて貰っちゃ困るわね。腐っても20億人を動員すれば――」

病理「ならすればいいじゃないですか?」

病理「TOYOT○のブレーキパッドの下に聖書でも置けば、きっと止まってくれますよ」

病理「信仰を持つ者が、持たない者へ対して攻撃をする――生憎、それが許されるような世界ではなくなった、んですよねー」

720: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:19:26.43 ID:d5klvOyh0
病理「前の戦争であなた方は勝ったんでしょうね。でも何を手に入れました?」

病理「欧州で起きていた反シオニズムを全てナチスへ押しつけ、まるで自分達は正義の味方とばかりに振る舞う」

病理「いいですねー、偽善の臭いは大好きでーす」

病理「前の戦争であなた方はアジアの植民地を失いましたが、今度は何を失いますかね?」

ヴェント「黙れ無神論者め!」

病理「まぁ確かに?私達は狂っていますよ、えぇ」

病理「二万匹のモルモットを殺して実験するより、二万人殺して実験するような人間の集まりですから」

病理「でも『だからといって何』ですかね?」

病理「iPS細胞だって、確か法王猊下からお墨付きを貰っていますよね?」

病理「人はですね。前へ前へ進んでいくんですよ、カビの生えた技術に背を向けて」

病理「だからそろそろ『諦めて』くれませんか?」

アックア「学園都市の流儀に染まれ、と?」

病理「とは言っていませんよ?ただ、一緒に生きるつもりは無いんですかね、ってだけです」

病理「まぁ?仮にそちら側の誰かが乗り込んできて、完膚無きまでに学園を叩き潰したとしましょう」

病理「ですが――そうなったとしても『第二、第三の学園都市が出来るだけ』ですからね」

病理「対象が拡散してしまって、やりにくくなるのはあなた方ではないのかな、と」

病理「さて、私の『冗談』は面白くないと言われますがー、何か反論あればどーぞ?」

アックア「理屈は分かった。理論もまぁ極論ではあるが、その通りなのだろうな」

病理「ご理解頂けて何よりです」

アックア「だが私ははっきり言おう――『学園都市は胡散臭い』と」

病理「……はい?」

アックア「科学の進歩が人類を救う。それは認めるのである。流石に種痘を悪魔の印を呼ぶ程には世間ずれはしていない」

アックア「科学が進歩するのは悪とは言っていない。だがそのスピードが性急すぎるのである」

病理「どうしてですかー?乗りたいじゃないですー、リニアモーターカー」

アックア「学園都市の技術の多くが軍事開発に費やされている」

病理「あぁいますよねぇ、そういう事言う人。『犯罪者の約98%がパンを食べた』とかって奴でしょ?」

病理「そりゃ鉄やプラスチックだって、子供のオモチャから大人の兵器にまで使われてますって」

アックア「その言葉を信じられるのであれば、であるな?」

721: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:20:08.28 ID:Dy+KSeqP0
相変わらず面白いのぅ

722: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:21:18.85 ID:d5klvOyh0
アックア「ただでさえ各国政府が財政的に疲弊しているのに、学園都市だけが一線を走り続けている、と言うのも面白くはないのであろう」

ヴェント「色々とお題目を掲げて、学園都市の研究を縛りに行く、って所か?」

ヴェント「能力者だなんだとか言われているけど、人が集まらなければどうしようもない、と」

病理「でもそれが通りますかね?生憎あなた型が戦わねばならない敵は他にいます」

病理「それは『経済』と言う敵ですね」

病理「恐らくあなた方は『学園都市を仮想敵国へ定める事で、そういった人間達の意思誘導をしたい』んでしょう?」

病理「神に反する技術を持つ彼らは異端である、とか何とか」

ヴェント「……ケンカ売ってるわよね、あぁ?」

エリザリーナ「――待って。それは否定出来ないんじゃないかしら」

ヴェント「どっちの味方だクソ女!」

エリザリーナ「実際の所、学園都市には大なり小なり問題がある。それは私達も認めているわ」

アックア「だからといって、教団を動員してまで反学園都市を訴えるのは間違っている、であるか?」

ワシリーサ「理屈は間違ってないけど、綺麗事ばかりじゃやっていけないわよ」

エリザリーナ「学園を擁護するつもりはないけど、それが正しいの?」

病理「EUと言う図体のデカいお子様は生まれてから、すぐに瀕死になってしまいました」

病理「だから学園都市への恨み辛みを持っていこうぜ、って事ですね。奇しくも為政者とあなた方の利益が一致した訳ですか」

病理「でもね、『そんな事じゃ絶対に好転しない』んですよ」

病理「繰り返しますが、あなた方は真っ先にどうかしなければいけない敵は『経済』でしてね」

病理「例えば『EUでは極右政党が台頭している』って朝……ナントカ新聞が書いてありました。朝目?朝臼?」

病理「他の新聞でも似たり寄ったりですねー。『経済が苦しくなると移民排他の機運が高まる!けど日本も進んで移民様を受け入れよう!』って狂った思想です」

病理「でも実体は全然別です。その『極右政党にアフリカ出身の黒人が少なからず居る』のはご存知ですかね?」

病理「彼らは苦労して帰化条件を満たしており、それを守らず、守ろうともせずに押し寄せては税金を食い潰す違法移民へ対し、怒っているんですよー」

病理「ちなみにスイスやスウェーデンでは既に押し寄せる不法移民の数が多すぎて、規制や強制送還の動きが進んでますしね」

アックア「それと経済がどう繋がるのであるか?」

病理「ぶっちゃけ『庶民は反学園運動なんて興味ない』んでーす。そんな事より日々増える不法移民や彼らの作るスラム街の方が余程脅威」

病理「尤も『経済がきちんと回っていれば、そう言った反感も多少は緩和された』と」

ワシリーサ「教会の思想が現実に即していない、と言う事ね」

病理「いやぁそこまで言っていません。上層部が抱いている不安は正しいものでしょうし」

病理「ただし嘘発見器がある訳じゃないですし、『同じ宗教だから仲良くしようぜ!』って言われたら、信じる他がないだけです」

アックア「頭の痛い話であるな」

723: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:22:25.25 ID:d5klvOyh0
病理「学園都市関連企業及び日本企業を一掃するのは簡単ですよ?そちらさんのトップが会見すれば直ぐに終わるでしょうしー」

病理「でも『学園都市系企業はEUにも少なからず経済的な貢献』もしています。具体的には工場の現地生産や技術移転」

病理「はてさて恐慌を起こしてまで、あなた方は私達と戦うんでしょうかね、と」

エリザリーナ「信徒は見捨てるかもね、身勝手だって」

病理「同じく反学園運動の一環として、反捕鯨や旧日本軍の蛮行どーたらって話ありますね」

病理「でもその自称『地球市民』様と一緒になっててどうするんですかー?所詮特定アジア不法移民がヘイトスピーチをしているだけでしょ?」

病理「『現在起こっている危機を、逸らせるためのスケープゴートにしか過ぎない』んですよー」

アックア「現実と、戦うのであるか?」

病理「わたし達を安易な悪者にするのは勝手だと思いますよ、えぇ。それが例え嘘八百であったとしてもです」

病理「それが某かのお題目の名を借りた明確な人種差別であっても」

病理「でも『そんな愚策を邁進している内に移民で国を乗っ取られ、内需・外需ともボロボロになる』でしょうね」

病理「国富とは無限ではありません。勤勉な国民と現実的な政治家によって成り立っています」

病理「100人のお金で100人用のピザを作ったとしても、1000人並べば一人当たりは10分の1枚になってしまう」

病理「そうですねー……ギリシャ破綻した時、同政府は『第二次世界戦中の賠償金』をドイツへ求めました」

病理「まぁ今後似たような動きは起こるでしょうね。EUの破綻如何によっては、あなた方が学園都市へ向けるべき矛は、隣人へ突きつけると」

ヴェント「フランスが一番敵視しているのは、イランやシリアじゃなくってイギリスだからな」

病理「ちなみに今、一番EUで熱いのはフランスですね。高額納税者にバカ高い税金を課して、大量の海外脱出組を生んだり」

アックア「首相がドイツ野党の集会へ顔を出したり、同性婚を認めたりと混迷しているのであるな」

病理「EUにしたって信用不安を収める気があるかのどうかすら怪しいでーす」

病理「今から30年程前ですかねー?」

病理「日本のバブルが弾けた際、政府が銀行や企業へ公的資金で注ぎ込むのを見て、あなた方は嗤っていましたが」

病理「サブプライムから始まる一連の信用不安に於いて、あなた方は嗤っていた国のやり方をそのまま踏襲するしか無かった、と」

病理「結局政府が後ろ盾となって支援するのが、最善の解決方法だったんですね」

病理「ねぇ、今どんな気持ちですか?嗤ってた時を覚えていますか?」

病理「あぁいえゴメンナサイ。言い過ぎました」

病理「『キプロスで銀行預金の一部をスポイルさせたように、日本の解決方法のコピーすらロクに出来なかった』んでしたっけ?」

エリザリーナ「あれは……悪手だと思うわ」

エリザリーナ「『国が後ろ盾となって保証しないと分かったため、資金はより安全な所へと移動する』って事だもの」

病理「そうさせた理由がまた凄くてですね。『キプロスの預金を保護してしまえば、それぞれの国民から不満の声が上がるから』と」

ワシリーサ「最悪、よね」

724: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:23:41.41 ID:d5klvOyh0
アックア「……経済的な垣根を無くそうとして、国民の声は残るのであるか」

病理「『国』と言う入れ物を壊す――となると中へ入っていた“モノ”は一体何処へ行くのか?」

病理「皮肉なモノですね。その結果愛国心は高まり、排他的な流れは勢いを増していくでしょう」

病理「学園都市ですらやっていない、壮大な社会実験をありがとうございます」

病理「……ま、そんな感じでわたし達とやり合うのを『諦めて』下さればな、と」

ワシリーサ「何も全面戦争にならなくってもいいじゃない。学園都市は表面上研究施設」

ワシリーサ「なら入る人を絞れば枯渇するんじゃないの?」

病理「あちゃー、痛い所を突かれましたね。まぁ確かに『倫理』をお題目に――いや違った、人質にされると弱いですねぇ」

病理「お互いに色々と小競り合っていますけど、全力でやった方が早いんじゃないのかって思う時もありますしねー」

エリザリーナ「後、私も前から聞きたかったんだけど」

エリザリーナ「科学サイドはどうして本気で私達を潰そうとはしないの?どう考えても共存しようとは考えてないでしょ?」

病理「えぇわたしもねー、色々考えてみたんですが――さっき言ったように『科学は学園都市じゃなくても生き残る』んですね」

病理「にも関わらず『学園都市製の科学』に拘るって所に答えがあるんじゃないかなー」

アックア「科学という割には、非合理的なやり方が多い、であるか?」

病理「恐らく、ですが――最終的な目標が科学、で収まりきれない所へ行こうとしているのでは、と」

ワシリーサ「そんな事言っちゃっていいの?どうせ聞かれてるんでしょ?」

病理「別にわたしが死んでも科学が滅ぶ訳ではないし、またどこかにわたしとよく似たクズが生まれるだけですよぉ」

アックア「その考え方自体、宗教じみているのであるな」

病理「研究職の中には信心深い方は結構おられますよ?あ、でもそう考えるとわたし達も洗礼とか受けた方が良いんでしょうかねぇ」

ヴェント「冗談でも、やめろ。気分が悪い」

病理「酷いですねぇ。わたしだって結婚する時にはチャペルでと決めているのに」

エリザリーナ「あら意外。お相手はいるのかしら?」

病理「んー、仕事が恋人って奴でーす。そちらも色々と諦めていますし」

ワシリーサ「まだ若いんだしトライしてみれば?数式を書くより刺激的よ」

病理「……ですかねぇ。そう言う皆さんはどうなんですか?」

エリザリーナ「この面子の中に居ると思う?」

ヴェント「と言うかウチは駄目だろ、信仰的に」

アックア「右に同じくである」

ヴェント「あんたは違うだろうが」

ワシリーサ「だわねぇ。一番時間的に余裕があるのはアナタだけと」

病理「一人一族へ婿養子に欲しい人材が居るには居ますけどねー……っと、失礼。そろそろ輸送機の時間ですので」

エリザリーナ「分かったわ。今回の学園の協力には感謝を致します」

病理「あくまでも非公式ですが。あ、皆さん機会があったらまたよろしくー」 ガチャッ

……

725: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:24:56.64 ID:d5klvOyh0
ワシリーサ「……何割、本当かしらね?」

アックア「そもそも我々魔術師が取るに足らない脅威であるならば、接触しようとすらしなかった筈である」

アックア「そう考えると全てがブラフでもおかしくないのであるが」

エリザリーナ「でも一理はあるかもれしないわ」

ヴェント「わたし達の業界が廃れるって事か?」

エリザリーナ「魔術とは才能のない人間が努力して得られる力。でも科学とはもっと分かり易く、しかもある程度オープンになっている」

エリザリーナ「どちらかを選べと言うのであれば、多くの人間の信頼を得られるのはあちらでしょうね」

アックア「何を愚かな事を」

エリザリーナ「酷い言い草ね」

アックア「魔術だ科学だ、どちらが覇権を握ろうとも、そして握らなくてもすべき事は変わらないのである」

アックア「涙する者がいれば、神の慈悲にてその泣く理由を変えるだけの話であるな」

エリザリーナ「……科学万能、と呼ばれる時代にあっても救われない者は居る、か」

ワシリーサ「飽食の時代とか言われているけど、食べられるのは一部だけって話もあるわよね」

ヴェント「そもそも科学が全てであるならば、あの島国はとうの昔に全ての信仰を捨てている筈」

ヴェント「でも都市部でもビルの谷間にTempleはあるし、地方へ行っても町のあちらこちらに大きな神殿が建てられている」

ヴェント「それを見ると信仰と科学の共存も可能なのかも知れないわよ」

アックア「あの少年に感化されたのであるか?」

ヴェント「表へ出ろクソ野郎」

ワシリーサ「いいなー、私も会いたかったわね」

エリザリーナ「右席同士の戦いは国へ帰ってからやって頂戴。あ、写真ならそこにあるけど」

ワシリーサ「へー……やだっ!白くて歪んでで可愛いっ!」

ヴェント「違うわよ。その隣だっての」

ワシリーサ「あー、ギャングっぽい子ね。嫌いじゃないけど、ちょっとおっきいかな」

アックア「それも違うのである。私の右隣だ」

ワシリーサ「……なに?アメリカのラッパーみたいに、回りに女の子侍らせてるんだけど?」

エリザリーナ「……と言うか全員で記念写真なんて、どう考えても有り得ないんだけど」

アックア「まぁ色々あるのであるな」

ワシリーサ「それじゃわたしもそろそろお暇しようかしら」

エリザリーナ「色々とありがとう。独立国を代表して感謝します」

ワシリーサ「感謝ならウチの総代主教によろしく。今回の件で一番割を食ったのはあの子だから」 ガチャッ

エリザリーナ「えぇ。落ち着いたら是非お会いしたいわ」

726: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:26:14.96 ID:d5klvOyh0
ヴェント「私も本国へ帰らないとね。あんたがウチの敵にならないように心かげなさい」

エリザリーナ「……まぁ、姉さんとの兼ね合いで大丈夫だと思うけど」

ヴェント「さよなら」 ガチャ

アックア「では私も託された用件は済んだのであるな」

エリザリーナ「その、本当に有り難う御座いました。出来れば安定するまで残って欲しいんだけど」

アックア「済まない。今から野暮用である」

エリザリーナ「『聖人』としての力の回復ね」

アックア「マリア信仰を辿ればあるいは、であるか」

エリザリーナ「可能性は低くない筈だわ。十字教には復活の奇蹟が残されているし、あなたの力もきっと」

エリザリーナ「でもそこまでする必要あるのかしら?あなたが警戒していたフィアンマも事実上死んだのでしょう?」

アックア「世界に争いの絶えた時代など無いのである――」

アックア「――あの女の言う通り、数十年前まで我々は隣国同士で殺し合っていたのだから、いつ戻ってもおかしくないのであるが――」

アックア「――終わらない戦いへ身を投じるのは、兵士としての定めであるな」


――アックアアフター ~戦後処理~


※魔術以外の部分は全て事実です。興味がある方は是非ニュース極東板へ

727: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:26:59.44 ID:d5klvOyh0


――HAMADURAアフター


※ギャグ以外の部分がありません。勢いで書いたけど、必要、ですかね?
余談ですが新約7巻読んでたら、「あれ?何で浜面さん絹旗と顔見知りなんだろ?」と思うようになった私は色々と末期です

728: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:28:16.06 ID:d5klvOyh0
――?年後 某国強制収容所

囚人A「ぐおおぉっ!?」

囚人B「――クソっ!おい、誰かタンカ持って来いっ!」

囚人C「無理だったんだ……俺達じゃ!」

囚人B「言ってる場合じゃないぞ!いいから急いで連れて行けっ!」

囚人A「……あぁ……神よ……」

囚人B「しっかりしろっ!」

若い囚人「……なんだ、ありゃ」

年期の入った囚人「若いの、お前さんは初めてかね?」

若い囚人「そうだが。アレって」

年期の入った囚人「アレはの、『生き様』じゃ」

若い囚人「生き様?」

年期の入った囚人「あぁ。ここにぶち込まれた男達が挑戦しては、戦い、そして敗れていった」

年期の入った囚人「その証が、墓標がアレなんじゃよ」

若い囚人「……俺には分からない。意味も、価値も」

年期の入った囚人「若い内はそれでいいんだ……だがな、同時にそれは『チャンス』を失う事でもある」

若い囚人「チャンス?何に対して?」

年期の入った囚人「アレは人を選ぶ。いや、逆かもしれん」

年期の入った囚人「アレには選ばれた人間しか挑んではならないんじゃ」

若い囚人「……」

年期の入った囚人「見てみろ、今運ばれた男は『ヒート』の二つ名を持つ」

年期の入った囚人「そんな奴ですらアレに対しては無力。経験など役には立たんよ」

年期の入った囚人「……そう、経験なんぞは、の」

若い囚人「あんた、その手……」

年期の入った囚人「これは持病じゃよ。アレとは何の関係もないわい」

年期の入った囚人「だが、アレをする人間にとっては致命的――いや、致命傷じゃ」

年期の入った囚人「『超竜』と呼ばれた儂も、今はこの体たらく」

年期の入った囚人「老兵は死なず、とは言うものの、因果な話じゃて」

若い囚人「……ふぅん?」

年期の入った囚人「若いの、どうした――まさかっ!?」

729: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:29:36.30 ID:d5klvOyh0
若い囚人「……どいつもこいつも話がオーバー過ぎんだよ」

年期の入った囚人「よせっ!お前みたいな若造に何が出来るっ!?」

若い囚人「やってみなくちゃわからないだろ?つーかな、あんたみてぇな爺様でもやれたんだ」

若い囚人「俺に出来ない訳がねぇよ」

年期の入った囚人「若いのっ!」

若い囚人「あぁそうだ、爺さん。一つだけ覚えておけ」

年期の入った囚人「な、なにを言っている……?」

若い囚人「俺の名は“若いの”じゃねぇ――『レインメーカー』だ」

年期の入った囚人「なん、だと!?噂とは違う!」

レインメーカー「へぇ、どんな噂だよ?」

年期の入った囚人「ヤツは刺し違えて死んだ、と」

レインメーカー「だったら俺は幽霊か何かか?足も×××もついてるぜ」

レインメーカー「残念だがそりゃあ俺を妬んだバカが流したんだろ」

レインメーカー「例えば、あんたらがご大層に崇めるヤツとか、な?」

年期の入った囚人「馬鹿なっ!あの方がそんな事をする訳がないわっ!!!」

レインメーカー「おーおー、んなに怒るなって。冗談に決まってんだろ」

レインメーカー「にしてもヤツのカリスマっぷりは半端無ぇな」

年期の入った囚人「当然じゃ!お前は直に見てないからこそ、そんな口が叩ける!」

レインメーカー「……そうだな。それは否定しねぇよ」

レインメーカー「だが、だからどうした?表に出て来ないヤツに何が出来るんだ?」

年期の入った囚人「それは」

レインメーカー「“伝説”に縋るのも結構、テメェらの過去の栄光で一杯やるのも悪くはねぇが」

レインメーカー「が、それも今日までだ!今日から俺が『伝説』となる!」

年期の入った囚人「……やめておけ、お前じゃまだ勝てん」

レインメーカー「ハッ、老いぼれの戯言に付き合ってられねぇよ」

年期の入った囚人「……忠告は、したぞ」

レインメーカー「そりゃどーも――おいテメエら道を空けろっ!」

730: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:30:42.63 ID:d5klvOyh0
囚人B「誰だよ。お前今まで見てなかったのか?」

囚人C「よせ!言うだけ無駄だ」

レインメーカー「ウルセェよ臆病者が。何も出来ねぇ野郎はガクブルしてやがれ!」

囚人A「……っ」

囚人C「そいつ、何か言ってるぞ……?どれどれ?」

レインメーカー「遺言でも残してぇんだろう」

囚人C「『俺の敵を討ってくれ』だと」

レインメーカー「……知らねぇよ。テメェがどこで死のうと俺には関係無ぇさ」

囚人B「テメェっ!」

レインメーカー「だがまぁ?結果的としちゃそうなると思うが」

囚人A「……」

囚人B「『――』」

レインメーカー「言うな、聞かなくても分かる」

レインメーカー「さてっと。これか」 ガシッ

レインメーカー(予想以上に重い。重いがやれない事はない)

レインメーカー「行くぜ――ぬおおぉおおおおおおおぉっ!!!」 ズズズッ

囚人B「動いた、だと!?」

囚人C「まさかアイツは――『レインメーカー』じゃねぇのか!?」

囚人B「知っているのか?」

囚人C「あぁまだ若いのに序列9位まで入ったルーキーだ」

囚人B「まさかっ!?そんな大物がどうしてこんな所に居るんだよっ!」

囚人C「俺にだって分からねぇ。だが想像はつく――第一位だ」

囚人C「あの男が最後に現われたのは“ここ”だからな」

レインメーカー(――あぁその通りだよクソッタレどもめ!)

レインメーカー(俺ぁヤツに憧れたその日から、ずっと戦い続けてきたんだ!)

レインメーカー「うおおおおぉぉぉっ!」

囚人B「確かに、速い!しかも正確だ!」

囚人C「それだけじゃねぇ。ヤツが何で『レインメーカー』の二つ名を貰ったのか、理由は知っているか?」

囚人B「雨でも降らすのか?返り血で染めるとか?」

囚人C「いいや。んなラノベやプロレスで使われるチャチなギミックじゃねぇ」

囚人C「その程度であれば序列50位にも入れないだろうさ」

731: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:31:50.20 ID:d5klvOyh0
レインメーカー「ぐ、ぐああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

囚人C「――始まった、あれが『レインメーカー』だっ!」

囚人B「あ、あれは――」

囚人C「……あぁ」

囚人B「な、なんて――美しいんだっ!?」

囚人B「両手と額を擦りつけるようにしなからっ、別に珍しくもないスタイルだと言うのにっ!」

囚人B「なんで、何で俺の目から涙が止まらないんだっ!?」

囚人C「――俺達はクズだ」

囚人C「お前も俺も何らかの悪事を犯してペナルティとしてここに居る」

囚人C「だがな!そんな俺達だからこそ分かるんだっ!あれはっ」

囚人C「『レインメーカー』が見せている姿は『殉教者』のアレだっ!」

囚人C「神なんざ信じねぇ俺らであっても、アレはっアレだけはっ!」

囚人B「……俺、実は神学校に居たんだ」

囚人B「アイツは!アイツのあの姿はっ!十字架を背負うキリストを、後から支える老婆のようだぜ!」

囚人C「……成程。俺も漸く理解した」

囚人C「俺達の瞳から流れる暖かい涙っ!これが『レインメーカー』の本質だってな!」

レインメーカー(……クソが。ウルセェよ)

レインメーカー(こっちが全力出してんのに、ギャーギャー騒ぎやがって)

レインメーカー(テメェらが騒げば騒ぐ程、下手に負けられねぇだろうか!)

レインメーカー「おおおおおおおおおおぉっ!!!」

囚人B「まただっ!また速くなったぞ!」

囚人C「……」

囚人B「これならっ!これなら行けるかも知れないぜ!」

囚人C「……いや、駄目だ」

囚人B「なんでだよっ!?このペースで行けば充分だろうがっ!」

囚人C「速すぎるんだよ、幾ら何でも」

囚人C「確かに速度は第一位とタメを張っている。それは認めよう」

囚人C「だがこの先も同じペースで行けると思うか?」

囚人B「それは……」

囚人C「それが出来るのは、世界に一人だけ。それはお前だって知っているだろう?」

レインメーカー「ウルセェよっ!!!」

囚人B「『レインメーカー』っ!?」

732: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:32:57.84 ID:d5klvOyh0
囚人C「叫ぶんじゃねぇよ!余計な体力は遣わずにとっとけ!」

レインメーカー「さっきからゴチャゴチャウルセェってんだよ!」

レインメーカー「この戦いは俺の戦いだっ!誰にも――ぐあぁぁぁぁぁっ!?」

囚人B「駄目だっ!?『レインメーカー』の片足がグラついている!」

囚人C「……やはりこうなったか」

囚人B「前半で、力を」

囚人C「ハイペースすぎたんだ。確かにアレじゃスピードは出るが、その分最後まで持つ訳がねぇ」

囚人B「おいっ!あんたはよくやったよ!だから意地を張らずにリタイアしちまえって!」

レインメーカー「ふざけんなっ!ここで、ここまで来てやめられるかよっ!」

囚人B「だからって無理をしたって何が得られる訳じゃねぇだろうがよっ!そこまでして一体何があるって言うんだ!」

年期の入った囚人「無駄じゃよ」

囚人B「じいさん……」

年期の入った囚人「確かに“これ”は無駄かもしれん。余所の連中からすれば笑われ、蔑まれ、罵倒されるじゃろう」

年期の入った囚人「だがもしも、お前さんも外の連中と同じ考えだったら――その頬に流れる涙は、何じゃ?」

年期の入った囚人「こんな下らない事に涙する――それはもう、『何かがある』と同じじゃないかの?」

囚人C「だけどよぉっ!」

年期の入った囚人「……儂らに出来る事は一つだけ」

年期の入った囚人「『レインメーカー』と言う男が居て、そいつがどんな戦いをしたのか、それを目に刻む事だけじゃ」

レインメーカー「……ウルセェよクソジジイ……」

年期の入った囚人「まだ減らず口が叩けるか」

レインメーカー「……戦い方をクソどもが、テメェら安全な所からグダグダ言っても、俺には届かねぇよ」

レインメーカー「戦場には戦場で戦った連中にしか分からない空気がある!」

レインメーカー「戦いすら放棄したチキンどもが『俺達』を語るんじゃねぇよ!!!」

囚人B・C・年期の入った囚人「……」

レインメーカー「俺はここで倒れるかも知れないっ!だがそれだっていいっ!」

レインメーカー「いつか!その内いつかっ!俺の屍を乗り越えようとするヤツが必ず現われる!」

レインメーカー「そいつは道端に転がってるゴミになった俺を見てこう思うのさ――『あぁなんだ、俺が来た道はもうとっくに誰かが通っているじゃねぇか』ってな!」

レインメーカー「だからっ!だから俺はここで死んでも後悔はし――」

男「――おいおい、勝手な事言うなよ『雨男』さんよぉ」

733: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:34:20.38 ID:d5klvOyh0
レインメーカー「誰だっ!その名で俺を呼ぶんじゃねぇっ!」

男「いや、長くないか?意味も変わらない無いし!」

レインメーカー「ウルセェっ!テメェは一体誰なんだよっ!?」

年期の入った囚人「お、おお……」

囚人B「どうした爺さん?」

年期の入った囚人「あ、あの方はっ!」

囚人C「まさか――帰ってきた、のかっ!?」

囚人B「帰ってきた、って――まさかっ!第一位がかっ!?」

男「はぁ?んな大したもんじゃねぇだろ。俺はただ、したいからしているだけの話だ」

レインメーカー「あんた――いや、あなたは――っ!」

年期の入った囚人「儂らには『序列』がある」

年期の入った囚人「そしてまたスタイルに応じた『二つ名』がある」

年期の入った囚人「『二つ名』とは本質、長所であり欠点でもある」

年期の入った囚人「だが、だが唯一『二つ名』を持たない者もおる!」

年期の入った囚人「それは、最強にして最高、唯一にして絶大!」

年期の入った囚人「序列第一位の男はこう呼ばれる――」

『HA・MA・DU・RA』

囚人B「HAMADURAっ!?帰ってきてくれんだっ!」

囚人C「馬鹿な……っ!HAMADURAだと!?」

囚人A「……やっと、死ねる……」

浜面「おいおい、何言ってんだ。人を死人みたいに言いやがって――と、その前に、だ」 ガシッ

レインメーカー「何しやがるっ!?これは俺の戦いだっ!」

レインメーカー「俺の名誉を奪うつもりかっ!?」

浜面「何言ってやがる。お前が居るのは俺が通った道なんだよ」

レインメーカー「んなっ!?」

浜面「だから後から来た奴が居たとしてもだ。お前を指さして、『あ、途中で死んだ間抜けだ』って笑うだけだぜ?」

レインメーカー「ば、バカな……」

浜面「まぁ次は頑張りな」

レインメーカー「次、だと?俺に次などある訳がないだろうっ!?」

浜面「どうして?」

レインメーカー「それは、序列も下がるし――」

浜面「別に生きてるんだから仕切り直せば?面倒だったらやめてもいいし」

浜面「今駄目だったとしても、次やればいいんだよ」

浜面「ここは、お前の後は俺がケリをつけるからな?」

レインメーカー「……後から刺すかも知れないぞ?」

浜面「やってみやがれ――行くぜ!」

734: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:35:57.55 ID:d5klvOyh0
浜面「ぐおおおおぉぉぉぉぉっ!!!」 ズズズズッ

囚人B「HAMADURAが動いたっ!?」

囚人C「速い……そして力強いストロークだ。まさに第一位と呼ばれるだけはある」

囚人B「でもおかしいよな?どうしてあんなにスゲェの二つ名を持たないんだ?」

年期の入った囚人「必要ないからじゃよ」

囚人B「爺さん?」

年期の入った囚人「確かにHAMADURAは二つ名を持たない」

年期の入った囚人「例えば『レインメーカー』であれば、その姿に感動する者が泣き崩れる」

年期の入った囚人「儂が若い頃に呼ばれていた『超竜』であれば、一撃一撃が恐竜のように重い」

年期の入った囚人「『二つ名』とは『名前が知られていない』証拠でもある」

年期の入った囚人「が、HAMADURAはHAMADURAだ」

年期の入った囚人「HAMADURAもまた、その名を知らぬ者はおらん以上、わざわざ二つ名を持つ必要がない」

囚人B「スゲェな……」

浜面「……おおぉぉぉぉぉっ!」

囚人C「……いや、何かおかしいぞ?」

囚人B「確かに、少し遅くなった」

年期の入った囚人「いかん!一線を離れていたため、普段の勘を取り戻せないのじゃ!」

囚人B「お、おい。脅かすなよ。まさか――」

年期の入った囚人「……最悪、このままゴール手前で力尽きるかもしれんな」

囚人B「馬鹿なっ!?HAMADURAが負ける訳がない!」

囚人A「……いや、ブランクはあって当然だ。それだけ『脅威』は強いって事なんだろ」

囚人B「そんなっ!?クッソ!何とかする方法は無ぇのかよっ!?」

囚人A「……HAMADURA、頑張れ……っ!」

囚人B「お前、叫べる程体力が――」

囚人C「HAMADURAっ!負けるんじゃねぇっ!」

囚人B「……HAMADURAっ!戦ってくれっ!俺達の分までっ!」

囚人A・B・C「HA・MA・DU・RA!HA・MA・DU・RA!HA・MA・DU・RA!」

年期の入った囚人「……おぉ、立ち上がる気力もなかった男がっ!」

男一「――だけじゃねぇよ」

男二「だな。正直、拍子抜けだぜ」

年期の入った囚人「キサマらはっ!序列三位の『獣神』と序列第六位の『野人』っ!」

囚人B「あ、あんた達も応援に来てくれたかのっ?」

野人「誰があんな野郎に会いに来たんだ!見に来たんだよ!」

獣神「……いや、同じじゃねーか」

735: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:36:28.07 ID:03V98mGH0
HAMATURAwwwwwwww

736: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:38:30.05 ID:d5klvOyh0
浜面「お前らっ」

野人「いいか!テメェに勝つのは俺なんだっ!俺がぶっ殺す前に死んだらぶっ殺すぞっ!」

獣神「いやだから色々と間違ってる」

野人「だから――負けるな、HAMADURA!!!」

獣神「まぁ精々頑張りな、HAMADURA」

浜面「……はは、クソッタレどもが。人の苦労も知らずにわざわざ応援に来やがって!」

浜面「これじゃ格好悪いトコ、見せられねぇだろーがよおぉぉぉっ!!!」

囚人C「ま、またスピードが上がったぞ!行ける、これならっ!」

獣神「いや、難しいだろうな」

囚人B「何だと!?」

獣神「事実を言ってるだけだ。と言うか、もう失速し始めている」

囚人C「HAMADURAっ!HAMADURAっ!?」

獣神「所詮HAMADURAといえどもこの程度が。わざわざ見に来るまでもなかったな」

囚人B「テメェは仲間じゃなかったのかよ!」

獣神「共闘はしていたがな。だが、これが現実だ」

浜面「……くっ!」

獣神「第三者がバトルフィールドへ入るのは許されない。従ってHAMADURAの伝説もここで終りだ」

獣神「……しかしそうなると二位の抑えが効かなくなるか――」

レインメーカー「――ウルセェよ、外野で騒ぐんじゃねぇ」

獣神「『レインメーカー』?そうか!その手があったのか!」

レインメーカー「安全な所からグダグダ偉そうにかましやがって!ぶっ殺すぞテメェら!」

レインメーカー「テメェもだHAMADURA!俺にあれだけ言ってときながら、何つーザマだよ!」

浜面「……へへ、悪ぃな」

レインメーカー「俺は、認めねぇ。俺がここで負けるのも!お前がここで負けるのもだ!」

レインメーカー「だから――こうするんだよおおおぉっ!!!」

ガシイッ

年期の入った囚人「あれは……幻と言われたっ!?」

獣神「そう。『二人押し』だ」

野人「知っているのかっ!?」

獣神「あぁ見ての通り二人によるコンビネーション技だ。単純計算で一人一人の負担は半分になる」

囚人B「だったら勝ったも同然じゃねぇか!」

獣神「さて?そう上手く行くだろうか?」

獣神「一人でも制御が困難だったのに二人ならばより難しくなる」

獣神「ましてや反目してあっているのであれば――」

年期の入った囚人「それは杞憂というものじゃよ」

737: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:39:52.74 ID:d5klvOyh0
獣神「ふむ?」

年期の入った囚人「HAMADURAは伊達に第一位ではない。見よ」

浜面・レインメーカー「ぬおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!」

獣神「ほう、見事に息が合っている!」

年期の入った囚人「確かにあの若いのは未熟。またHAMADURAも現役のアンタに劣るかもしれん」

年期の入った囚人「だがアレが全てじゃよ。一人一人では足りぬ力でも、な」

野人「……帰る」

獣神「いや、まだ終わってい――」

野人「終わるぜ、すぐに。それよりも時間が惜しい」

獣人「……あぁ」

浜面「これでっ、終りだああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ガァァンッ

囚人C「やった……のか?最後まで」

囚人B「あぁ!最後まで押し切ったんだ!」

囚人A「……神よ……!」

年期の入った囚人「……」

囚人B「どうした爺さん、浮かない顔して?勝ったんだよ、HAMADURAが勝ったんだ!」

年期の入った囚人「ん、あぁそうじゃな。だが」

年期の入った囚人(『二人押し』が解放されてしまった以上、他のランカーも倣うのは必須)

年期の入った囚人(と、すれば――荒れるか)

年期の入った囚人「……いや、少し疲れただけじゃよ」

浜面「いぃやっほおおぉぉぉぉぉっ!勝った!やったんだよっ!」

レインメーカー「ウルセェっ!抱きつくなっ!」

年期の入った囚人(……いや、この二人であれば――)

年期の入った囚人(この先来るであろう戦乱の時代も、乗り切れる、か)

738: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:40:57.57 ID:d5klvOyh0
――少し離れた場所 同時刻

看守二「あの先輩、ちょっといいですかね?」

看守二「何だ?」

看守二「あの囚人達――ドラム缶押してるだけですよね?」


 ━━━レ浜● 1
 ●━━━━━ 2
 ●━━━━━ 3
 ●━━━━━ 4
 ●━━━━━ 5

※●はドラム缶


看守一「そうだな」

看守二「別にペナルティもありませんよね?」

看守一「無いな、ソ連じゃあるまいし。問題あるんだったらさっさと処刑するだろ」

看守二「何であれ、盛り上がっているんですか?」

看守一「俺に聞くなよ」

看守二「ちょっと俺もしたいんですけど、流石に拙いんですかね?」

看守一「いいけどお前、試すようなもんじゃないぞ」

看守二「何か面白そうに見えてきて、つい?」

看守一「あー、んじゃ行ってこい。休憩時間も半分切ったから」

看守二「ちょっと失礼しまーす……おーいっ!」

年期の入った囚人『ば、馬鹿なっ!?「クレイジータウン」が何故ここにっ!?』

囚人B『野郎!HAMADURAが弱っているのに刺客を送って来やがった!』

看守二『お、俺?』

レインメーカー『……させねぇよ、お前との勝負、俺が引き受けるっ!』

浜面『雨男っ!?』

看守二『えっと……くっくっく、この序列五位に勝てるかなぁ?』

囚人A『あ、ごめん。俺実は五位って設定だから』

看守二『そうなんだ?一桁で空いてるのってどれ?』

囚人B『七位ぐらいでいいんじゃないかな?小手調べみたいな感じで』

看守二『おけおけ――この序列七位に勝てるかなぁっ!?』

看守一「あー……」

囚人A『それでは戦士はバトルフィールドへ!』

看守一「平和だなー……」

年期の入った囚人『では「ドラム缶押しバトル」、レディ――』

囚人C「ゴウッ!」

浜面「俺達はまだ登り始めたばかりだ――この男坂をなっ!!!」

739: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:41:57.27 ID:d5klvOyh0
――イギリス能力開発機構(学園都市関連施設) 深夜

浜面「男坂をなっ!!!」

浜面「……?」

浜面「ゆ、夢?ドラム缶押さなくて良いの?」

少女「何か悪い夢でも見ていたのですか?」

浜面「ん、あぁちょっと昔のトラウマがな。つーかこの支部でこさえられたシロモノだと思う――」

少女「どうしました?」

浜面「あるぇー……?俺ロシアにいなかったっけ?」

少女「気のせいではないでしょうか?あなたはまだドラム缶を押す毎日が待っているのですから」

浜面「夢じゃなかったよ!?悪夢なら早く覚めてって!」

浜面「……」

浜面「……イヤイヤ違うって。こうギャーってすれば場面変わるみたいなの」

少女「ですからこれは現実だと言ってるではないですか」

浜面「だってお前確か洋平さんにパチコーンっ、ってぶっ飛ばされた筈じゃ……?」

レッドキャップ「まぁ元々幽霊みたいなものですし、とミサカはちょい前使っていた口調で答えてみます」

スケアクロウ「心配性だなぁ、ぴょーんって跳んじゃえば楽になれるのに」

ポルターガイスト「こらこらあまり無茶は言うもんじゃないよ」

浜面「やっぱりいやがったっ!?」

ポルターガイスト「でも君の先輩だよ?」

浜面「先輩だからって言う事聞くとは限らねぇだろっ!つーか姿見せろっ!」

ポルターガイスト「あーいや、私は良いんだけどね、スケアクロウ君がちょっと」

スケアクロウ「ガス灯がお腹から抜けないんだよねー。破片取ると痛いしさ?」

浜面「見せなくていいものっ!?超グロじゃねぇか!」

レッドキャップ「ロクなのいませんよねー、全く」

浜面「お前もだなっ!特に帽子を血で染める所なんかねっ!」

レッドキャップ「おっとこんな所に血袋が」

浜面「俺じゃねぇかっ!つーか血は詰まってるけどもだ!」

レッドキャップ「じゃちょっと失礼しまーす」

浜面「切り裂きジャックに襲われるううううぅぅぅぅっ!?」 バタンッ

浜面(……あ、あれ?)

浜面(追ってこないな、あいつら?)

浜面「……つーかここ、どこ?ドアが一杯ある廊下……」

浜面「あれ今何しようとしてたんっだったけ……?」

浜面「――あぁ今日は『暗部』との初顔合わせだったけか」

740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:43:37.57 ID:d5klvOyh0
浜面「そうだよっ!俺はこんな扱いじゃねぇんだよ!主人公の一人として華々しくヒロイン落として頑張るんだよっ!」

浜面「よっし!浜面仕上、いっきまーすっ」 ガチャッ

手塩「――あぁ新しい面子か」

浜面(……誰?)

鉄網「……手、失礼します」 ギュッ

浜面「だ、誰?つーか何?」

佐久「こいつの能力だ。ま、後ろめたい事がなければ問題ない」

鉄網「浜面仕上、レベル0。元スキルアウトのリーダーをやっていた」

手塩「クズの頭……?」

浜面「ひでぇなっ!?」

鉄網「好きなコスプレはバニーガール。特に白が好き」

浜面「スゲェな能力っ!?でもここで暴露する意味が分からないけどもっ!」

鉄網「えっと――『上条・一方通行・俺の三主人公になったんだから、俺もハーレム構築したって良いと思う』」

佐久「あー……お前、後ろめたい事しか考えてないな」

浜面「俺は思っていないよっ!?文句は神様に言ってくれ!」

鉄網「『まずは滝壺を何とかしてから、弱っている麦野を押し倒して、絹旗はフラグ立っているから焦らなくてもいいや』」

浜面「違うものっ!それも俺の意思じゃないからねっ!神様が仕組みやがったんだし!」

佐久「……まぁ、俺は別にお前が主人公格に引き上げられたため、美琴ちゃんの出番が大幅に無くなったとか、そんな事は思っちゃいないさ」

浜面「言ってるよね?本音がダダ漏れして、床にシミまで作ってる勢いだよね?」

佐久「ようこそ、『ブロック』へ――」

パタン

浜面「……」

浜面(……違う、よな。俺の居場所はここじゃない、絶対)

741: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:45:20.87 ID:d5klvOyh0
浜面「こ、こっちのドアだよね。間違っちゃったなー」 ガチャッ

博士「いらっしゃい。君が新しい――」 パタンッ

浜面(ジジイとAIB○の組織なんか入れるかっ!)

浜面「……」

浜面(最近、AI○Oって見ないよな?)

浜面「あー……」 ガチャッ

心理定規「あ、こんに――」 パタンッ

浜面「何か相性が悪い気がするっ!後のヤクザっぽい人もおっかないし!」

浜面「オレの、オレの居場所はどこなんだよおおおおっ!?」 ガチャッ

海原「おや、新しい面子ですかね」

土御門「なーんか使えなさそうな感じだぜ」

結標「貧相な顔ね」

浜面「……」

浜面「ごめん、ちょっといいかな?」

結標「な、何よ?」

浜面「サラシ引っ張っておっぱい――げふっ!?」 バキッ

結標「死ね」

結標「エロい目で見られるのは慣れているけど、どストレートにセクハラされたのは初めてだわ」

海原「と言うか前々から聞こうと思っていたんですが、何故そんな格好を?」

結標「ノーコメントで」

土御門「察してやれよ」

海原「あぁ、はい。プレイ的なアレですね、了解しました」

結標「違うっつってんでしょ――」 パタン

浜面「……」

浜面(なんだろうな、こう、コレジャナイ感が)

浜面(今までの自分がどんだけ奇蹟の上に立ってた、つーかね)

浜面(何処に行っても即死というか、人の盾扱いされて終りって言うか)

浜面(あっれー……?俺の居場所って、どこにあんの?)

浜面「……」

浜面(逃げたってしょうがないんだよ、うん!)

浜面「だったら――飛び込んでやるっ!!!」 ガチャッ

木原数多「オイクソ野郎、テメェ今死んだぞ?」

浜面「」

数多「時間に遅れ――」 パタン

浜面「詰んでるよね?もうこれは悪意100%だよね?」

浜面「『お前死んだぞ?』と最初の一回は注意してくれる上司は、割とまともな方だけどもさっ」

742: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:46:27.74 ID:d5klvOyh0
浜面「……神様、もう楽になりたいですっ!具体的には女の子っ!」

浜面「女の子四人に囲まれてキャッキャウフフでハーレム構築したいんですよっ!」

浜面「それさえ叶ってくれれば――」 ガチャッ

浜面「……あ、あれ?ファミレス?」

浜面(もしかしてここはっ!俺が暗部に初めて行った時の話じゃねぇか!)

浜面(神様ありがとうっ!原作だと分不相応な立場過ぎる上、超電磁砲とかの出番も食いまくってるから、『誰得?』とか言われるけどっ!)

浜面(俺はっ!俺はこの世界で嫁四人作って幸せになりますっ!いーやっほうううっ!)

御坂「おー、こんなトコにいやがったのね。捜した捜したー」

浜面「え、俺ですか?」

御坂「他にいないでしょうが。ほら、さっさと来なさいよ」 グッ

浜面(確かこの子超電磁砲の子じゃ……?)

浜面(あぁっ!この子らも四人で行動してたっけか!って事はだ)

浜面(JC四人×俺、的な話になるの……?)

浜面(や、やばくないかな?都条例に引っかかったりしない?)

浜面「……」

御坂「ちょっ!?何で鼻血出てんのよっ!」

浜面「い、いやっ!嫌いじゃないよっ!悪くないものっ!」

浜面(あぁ時代はまさに俺へ来た!つーか神様ありがとうっ!逆恨みしててゴメンナサイっ!)

浜面(だよね!『アイテム』の四人は色々と濃すぎるもの!俺にはこっちの子らの方が合っているものっ!)

浜面「よくよく見れば超可愛いしっ!……あ、この子のかーちゃんも超おっぱい大きかったなぁ……」

浜面「決めたよっ!俺、四人とも幸せにするからっ!」

御坂「はぁ?なに言ってんだお前、バカじゃねーのか」

浜面「またそんなにツンはやめとけって。どうせすぐにデレるんだ・か・らっ」

御坂「まぁ訳分からないけど、あ、これ」 ポイッ

浜面「おっと、って電動ドリル?これでどうすんの?」

御坂「いやお前が言ったんだろ、『相手にワザと負けて情報を渡す』って」

浜面「え?――ちょっと待て!お前まさかっ!!!」

御坂 ジジッ!

トール(御坂)「どうしちまったんだ、お前?」

浜面「男じゃねぇかああぁぁぁぁぁぁっ!?何か男の娘っぽいけどさっ!薄い本ではどっちでもありそうだけど!」

743: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 10:47:35.42 ID:d5klvOyh0
トール「おー、バードウェイ居た居た。んじゃ頼むぜ?」

浜面「違うって!俺の役割はそんなんじゃな――」

トール「――ふむ。お前が何を言おうと何をしようと勝手なんだがなぁ」

トール「その『場所』ってのはそんなに安い所じゃねぇんだよ、これが」

浜面「な、何の話だ」

トール「映画を見るにはチケット代が必要。んじゃお前が主役になるには何が必要か?」

浜面「ゆ、勇気的なものだろ?」

トール「違うね、そりゃ誰だって持ってる。お前が持ってい“た”のは、『意外性』だ」

トール「だが逆に考えて見ろよ。主役ってのはある種の安全地帯だ、それは分かるよな?」

浜面「あ、あぁ当然だろ?途中で居なくなったら話にならないか、そもそもソイツは主役なんかじゃねぇよ」

トール「だよなぁ。居なくなる“筈”は無いよな?」

トール「でもなぁ『もしも』の話、主役が死んじまったら、意表を突かれるよなぁ?」

トール「それこそ『意外性』のある展開だ」

浜面「お、俺の事かよっ!?」

トール「やりそうじゃないか?神様、持ち上げてから落とすの大好きっぽいし」

浜面「助けてーっ!?フレ/ンダはいやあぁぁぁぁぁぁっ!?」

トール「落ち着けって。そう言う時にこそ『主役』を張るのさ」

浜面「いやだから張ったら死ぬって話でしょうが!」

トール「話に食い込めばいいんだよ。流れ的に絶対居ないと困るってなれば、死にはしないじゃん?」

浜面「確かに!俺はどうすればいいっ?」

トール「バードウェイ襲撃してこい、そーすりゃ何とかなるって」

浜面「ほ、ホントに?死なないかな?」

トール「大丈夫だって。顔見知りだろ?」

トール(まぁバードウェイが『優しく』リタイアさせてくれるかも知れないけど)

浜面「よっし!俺行ってくるよ!」

トール「よーしがんばれーハマなんとかー、未来は君とともにあるかもーしれないぞー」

浜面「投げ遣りだなっ!」

トール「あー、生きて帰ってきたら、巨乳のねーちゃんに化けてバニーさん着てやるよ」

浜面「よおおおおおおおぉぉぉぉしゃああぁぁぁぁっ!!!」

浜面「見てろっ!俺の戦いは――これからだっ!!!」

――HAMADURAアフター -終-


※以上、浜面アフター終了です。お疲れ様でした
浜面さんのキャラ自体は割と好き(オイシイ)なんですが、鎌池先生の都合で徐々にフェードアウトしそうな予感がします
来る前までは『上条×御坂×一方通行』的に話が進んでいたのに……せめてプロローグとエピローグ以外でもイソデックスさんに出番をやって下さい
つーか最新刊のテゴイ役だってイン〒゙ックスさんで充分じゃ……?

744: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 11:08:28.17 ID:Dy+KSeqP0
ハマー……

745: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 11:15:07.59 ID:03V98mGH0
乙ー!
あらゆる危機を幸運と悪運で生き延びて様々なすごい人たちと無駄に交流と面識があるここの浜面からは道化のバギー臭がしてたんだがなー

746: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 11:40:44.09 ID:d5klvOyh0
>>745
スレの主旨が基本『上条さん×アイテム』のお話なので、浜面さんが主人公のお話は機会があれば前向きに検討したいと思います

>>all
様々なご意見有難う御座いました
民主主義(数の暴力)により、来週から3で絹旗アフター投下したいと思います

747: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 14:10:29.30 ID:iG02pLw60
乙!

いつでもいいのでまたHAMADURAと洋平さんコンビが見たいです!

748: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 19:43:01.55 ID:hmUH/Hn7o
乙!
HAMADURAアフター書いてくれてありがとう
やっぱ好きだわHAMADURA

749: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/28(火) 19:52:37.33 ID:R+BcgEoc0
乙ー!!

次は上条さんが中学生最愛ちゃんに手を出すのかーwwktk

引用元: ・上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」